見出し画像

転職市場に自身を晒す前に大切にしたい「価値基準の明確化」

枕にかえて

どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 誰にとっても「基準」となる考え方や行動規範のようなものはあるだろう。自身の親なのかもしれないし、お世話になった師匠やメンターなどから受けた影響かもしれない。もしかしたら、パートナーから大きな影響を受けて自身の基準を設定している人もいるだろう。

 僕というか我が家にとってのそれは子どもたちであり、彼らが肉体的にも精神的にも困窮しないことを是とする行動や思考をするようにしているし、それを大事にすべきだと考えている。彼らが共に生活をすることがなくなってしまった場合には、改めて基準の見直しが必要となるかもしれないが、それはまた別の話である。

 行動や選択などにおける基準には、それまでの生活や就労における習慣が影響を与えることは誰しもが経験があるだろうが、その基準が低いのか高いのかは常に把握しておかなければ転職などライフイベントの発生時にはには苦労することになる可能性もある。

 今回はそんな話をしていきたい。

▶︎ 誰にとっての基準か

 我々が生きる人間社会には「基準」なる言葉が存在する。辞書を引いてみると以下のように出てくる。

基準
行動や判断の根拠となるものや数値である。何かを比較する時に用いる。

Wikipediaより

 ここから言えるのは、誰がどの角度から見たところで変質しないような「もの」や「数値」といった定量的な性質を持つものを利用することだ。

 これが法律や哲学といった信仰や思考、ひいては憲法や法律といった部類になってくると「解釈」の余地が生じることになり、その解釈をめぐって議論や論戦が繰り広げられることは憲法9条の解釈をめぐる政府与党をはじめとした国会の動きを見てきたことからも明らかだろう。

第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本国憲法より

 ここで大事になるのは、誰にとっての基準であるのかを把握することであり、基準がない=誰にとって大切なことなのかを把握することができない。つまり、何も推し量れなくなってしまうのだ。

 誰にとっての基準なのかがわかれば、その基準に照らして自分がどの程度まで評価されるのか、または評価されないのかを把握することにもつながっていく。だからこそ、まずは現状の把握と共に自分自身が何を基準に評価されたいのかを決めることが転職市場にとって大切なことである。

▷ 日本の、自治体の、近所の、自分の...

 うえで憲法9条を例として利用したが、憲法や法律は日本国にとっての基準だ。ここに定めることや解釈の余地を大きく逸脱する行為や行動は憲法違反であり、法律違反となる。

 具体的にいえば、日本の中でそれを逸脱する行為や行動は許されないと認定を受ける。

 他にも自治体でも町内会や自治会といった街ぐるみや町内ぐるみでも基準や規則などがある。他にも我々が利用しているインターネットにだって、上記の法律等に則ったルールがあり、そこから逸脱することは違法行為や不法行為として認定されることになる。

 また、各種サービスを利用したり物品を購入する上でも、提供者側の貸した基準に照らし合わせて規約や規則といった基準が設けられている。

 それら条文に記載されている内容をすべて暗記することができる人は決して多数派ではないだろうが、少なくとも契約書等に記載されている内容が自身にとって不利ではないのかどうかを確認するぐらいのことはやっているはずだ。

 その基準が自身の中で明確になっているかどうかを決めていいのが転職活動だ

▷ 数値で確認も検証もできる基準に(定性ではなく定量で)

 では、転職活動における基準とは何か。重要になるのが自分自身の価値基準を定量的に把握することである。

 たとえば、年収に重きを置くのであれば現在の年収や手取り金額が他の人たちと比較して多いのか少ないのか。直接的に聞くことははばかられるだろうが、『職種別 年収』などと検索語句を入力すれば転職サイトなどで掲載されている金額を把握することができる。

 また、厚生労働省のWebサイトを訪問すれば「日本人の平均給与」を確認することも可能だ。嘆かわしいことに平均給与自体はこの30年ほど全力で横ばい傾向であり、景気が上向こうが下火になろうが関係なく、日本経済のhomeostasis恒常性が保たれている。(褒めてはいない)

図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)
『令和2年版 厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える』

 日本の脅威的な横ばい力はひとまず置いておくが、日本人の平均給与や職種別の年収を参考にしつつ、自身が所属する企業の業績や業界の予測に加え、自身の担当している業務とを照らし合わせた上で、年収を上げたいのか下げたいのか。

