下積みってさ、というお話

Twitterの中で経営に関する素材を提供することで有名なとくさん(@nori76) がこんなツイートを。

これを読んだ瞬間に、脊髄反射的にツイートした内容がこれ。

ちょっと草(www)をつけた上で、煽り気味のツイートしてますが、僕の意見としては決して間違ってないと思っていることもあるので、記事にします。

『○○の監督』というポジションがあったとしますね。

そのポジションに人を配置する上で「修行期間」みたいなのを設けようとすることを見聞きしたことがある人もいれば、実際に体験をしたことがある人もいるかもしれません。

「まずはコーチを○年やって、そこから助監督になり、そこで○年ぐらいやったら他のチームから声かけてもらえるまで待って...」

こんなことしてたら、いつまで経っても「監督」、つまりマネジャーにはになれませんよね。言葉尻が強くなりますが、これは一種の飼い殺しで、優秀な人が若くして台頭できないような仕組みをわざわざ設けているとしか思えない。

マネジャーとして優秀な人は、マネジャーの経験値が高い人のことを指します。その経験値は量的なものだけでなく、質的なものも含まれます。

「どんな価値基準に照らして意思決定を行ったのか」

「その背景ではどんなことを考慮していたのか」

「その考慮する素材は何がどれぐらい用意されていたのか」

緻密な論理の積み重ねを、刹那的に求められる状況にいることでマネジャーとしての資質が磨かれていくのでしょう。僕はそんな立場に立ったことも、今後立つこともありませんが、小さなクラブを統括する立場ならあります。

ほんの小さな小さなチームでしたが、そこで感じたことは「いくら指導経験を積んだところで、どんな勉強をしたところで、マネジャーとしての経験が不足しているという事実は変わらないし、埋めようがない」ということです。

サッカーでいえば、Topチームでのマネジャーになるためのライセンスが必要ですが、その辺りは河内一馬さんの記事をご参照いただければと思います。

野球にも同じ事が言えます。特に野球に関しては現状、指導者ライセンスみたいなものは存在していません。つまり、野球の指導に当たる人たちは、スポーツ医科学的な見地から最低限の知識と理解を持って指導にあたっていると言うことを保証(証明)することは誰にもできないと言うことです。

もちろん個人で勉強を重ねられ、常に最新の技術や知識に触れている方はいらっしゃるとは思います。しかし、仕組みや制度として、それを支えるようなことにはなっていないと言うことです。

逆を返せば、誰にでもできると言うことではないですか。

無論、現実的に考えれば、人事権というのは誰かしらが握っていることでもありますから、決して容易な話ではないことはわかります。

しかし、ルール上、ライセンスの保持が必要なわけではないため、極端な話をすれば野球の経験者でなくとも監督をやっていいのではないか、というのが今回のツイートの趣旨。

マネジャーとして優秀な人が外部組織から中に入り込み、監督として優秀な成績も収めた場合に、一躍注目を集めることになりそうじゃないですか。

MLBの場合、Genral Managerと呼ばれるチーム編成のヘッドとなる人たちの野球経験が必ず必要かと言われると、そんなことはありません。

下の記事をお読みいただければわかりますが、確定事項とは言えないまでも、はっきりとした経歴の中に野球歴がないという人がGMとして登用されている事実があります。

根本的に何が言いたいのかと言えば、スポーツ人材はスポーツの中でだけ活躍する場があるからいいのではなく、スポーツ人材は他の分野でも活躍できるような状態にしないと、いつまでも「特別な」業界であり続けてしまうということです。

人材の流動性の話になるのですが、スポーツのマネジャーとして優秀な人が一般ビジネスの中で優秀かどうかはイメージでしかありません。

「上司にしたい人ランキング」で上位になったりもしますが、実際に会社組織の中でマネジメントをしたことがあるわけではないですから、イメージでランキング付けされていることになります。

それ自体は別にどうでもいいのですが、僕はそれを普通にできるようになってもらいたいし、なるべきだと考えています。

スポーツと他のビジネスの間で「移籍」が行われるような状態になることが、スポーツが本当に社会の中で価値のある存在だと認められた瞬間だと。

現状、スポーツ界の人たちはスポーツ界の中だけでぐるぐると回しているのが現状ですし、そこからあぶれたらイチから人生をやり直すぐらいの状態に陥ってしまいます。

しかし、それではもったいないと思うんですね。

そんなことを考える機会を新潟で作りました。

どうぞ、ご参加ください!


#スポーツの未来に僕たちができること


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