尾も白い犬のはなし 1 名犬ラッド
“ラッドにはわかった。ラッドはいつもわかった。“
ラッドのふかい胸と小さめの前足は雪のように真っ白で、広い背と、横腹と、たくましい肩は黒ずんだ青銅のように輝く。堂々とした頭部、その目にあらわれている魂! 「ラッドのような比類のない犬、千人にひとりももっていないような犬」「主人夫婦のラッドのかわいがりかたは、いつもいつもばかばかしく思われるほどだった」。読者もその思いと同化させてしまう、コリーの物語である。
米国東海岸のニュージャージー州北部、ポンプトン湖のほとりに著