恋するプリテンダー(ネタバレあり)
とにかく、くだらないですねえ。しかし、嫌いになれない。
下品な下ネタがあるとは聞いていたのですが、あるどころではない。始まってから3分の2くらいは下ネタしかないではないか。でも、なんか上品なのですよ。下品ではない。
ラブコメなので、主役二人への好感度で映画の好き・嫌いがほとんど決まってしまう感じではあるのですが、この二人はアッサリしている。グレン・パウエルは筋肉がありすぎて嫌らしさが全くないし。その分、思い入れも減るけど、ねちっこい嫌らしさがないので楽しんで見ていられる。
ドラマだと全10回のうち8回目くらいで過去のトラウマ回があったりして深みが増すのですが、そんな仕組みはどうでもよいのでしょうね。なんだか、全体がフワフワしていて、二人以外の登場人物の書き割り感が半端ない。見終わった後に、どちらの両親がどちらの親だったかと聞かれても答えられません。家族が家族に見えない。姉妹も姉妹感はゼロである。
皆が下手なお芝居して騙し合うという話なので、観客も騙された振りしてお付き合いするというのが良いのでしょう。(ところが、一番芝居がうまかったのは意外な人だったというオチ)
細かいことを言うと、パーティで誰も悪酔いせず、嘔吐しないのが珍しい気がする。コメディってだいたい誰か吐くんですよね。それが面白いと思っているのか。
この辺は、下品な方に振り切った『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』などと全く違いますね。あれはあれで良いと思いますが。(いや、やり過ぎかな)
後、とにかく観客を楽しませようというサービス精神ですね。ベンの下半身を調べるビーの件とか。ここまでやったらさすがに笑うでしょうという心意気(?)を感じる。
最後のベンの振る舞いは完全にアウトなんですけど、まあそれも映画としてのサービス精神の一環として納得出来る。
しかし、それにしてもシドニーってオペラハウスしか見る所ないんでしょうか。もう少し「らしい」所はないのか。観光映画としては大分物足りない。