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「経営者目線に立て」や「当事者意識を持て」を上司から言われた、という質問。

どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

最近の趣味はQuoraで様々な質問に対する回答を眺めることです。そんな趣味を謳歌していたところ、こんな質問がありまして、ついつい書いてみたくなったので、それに関する雑談です。

『経営者目線に立てだとか当事者意識が足りないとかいう人がいますが、そもそもそういう目線がサラリーマンになってるのではないのでしょうか? (あれば起業してると思うのですが)』

質問主さんの年齢と背景を予想してみよう

この質問主さん、結構頭のいい優秀な人なんじゃないかな、と思うのです。

なぜなら「経営者目線を持て」という上司からの発言に対する矛盾というか心地悪さに気づいたうえで疑問を抱けていますし、冷静に物事を考えることができる頭の良い人なのではないかな、なんて感じるのです。

また、質問主さんの年齢が幾つなのかはわかりませんが、40代や50代といったロートルサラリーマンの鏡みたいな生活を送ってきた人ではなく、20代で働き始めて数年ほどの方なのではないかな、と予想しています。

(ちなみにQuoraを眺める楽しみの一つとして、質問主の年齢と背景を予想することがあるのですが、他人からしたらツマラナイと思われるような種も可もしれませんが、それなりに楽しんでいる趣味なのです。はい。)

で、質問主さんが働く会社は経営者と近い、もしくはメッセージが届きやすい環境なのだろうと思われるわけです。

なぜなら「経営者目線を持て」なんてメッセージを発せられるのは創業者や経営者しかいないだろう、と。

管理職程度の役割しかない人間が部下に向かって「経営者目線を持て」なんて言ったところで「お前、経営者じゃねぇじゃん」と痛々しいブーメランが跳ね返ってくることになってしまいますから、到底そんな発言をできるはずがないでしょう。

もし、仮にそんな発言をできるのであれば、それは経営者の忠実な僕(しもべ)か、しっかりと洗脳を受けている信者でしょう

「経営者目線」なんて大層な文言は、すっかり何かを諦めている甲斐性なしサラリーマンには発せられるわけがありません。それこそ「身の程を知れ」なんて言葉を投げかけられて気持ちを沈ませるだけです。

質問について考えてみよう

さて、質問主さんの年齢と背景や状況を想像した上で、質問に向けて自分なりに思うところはどんなところなのかな、と思索してみました。

「経営者目線を持て」という経営者やそれに近しい立場の人が質問主さんをはじめとした部下のことを「無能な人」「できない人間」だと考えて発信しているのではないかな、と思うのです。

おそらく、この発言が出ている状況を想像すると、経営者やそれに近しい上司側の人が出した指示に対して部下側の人が何かしらの行動を起こした結果、上司側の望む結果が出なかったことを受けての発信なのではないかと思われます。

つまり、上司側の不満を吐き出した結果として出たのが「経営者目線に立て」だったり「当事者意識を持て」なのです。

自分は他人に任せておいて、その任せた人間に向けて「当事者意識を持て」とは何事でしょうか。

もちろん、会社や集団には円滑な運営を行うための役割分担が必要です。代表者には代表者なりに常に決断や判断を迫られるわけですし、決断できるだけの権限を与えられているからこそ責任が伴うわけで、イチ従業員ごときが想像もできないほどに苦悩や苦労を抱えているであろうことは理解できます。

とはいっても、「経営者目線を持て」や「当事者意識を持て」なんてのは具体的に何も指示しておらず、かなり抽象的な物言いです。

具体的に何がマズいのか、どこで上手くできていないのかを分析した上で具体的な箇所を指摘した上で行動まで示唆できているのなら文句はありませんが、そうでないのに若手社員に向けて「自分の考えは経営者目線なのである」とドヤり顔をしているような上司ならば、おそらく経営自体が上手くいっていないのではないかな、と勘ぐってしまいたくなります。