 そんなことを考えていくと自分なりの基準が出来上がっていくはずだ。

 中には「年収を上げずとも時間に余裕がほしい」とフルタイム勤務ではなくパート勤務が希望となることもあるだろうし、勤務地を自宅から近い場所にするのか遠い場所とするのか。はたまたリモートやテレワークなどで通勤時間自体をなくすのか。

 一つ基準を作り上げることができれば、それにまつわる情報を収集しなければならなくなる。そこから自分が何を大切にしたいのか、何を優先して考えたいのかが徐々に明確になっていくはずなので、現在転職を考えている人やこれから考える予定のある人はぜひ考取り組んでほしい。

▷ 感情的にも許容できる部分を残しつつ

 定量的な面で自己基準を設けることで、それ以外の優先事項が自然と生じてくることは上で述べたが、別々に考える必要はない。仮に「年収を上げたい」と「家族との時間を確保したい」が共存した場合、それぞれを定量的に明らかにすることからはじめる。

 「最低でも現状の400万を軸にして、年間で30万ほど上げたい。」や「今の仕事は残業が多く、自宅に帰ってから子どもたちと過ごす時間が確保できない。日常的に子どもたちと会える時間は20分だから、90分は確保したい。」といった希望を抱いた。

 考え方としては、現状の職場ではどれほどの残業をしているのかは別として、少なくとも子どもたちが寝る直前に自宅へ帰ってくるような生活であるから、21時や22時に帰宅していることを考えると移動時間を踏まえると20時ぐらいまで仕事をしているのかもしれない。

 定時が18時だとしたら日々2時間ほどの残業を行なっているため、月に40時間の残業をしていることになる。それを1時間や1時間半ほど少ない就労環境や業務負担を減らすことができれば、家族との時間を確保することにつながる。

 もしくは通勤時間を削れる場所で住めれば状況を変えることができる。住む場所が変えられないのであれば自宅から程近い場所で就業場所を探す他にない。

 しかし、仮にこれまでの通勤時間が片道60分かかっていたのだとしたら、30分に短縮できれば残業時間を30分ほど少なくできれば叶えられそうだ。

 ここまでみてきたように、何を基準として大事にするのかを明確にできない場合、「できそうなこと」や「やりたいこと」といった極めて浮ついた理由で決めることになってしまう。

 仮にそれで内定を受け、会社に入ることになった場合、何を基準に決めたのかが浮ついてしまっているため、後悔をしようと思ってもできない。だからこそ、何を基準とするのかをきっちりと定めてから転職活動、ひいては転職先を探すべきだ。

 それを定めてから動き出したとしても遅くはない。誰でもない、あなたが働く場所なのだから。

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

トライバルメディアハウスの池田さんは本当に素敵な記事を書く。これについても、主観的に客観的なnoteを書いてくれている。価値のベクトルや面積を意識することにより、自身の給与を引き上げられるのかどうかを知ることができることはもっと多くの人が認識すべきだろう。

需給バランスを見ることは何をするにしても前提としたい認識だ。労働市場においては何を見ればわかるのか。単純に給与をみればわかるし、さらには業界の伸長性などを加味すれば必然的に見えてくるものだったりする。まぁ、難しいのでオススメは自分の実績を作って給与を引き上げることだ。

社内資料を公開することは決して簡単なことではない。それによって会社イメージを毀損しかねないからである。無論、逆に引き上げる可能性だってある。どちらにせよリスクがあるからこそリターンもある。中で触れている給与を引き上げる原則に関しては転職を考えている人はよく読むべきだ。

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

転職をする際に気になるのは各種条件もそうだが、そもそも自分にあう仕事とは何かだ。それらを科学的な根拠に基づいて考察するきっかけを与えてくれるのが本書である。ただ、エビデンスによって提示されるのは大きな傾向であるから個別具体的な事象にまではあてはまらないこともあるので悪しからず。

▷ 著者のTwitterアカウント

僕の主な生息SNSはTwitterで、日々、意識ひくい系の投稿を繰り返している。気になる人はぜひ以下から覗いてみて欲しい。何ならフォローしてくれると毎日書いているnoteの更新情報をお届けする。

リンクを踏むと僕のTwitterアカウントへ飛びます

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。 お読みいただき、それについてコメントつきで各SNSへ投稿していただけたら即座に反応の上でお礼を申し上げます!