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都会の企業と地方企業の間で”速度感”に違いがあるのか

どうも、ゑんどうです。

これまで首都圏、いわゆる都会と呼ばれる場所に本社がある中規模の企業やバリバリのスタートアップに関わることもあれば、地方都市で人数規模で10名ほどのベンチャーやグループ規模何千人って規模の企業で働いたことがあります。

こうやって書くとすごい経験をしてきたように見えますが、基本的にはどこに所属していたとしても使いづらい出来損ないだったことをきちんと付記しておきます。

地方と都会で違いがあるのかって話が出た際に速度感の話を耳にします

はたまた、ベンチャーやスタートアップの人たちからは「自分たちは機動性が高い(稟議決済などの時間が短縮できる)分、速度感を持って(早く)仕事をすることで規模に打ち勝つのだ」なんてことも聞いてきました。

規模が小さい分、速度感を持って仕事に当たるのはわかるのですが、本社所在地の違いによって速度感に違いが出ているのかってことは気になるところです。

そこで数少ない経験でしかありませんが、都市部と地方部の企業と関係を持ったことのある立場から、そんなこんなを振り返ってみたいと思います。

■ 仕事に速度が必要な理由

そもそも仕事において速度感を高めることはどうして必要なのでしょう。簡単に理由を書いてみます。

  1. 競争上の優位

  2. 顧客満足度

  3. コスト削減

  4. リスク回避

  5. オペレーションの効率化

こんなところでしょうか。

競争上の優位性が何よりも優先されるはずで、業界内で速度感の高いサービス提供ができることは競合他社との比較において優位に立つことができます。

同時に、その強みは顧客満足度を高めることにもつながるでしょうし、結果的に業務の遅延などを防ぐことができるため顧客が離れることや不満を生じさせる隙を与えないことにもつながっていきます。

さらに、短時間で業務を行えるようにするために業務オペレーションを効率的に運用することになり、結果的にコストが削減できるようになります。
上記以外にもあるのかもしれませんが、少なくともこの5つだけでも仕事に速度感を高める理由が見出せます。

これを踏まえると、どこに籍を置くのかに関係なく「速度感は重要だ」と結論づけることができそうなものですが、地方の事業者と都市部の事業者との間には速度感に向けた感度の段階が異なるようではあると過去の体験から実感しています。

■ 地方事業者にあって都市部事業者にないもの

なぜ、地方に籍を置く事業者は速度感を高めることに感度が鈍くなりがちなのか。

上記したように、速度感を高めて仕事を行うことによって競合他社との比較優位な状況を生み出せるわけですから速度感を高めることには何の不利益もないはず。

それでも地方と都市部との間には差異があるのはなぜなのでしょう。もしかしたら、都市部にはない地方事業者特有の”事情”があります。

地方都市の場合、事業の集中度が異なります。都市部に比べて地方都市は事業に対する事業者の数が少なく、集中度合いが低いことから競争も少なく独自展開が可能です。

また、東京のような都市部に事業が集中することは同時に規模が大きくなるとも言えるわけで、地方には都市部に籍を置く事業者のような規模を扱うことはありません。そのため、小規模な業務に特化した事業を展開することが可能になります。

それを実現するためのコストも地方都市の場合は都市部と比べて人件費や管理費などの企業の運営コストが低くなることから、規模を追いかける必要性は薄れていきます。

何より、地域に根ざした顧客基盤があるため、そこに合わせたサービス提供を行うことを前提にすると、どうしても速度感を含めて合わせる必要が出てきます。

速度感を高めることはやりつつも、適度にウェットな顧客やコミュニティーとの関係を維持する方向で動いている、動かざるを得ない”事情”が地方に籍を置く事業者にはあるのです。

■ 都市部に籍を置く事業者が抱える”市場”と”競合”、”顧客”

反対に都市部に籍を置く事業者が抱える利点と悩みは地方都市に籍を置く事業者が抱えるそれとは真反対のことだと言えるでしょう。

人口が集中しているので市場は大きく、より多くの顧客や潜在顧客との接点を持つことが可能ですから事業機会に恵まれているとは言え、人口が集中しているのであれば多様な人材を確保することも地方に比べれば可能です。

都市部には多くの事業者が存在するため、先進的なインフラが整っていることや材料や部品といったサプライチェーンの確保も地方都市と比較すれば容易になることでしょう。

競合他社の母数は地方都市と比較して段違いなわけで、それらを振り落とすような事業運営をしなければなりません。さらに顧客からの期待値も必然的に高くならざるを得ませんから、速度感を高めタイムリーにサービスを提供することは当然の仕様だとすら言えます。

都市部の事業者は常に競争にさらされることが常なため、業務オペレーションを効率的にせざるを得ず、それに伴ってコストが低減できリスクも回避しやすくなるような利点があると理解することが可能です。

何も都市部の事業者が優れているから速度感を高くしているだとか言うつもりはありません。どこに籍を置くのかによって”事情”や”状況”が異なるのだから、それに応じた適応の結果なのでしょう。そこに優劣はないはずです。

おわりに

地方都市と都会との間にあるのは人口の集積によって生じる、それぞれの事情から速度感が変わらざるを得ないって話をしてきました。

とはいえ、市場を同じにするのであれば地方だろうが都市部だろうが関係なく、速度感を高めることが必要になります。ぼくが住む新潟であろうが沖縄であろうが東京や大阪であろうが、対象となる顧客がニュージーランドにいるのだとしたら速度感に差があってはダメなはず。

土着性が速度感に差を生じさせるだなんてことが結論になってしまったのですが、それも一つの特性だと捉えれば何も問題はなさそうです。事業特性ってやつですね。はい。

ではでは。

ゑんどう(@ryosuke_endo


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