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"こころ"があるから、というお話

僕はスポーツが好きで、そのスポーツを仕事にしたいと考えてトレーナーとして個人事業主として活動を始めたのが12年前。

決して上手にはビジネスできなかったけど、当時はトレーナーと言う存在に対してお金を払って雇ってもらえるなんて、徐々に先人たちが切り開いてくれたおかげで増えていたものの、まだ地方都市では本当に数えるほどでしかなかった。

いまではスポーツとはまったく関係のない仕事をしているし、その仕事にもやりたいを思えることを見つけている。

別にスポーツだけが人生だとは思わない。けど、スポーツがあるから良かったって思える人生も良いものだと思ってる。

じゃー、なんでスポーツが好きなんだろう。

「"こころ"が振れるから」というのが現時点での僕の答え。

スポーツを通して健全な心身の育成を目的に...とか、規則を守れる云々...というのは正直どうでもいい。そんなのは建前だっていうのはわかっているから。

大切なのはスポーツをしたり、見たりしている時の自分が好きかどうかだ。

どんな理由だったとしても、何かをしている時の自分が好きかどうかが大切だと僕は思っているのけれど、スポーツの沸き立つ瞬間や、永遠にも感じる長い時間の共有や、一瞬にして奈落の底に落とされる刹那、など、いちいち感情が上下左右に振り回されるのが好きなんだ。

感情が大きく揺れ動く機会というのは普段生活していてると、それほど多くは出会うことはない。スタジアムなり、アリーナなり、競技会場というのは非現実的な空間で、静寂した会場を目にすると、観戦時の"異常さ"に気づく。

その非現実的な空間に千人単位、万人単位の人が集まり、悲喜交々(ひきこもごも)の感情がドンドンと振り回される状態を共有するという、一見するとヤバいもの。そこが大きな魅力。

スポーツはエンターテイメントビジネスであり、ショービジネスだということで落ち着く。

僕がスポーツを観にいき、大きな興奮を覚えたのは2004年。

#アルビレックス新潟 が当時J2リーグに所属していながらもビッグスワンスタジアムには4万人もの人たちが大挙して押し寄せ、声援を送る光景を見た時でした。

スタジアムに近づくたびに大きくなるチャント。

ユニフォームを着て試合会場に興奮気味の表情で歩く人々。

試合結果に応じたそれぞれの表情を見せながら帰る人々の背中。

それら一連の流れを思い返してみて思うのは、当時、誰もが自分たちのストーリーをアルビレックス新潟に乗せていたんだ、ということ。

アルビレックス新潟の選手たちが懸命に走る姿は、自らの生活を支えるために仕事をする自分に重ねていたのかもしれない。

ゴールの瞬間に大きな勇気を感じて沸き立つのは、普段、本当は大きな声で喜びたいと思っていることも、なんだか恥ずかしい気持ちから大きな声を出せずにいたのかもしれない。

勝った・負けた、というのは二の次で、普段の生活の中で「出したいけど出せない感情の揺れ動き」を出させてくれるのがアルビレックス新潟だったのかもしれない。

つまり、あの時スタジアムに足を喜び勇んで運んでいた人たちは、それ自体が生活であり、それをすることが嬉しかったし、楽しかったんだ。


そして、もう一つ。

2012年、僕はベルリンスタジアムにいた。

2008年ドイツW杯決勝でジダンがマテラッツィに頭突きを食らわし、退場をしたスタジアム。

ヘルタベルリン対ブレーメンの試合を見た時。試合自体は当時、どちらも降格圏におり、どちらが下に降りるのかということを争う試合だった。

試合の中でフォワードの選手が絶妙なポジションを取りながら相手チームがボールを保持するのを上手に妨害するという玄人好みのプレーが出た時にスタジアムから拍手が起こった。

日本ではあまり経験したことがなかった現象だった。

これが「文化」になるということか、なんて偉そうに思った。

しかし、それ以上に衝撃的な違いが一つ。

ビールを買いにキオスクへ何度か行った際、必ず同じポジションからスタジアムの外を見ながらビールを飲んでいるおじさんがいた。

何度いっても、彼はそこから動く気配がない。そうか、彼は試合を見に来ているのではなく、ビールを飲みにスタジアムに来てるんだ。

会場に行くことで「自宅で飲むビールではなく、高揚感に満ちた場所で飲むビールが格別なんだ」と。それも”こころ”がそれを求めているから行動しているだけで、機械的に、論理的に考えての行動ではない

けど、だからってスポーツが何でもかんでもできるわけではない。ビジネスで動く金額とスポーツの中で動く金額には圧倒的な差があり、スポーツの中でも日本とアメリカ、欧州はもちろん、中国との間にも大きな差があります。

逆を言えば、日本のそれはまだまだ伸び代がたくさんあるということであり、できることがたくさんあるということではないでしょうか。

それをスポーツの中からではなく、外に出た僕だからできると考え、 9/23 新潟でイベント『 #スポーツの未来に僕たちができること 』を開催します。

東京とか福岡みたいな都市ではなく、地方都市で開催するということに意義があると思っていますし、他の地方都市でも同じような動きにつなげることができる考えています。

もし、興味がある方は、Facebookページでプロセスを開示していますので、のぞいて見てください!



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