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【ドライフード派向け】-尿石溶解用療法食を食べたことによる、もう一つの変化

本来はメンシプ投稿です。

しかし、ドライフードのみを給与されている子は多く、それにより下部尿路結石に悩む症例が多いです。

ですので、全体公開にすることでドライフード派の方のご参考になれば幸いです。


下部尿路結石はドライフード由来疾患の一つです。

世間ではドライフードを食べている子が多いですから、尿石溶解用療法食は最も売れている療法食の一つです。
ドライフード派の方にはある意味、なじみのある療法食となりつつあります。

「この療法食に変えたら尿量が驚くほど増えた!」という話はよく聞きます。
これは至極当然です。


なぜなら、尿石(溶解できるのはストルバイトのみ)を内科的に溶解するために、「尿量を著しく増やす」設計にしているのがこの療法食だからです。(毎回お伝えしているので、説明は割愛)

そして、実はそれ以外にももう一つ、見た目に分かる大きな変化があります。


それは『便の量が減る』ことです。


ご家族によっては、便秘かな?と不安になられることも。
なぜ便秘になるかというと、「便の量が減る」ように設計された療法食だからです。


では、なぜ便の量が減るように設計されているのでしょう。
便の量をなるべく少なくして、水分をなるべく便にとられないようにしたいからです

そもそも、便は水分が約70%です。
便の量が多いと、その分たくさん水分をとられてしまいます。
そこで、尿石を内科的に溶解したい場合には少しでも多くの水分を便ではなく、「尿」へとまわしたいのです。


ちなみに、「体から出ていく水分」は大きく分けて3ルートあります。

・不感蒸泄(体表や呼気)(約23%)
・尿(約70%)
・便(約7%)

この便へいく7%の水分を極力減らすことも、尿量を少しでも多く確保する工夫のうちのひとつとして施されているのです。


そして、便の量を減らすのは具体的にどういう設計か。


「消化率」です。


この療法食の原材料表記を見ると「超高消化性◯◯タンパク」などと記載されています。


“超”は、メーカーによると85%以上の消化率のもの、などと記載されています。


このように、尿石溶解用療法食は便の量が減るフードになります。

便秘かと疑う状態になる反応が、食事変更により見られます。


なお、ドライフードから手作りご飯へ変更した際もこのような変化が起こります。

理由も似ています。
手作りご飯は消化率がいいです。

フードよりも消化率が良く、便の量、つまり消化されずに残った残渣が減ります。
それゆえに頻度も減ります。

つまり、尿石の予防の観点からも、手作りご飯は優秀と言えます。


尿石において、ストルバイトと違い「シュウ酸カルシウム結石」は、一度結石として析出してしまうと内科的に溶解できません。

尿路を通過できない大きさになると、取り出すには外科的に取り出すしかありません。

外科手術後に「再発予防」が最重要となることは、獣医師の共通認識としてあります。

その際はドライフードの管理よりもウェットフードの方が良いこともしかりです。

そのウェットフードよりも尿量を確保できるものが「手作りご飯」です。


「尿量を増やす」という尿石のリスクを下げることが、手作りご飯であれば簡単に行えます。


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