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アルゼンチンがW杯で優勝し、近所では除雪車が動いてる中で「なる早」について考える。

どうも、ゑんどうです。

ぼくの住む新潟県新潟市は積雪が少なく、新潟の中でも「雪が降らない地域」だと言われているのですが、これを書いている最中には除雪車がゴーゴーと轟音を響かせながら走り回っています。

この日、そして翌日まで雪が続くようであると予報が出ているので気分は最悪ですが、同時に冬って時期を実感できるものでもあるので全面的に否定するのも少し気が引けてしまう…そんな関係性だと思っていただけると幸いです。

これを書いているのはいつも通り、夜明け前の時間帯なのですが、これから車に積もった雪をどかしたり、雪かきをして地面を露出させなければならないので手短に行きたいと思います。

今日の話題は、あなたの職場でも時として聞かされるであろう「なる早」について。STUDY HACKERの書籍紹介記事で出てきたことを受けて書いていきます。

■ 「なる早」は指示でも締切でもない

「なる早」とは「なるべく早く(して)」の略ですが、間違いなく、これは指示でもなんでもありません。ただの願望であり希望、さらにいえば他人に依存するために利用する詭弁です

もし、あなたの職場でこれがまかり通っているのであれば退職を考えてもいい気さえします。それほどに職場の風潮としては黄信号から赤信号に変わる直前だといえるような危険水域にある状態です。

「なる早で」と依頼をするのは上司や同僚先輩といったヒエラルキー組織で上位に位置する人物たちが、自分よりも階層の下にいる人たちに向けて発するものです。繰り返しますが、これは指示でもなければ締め切りを提示するものでもありません。

「なるべく」とは「可能であればそうしたい」程度の言葉で、なんとしても早くしてほしいとは違うわけです。「可能な限り早くしてほしい」といわれたところで、述べた側の可能な限りと受けた側のそれとでは主観が異なる以上、差異が生じてしまいます

仕事をするうえで大切にしなければならないのは「前提を揃えること」で、この前提がまったく異なる条件を提示されてしまうとアウトプットの方向性がまったく異なるものになってしまいかねません。

そもそも上司や部下側とでは見えている景色(取得できる情報の量と質)が異なるため、曖昧な指示でもなければ締め切りを提示するでもない言葉を吐くことは万死に値するといえる愚行であるといわざるを得ません。

■ 視点によって異なる「なる早」の期限

上司と部下との間には大きな隔たりがあります。

それは人間同士の好き嫌いといった感情的な隔たりのことではなく、上記した「情報の量と質」のこと。

特にわかりやすいのは代表取締役と一般社員との間にある意識や認識の齟齬でしょう。

会社の代表として方向性や舵取りをしなければならない立場から物事を進めていく役割を担う代表取締役と、上から与えられるタスクを処理することに懸命になっている一般社員との間には情報の量と質における隔たりがあるのは当然です。

よくわかっていない人は「経営者目線を持て」と一般社員に無理強いをすることがありますが、これはまず無理でしょう。

経営者目線を持つためには、あらゆる権限を委譲し、経営者が普段から見ている数値も含めて判断することを指すため、そこまでの権限もなければ閲覧することさえ叶わない一般社員が経営者目線を持って判断することなどできるはずがないのです。

これはレイヤーが変わっても同様で、部長や課長レイヤーにいる人材から一般社員に向けて指示を出す際には視点と視座が異なることを前提に話をしなければなりません。

地上20mの位置から見えている景色と地上からとでは見える景色が異なります。

仮に道案内をするにしても地上20mから見える景色から前提となる情報や条件を揃えながら話を進めていかなければならないのです。

たとえば、○m前方にどんな建物が見えるか。その隣にはどんな建物があり、近隣にはどんな施設や場所があるのかといった前提情報を揃えるからこそ、方向や進むべき道順を指示することでスムースな進行が可能なのです。

今回のテーマである「なる早」も同様で、上司側から見える景色の中でなるべく早く求めることと、部下側で実感しているなるべく早くには圧倒的に差異があるのです。

これを無視した状態で部下側も受け取ってはいけないのですが、それ以上に上司側が述べるべきではありません。

■ 上司は曖昧な指示はすべきでない

組織とはヒエラルキーによって責任の所在がどこにあるのかを明確にし、どこが最終的に判断したのかをわかるようにしています。

上司とは、軍部でいうところの上官であり、上官の指示によっては局面を打開できることもあれば部隊が全滅するような無駄死にを露呈してしまう可能性もあります。

つまり、上司の指示とは部下の安全を損ね、打開できるものもできなくなってしまう可能性があるのです。

たとえば、戦地において迅速に作戦を実行しなければならない重要な局面があったとしましょう。その場面では可能な限り早くを「可及的速やかに」と表現されるでしょうが、それは異なる場所で行われる作戦に支障が出ることが明白だからです。

上官は部下に向かって懇々と迅速にできなかった際のリスクを説明し、部下側も自分たちが速やかに実行できないことのリスクを承知したうえで作戦に向かっていくはず。

「可及的速やかに」と「なるべく早く」は同義だといえますが、同じタイミングでそれが実現できなかった際のリスク、そこから派生する状況を事細かに共有することによって自分たちの行動によって起こる可能性を共有するのです。

情報の量と質に違いがあることは前提ながらも、できるだけ認識の差異をなくし、同じ目標に向かって邁進しようとする姿勢こそが重要なのであって、上司や同僚先輩からの依願でしかない「なる早」なんて曖昧で無意味な指示を出すべきではありません。

ですから、もし、仮に自分の職場で上司や同僚先輩が「なる早で」とか曖昧な指示にもならない胃癌をしてきた場合は、離職や転職を考えた方がいいでしょう。

おわりに

いま、これをカタカタと書いてる最中、除雪車の轟音が聞こえなくなりました。

どうやら町内の除雪を終え、異なる地域の救出に向かったのでしょう。

そうなってくると、次には自宅の前に溜まっている雪の塊などを退かさなければなりませんし、車の上に積もっている雪と合わせてどうにかしなければなりません。

もう、それを思い浮かべるだけでも憂鬱になるのですが、冬の朝に少しでも余裕を持たせるためには仕方のないことでもあります。

そんなわけで、これから雪かきに向かいいます。

ではでは。

ゑんどう(@ryosuke_endo


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