まぁ、これはボクの勝手な想像ですから、上手くいっているのかも知れませんが。

この質問主さんの所属する会社がどうなのかはわかりませんが、ブラック企業ほど利益率が高くなる(サービス残業などで売上げに対する人件費率が下がることから利益率が高くなる)ので、一人でも経営者目線を持つ人間が増えれば経営者は自分のやる仕事が減ります。そんな状況を一分一秒でも早く作りたいと考えているのかもしれません。

はい、随分な勝手を申しております。

いずれにしても、従業員(部下)の経営者目線欠落や、当事者意識の欠如が問題だと考えるのであれば課題や問題の解決法をともに考え、具体的なアクションまでを提示する必要があるわけですが、それを求めると「忙しいんだから、それぐらいは考えられるようになってよ」などと、再度丸投げされてしまったりしますので埒が明かない状況になってしまいます。

そんなことを述べる上司は本当に部下が経営者目線を持つべきなのかどうかを再考すべきかもしれません。もしかしたら自身の無能を曝(さら)け出すことにもなりかねませんからね。

上司側の気持ちを考えてみよう

まぁ、とはいえ上司側の気持ちとしては会社や組織の展開している「事業内容」や「顧客の状況」、「求められる役割」と「部署やチームが果たすべき事柄」を踏まえた上で最適な行動を取ってくださいね、なんてことだろうと思うのです。

さらにいえば、ビジョンとかミッションみたいなカタカナに込めた感情を理解した上で行動してほしいし、それに見合った実力を身につけて役に立って欲しいといったところでしょう。

少なくとも月給30万円を貰うような会社員を雇うのであれば、年間で賞与も含めたら年間で400万前後も支払う必要があるでしょうし、社会保険料だって支払わなければなりません。

何がいいたいのかというと、人を雇用するにも費用がかかっているわけですから、せめて費用分ぐらいは仕事をして欲しいわけです。むしろ、それよりもはるかに高いリターンを望むものです。

(結果としてサービス残業などでブラック化していくことは、その高いリターンを求めすぎる結果に成っていくことだと理解はできます。)

もちろん、従業員側は高いパフォーマンス(何かしらの結果を出す過程)を発揮することや大なり小なりの結果・成果を出し、所属する会社での位置取りや役割が増えていくことによって、「重要な存在」なのだと会社が認めた場合には高給を支払うことで報いようとしてくれるわけです。

そうなると従業員側にもメリットがあるわけですし、従業員側としての立場を踏まえるのであれば、何なら次の職場にも現在の職場での活躍を持って移動しやすくなりますのでWIN-WINの関係を構築できるといえます。

会社側・上司側としたらその機会を提供していると言えます。

今後、ジョブ型の採用などを検討している企業や、そんな企業からの採用を希望する社会人は、そんなことを踏まえて売り込みを始めているでしょうし、それが前提になってくるのだろうことは現状の日本の景気などを踏まえると仕方がないことなのかな、とも考えてしまいます。

ただで雇うわけにはいかないわけですから、雇う側だって求めるものは求めさせてくれ、というところですね。

いろいろと書いたけれど、がんばりましょう

今後、日本のローカルな地域だけで完結している、もしくは単一業種だけで成立するような業態はやっていけない経営状況に陥っていくでしょう。そうなってくると、最低でも同様のビジネスモデルを他の地域や海外でも展開する・できることを前提にしなければならなくなっていくことは想像に難くありません。

そんな中で、経営者や幹部側が部下に経営的な視点や目線を求めたくなる気持ちもわかりますが、いくら目線を求めたところで具体的な考え方や複数の行動案などまで提示できないと従業員側の仕事に向き合う姿勢や態度が崩れやすくなってきているんじゃなかろうか、なんて書き方をしたくなります。

労使関係は対等です。でも、上司部下関係まで対等だとは言えません。

ただ、契約関係を前提に上司部下関係が構築されるはずなので、相手に何をどこまで求めるのかは明確なはずですが、どこか求めすぎたりすることも今回の質問主さんの相手となっている経営者(上司)側にはあるのではないかな、と感じた次第です。

これから厳しい時代になっていく中で、経営者や上司側とと従業員側との関係構築も取り繕いづらくなってしまうのかも知れませんが、がんばっていきましょう。

ではでは。

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