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仕事と感情の関係について「今井むつみ先生」の紹介も兼ねて

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

日経ビジネスに、今井むつみ先生の著書『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』を基にした記事があったのですが、これはもう…なんというか、「そうですよね!先生っ」って感情が揺らいじゃいました。

今井むつみ先生は、慶應義塾大学環境情報学部教授で、認知科学、言語心理学、発達心理学が専門なのですが、ぼくはゆる言語学ラジオに登場したことを受けて認知し、そこから複数冊を拝読しました。

なんというか、著書を通じて、人間の思考や学習のプロセスについて、独自の視点から解説されている方ってのが、ぼくができる紹介文章の限界です。

でね。

今回は、今井むつみ先生のことを知らない人も多いでしょうから、日経ビジネスの記事を基に、従来の「仕事に感情を持ち込むな」という考えが、実は人間の本質と相反する可能性があるという指摘や、私たちの働き方を根本から見直してもいいんじゃないですかってことを書いていきます。

感情を排除するなんて無理

記事で最も印象的だったのは、人間の判断や意思決定には必ず感情が絡むという指摘。

「仕事に感情を持ち込むなんて、二流のすること」という考えが科学的根拠に基づいていないだなんてのは驚愕じゃないですか。だって、言われてきたでしょ。ぼくなんて高校生の頃から言われてきたよ。

「たとえ、彼女と別れても、父ちゃんとか母ちゃんとかが死んでも、ピッチに立つんだったら関係ないから」ってね。

プロフェッショナルとしての立ち振舞を求めてのことだってのは当時も理解したし、いま、振り返ってみても、そんなことを言ってもらえるってのは大げさに言って幸福なことだった気もします。

だけど、オレ、プロじゃねえからなぁ…。

感情が上下左右に揺れまくることなんて一度や二度じゃ済まないのだけど、改めて科学的な根拠を提示されつつ、「そんなの無理だよ」って添えてもらえている事実に感謝しかありません。

だって、たとえばですよ。

営業部門で新規顧客を担当することになった時、「この顧客は難しそうだ」という第一印象で、無意識のうちにネガティブな感情を抱いてしまうことってあるじゃないですか。

その感情が提案内容や交渉態度に影響を与え、結果として成約率が下がってしまう...とか、いかにもぼくがやらかしそうなストーリーですが、似たような経験を持っている人ってのは一定数いるんじゃないですか。

今井先生の研究ってのは、このような感情の影響を認識し、理解することが、より効果的な意思決定につながる可能性があることを示唆しています。

無意識の力を侮るなかれ

あと、記事内では多くの判断が無意識のうちに行われ、その後で論理的な理由づけがなされるという点を強調しています。これは、ティコ・ブラーエの例に顕著に表れています。

ティコ・ブラーエは16世紀の天文学者で、当時、最も精密な天体観測を行っていたとされています。しかし、自身の信じる天動説(地球が宇宙の中心にあり、他の天体がその周りを回るという説)に合わないデータを「測定誤差」として無視してしまいます。

わかりますか。無視したんですよ。自分にとって都合が悪いというよりも、自分の感情に逆らってくるような結果に愕然とし、それを"無視"したんです。

大人げねえなぁ…って思いますけど、わかりますよね。

たとえば、何か新製品やサービスの開発をするとしてですよ。

市場調査の結果が自分たちの予想と異なる場合、「サンプル数が少ない」「質問の仕方に問題がある」などと、データの信頼性を疑ってしまいたくなるんじゃないですか。

こうやって、無意識の判断バイアスを認識すること。認めること。それをすることによって、より客観的で効果的な意思決定につながると今井先生はいうわけです。

感情を活かす新しいアプローチ

で、記事の最後の部分では「好きなことの引き出しを増やす」と提案されています。このアプローチ、おもしろくないですか。

単に感情を抑制するのではなく、むしろ多様な感情や興味を自身の中で育むことで、より柔軟で創造的な思考を可能にするという考え方です。

普段は数字を扱う仕事をしている経理担当者が、趣味で絵画を始めたとします。

一見、仕事とは関係ないように思えるかもしれませんが、絵画を通じて培った色彩感覚や構図の理解が、データの可視化やプレゼンテーション資料の作成に活かされるかもしれません。

一つに絞って専門性を突き詰めることは、その人の職能を高めるって意味でも大事なことなんでしょうが、それに固執することは、むしろ機会を阻害する可能性もあるってことです。

多様な興味を持つことで、様々な角度から問題を捉え、創造的な解決策を見出すことができるのであるのなら、それを目指して懸命に興味と関心を広げていくことに取り組んでみてもいいんじゃないですかね。

おわりに

ぼくはね、この記事を読んで本を読みたくなりましたし、仕事における感情の役割について、もっと真剣に再考する必要があるなと思いましたよ。

感情を「排除すべきもの」として扱うのではなく、むしろそれを認識し、理解し、時には活用することで、より人間的で効果的な仕事のあり方を見出せるんじゃないですか。

我々は、もっと感情的に豊かになってもいいんじゃないですか!

そんなわけで、今後は、自分自身の感情や判断プロセスをより意識的に、丁寧に観察していくことにします。

また、同時に他者の感情や視点にも敏感になっていくので、みなさん、ぼくと話す際には感情表現を豊かにしてくださいね。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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