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半年間”リライト”し続けたら オウンドメディアのセッションが 2倍に伸びた話

こんにちは、某BtoB企業(以後A社と呼びます)でマーケティングとインサイドセールスの責任者をしているdodoです。

今回はA社で運営しているオウンドメディアで半年間"リライト"し続けた結果、セッションが2倍に増えた際に行っていたことに関してお話をします。
実際にどういった方法でどういったところに気をつけて行ったのかをお伝えしたいと思います。
前提として、この内容はSEOで伸ばしていきたいオウンドメディアで有効な手段となります。

具体的な数値は公表できませんが、以下のグラフが実際のセッション推移になります。

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昨年10月からリライトを続けてきた結果、対策2ヶ月後からセッションは右肩上がり、現在も上がり続けており、対策開始から2倍近くに成長しました。
※3年近く運営し、セッションも6桁あるメディアでの実績です。100から200に増えました、といったオチはないのでご安心ください。

詳しいお話の前にA社のメディアのご説明を簡単に。

・企業の担当者向けメディア
・運営歴3年
・セッション6桁
・インハウスで運営
・SEO型コンテンツでセッションを積み上げてきた

リライトとは

まずそもそもリライトって何?という方に向けて簡単に説明いたします。
リライトとは簡単に言うと、一度書いた記事を書き直すこと(rewirte)です。

リライトには主に2つの種類があります。
1つ目はタイトル、ディスクリプションのリライト。
2つ目は本文のリライトです。
後ほど説明しますが、それぞれどういった状況で行うべきか使い分けると効率よく対策が行えます。

なぜリライトを行ったのか

なぜA社のオウンドメディア でリライトを行おうと思ったのか、理由は2つあります。

1つ目は、新規記事の追加だけではセッションが伸びなくなってきたからです。
運用歴が浅いメディアであれば、書けば書くほどセッションが伸びていくでしょう。
ただ長く運用しているメディアのお持ちの方ならわかると思うのですが、新規の記事を追加しているのにセッションがなかなか伸びなくなる時がきます。それがリライト対策以前の状況でした。

2つ目は、上位表示したいキーワードの記事は存在するのに、順位が取れていなかったからです。
すでに3年近くも運用していたためそこそこの記事数はありました。
狙っていたキーワードの記事はほぼ書き尽くしたと言ってもいいような状況です。
しかし、全ての記事が上位表示されていたわけではありません。
その状況で同じキーワードを狙って新規の記事を書いたとしても、内容が被ってしまい重複コンテンツとみなされてしまう等のリスクがありました。
※SEO的には内容の重複するコンテンツは良くないとされています。

以上の理由からリライトという方向に一気に舵を切ることにしました。
同じような状態に陥っているオウンドメディアはぜひリライトしてみてください。

それではここから成果を出すために意識したことをお伝えできればと思います。
ちなみに今回の施策を実行したのは、webマーケティングの知識が0で弊社に入社してきたインターン生です。
10月に入社したインターン生にこれからご紹介する考え方を教え、10月から施策を実行してもらった結果になります。

つまり今回ご紹介する考え方は、SEOやオウンドメディア運営についての知識の有無は関係なく成果を出せる、汎用的で再現性の高いものであると思っています。

誰でも活用できるような形にしたものになっているので、是非参考にしていただければと思います。

リライトすべき記事の発見方法

まずはリライトすべき記事を発見する必要があります。

闇雲にリライトをすれば効果が出るというわけではありません。
セッションの増加が見込める記事と、それに最適な施策をセットで見つけなければいけません。

これが結構難しく、SEOの専門的な知識が必要とされているところかと思います。
SEOには指標がたくさんあったり、考え方がたくさんあったりとかなり複雑で、分析には時間がかかるとされています。。。
しかし、以下の考え方で分析すれば知識0のインターン生でも数分で施策案とセットで見つけることができるようになりました。

その方法は「IMP(表示回数)」「順位」「CTR(クリック率)」の3要素だけに着目し、検索キーワード&URL(記事)ごとにマッピングする方法です。
これだけだとわかりづらいと思うので図示すると以下のようになります。

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円…検索キーワードとURL(記事)のセット
縦軸…順位(検索結果の順位)
横軸…IMP(表示回数)
円の大きさ…CTR(クリック率)

このようにマッピングすることで、〇〇というキーワードで検索したときの△△という記事の順位、IMP、CTRが一目でわかるようになります。
そしてこれが一目でわかるようになると対策すべき箇所と施策がすぐに見つかります。
ポイントは「仲間外れを探せ」です。

a. タイトル、ディスクリプションをリライトすべきものは?

まずタイトル、ディスクリプションをリライトすれば良いものから見つけていきましょう。
以下の図をご覧ください。

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オレンジ色の円は一目でタイトル、ディスクリプションを変更した方がよいキーワード&URLであることがわかります。
なぜなら、順位が高く、IMPも多い、それなのにCTRが低い、もったいない記事だからです。
本来順位が高い記事はCTRが高くなる傾向にあります。
それなのに、CTRが低いということはタイトルやディスクリプションがクリックされづらいものになってしまっているということです。
CTRはタイトルを変えるだけで2倍〜3倍、もしくはそれ以上にすることができます。それはつまり簡単にセッションを2倍以上に出来るということです。

CTRが低いって何を基準に低いと判断したらいいの?という疑問が出るかと思いますが、基本的に分析するときは周りの円より小さい仲間外れはCTRが低いと思っていいです。
ただもっと正確に気にしたい方は、以下の記事に載っているような調査データを参考にしてみると良いと思います。


b. 本文をリライトすべきものは?

次に本文をリライトした方がよいものの説明をしていきます。
以下の図をご覧ください。

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オレンジ色の円は一目で本文を変更した方がよいキーワード&URLであることがわかります。
なぜなら、順位が10位以下なのにIMPが多い記事だからです。
本来順位が10位以下記事は検索結果の2ページ目以降に表示されるため、IMPは少なくなる傾向にあります。
それなのに、IMPが多いということは検索ボリュームがかなり大きいか、1ページ目でユーザーが満足する結果を得られていないことがわかります。
1ページ目と2ページ目ではIMPは大幅に変わってきます。
本文をしっかりとリライトし、順位を10位内にあげることができれば大幅にセッションが増えることが見込めます。

以上のようにマッピングして仲間外れを探すことでほんの数分で対策箇所と施策案をセットで見つけることができるようになりました。

リライトすべき記事の見つけ方まとめ
キーワードとURLを「IMP(表示回数)」「順位」「CTR(クリック率)」の3要素でマッピングし、以下のルールで探す。

▼タイトル、ディスクリプションをリライトすべき記事
高順位×多IMP×低CTRの記事
▼本文をリライトすべき記事
多IMP×低順位(10位以下)

もちろんこれ以外の方法もあると思いますし、SEOのスペシャリストの方からすると部分的すぎる分析だとは思いますが、分析の手間とリターンを考えた結果これくらいシンプルなものに落ち着きました。

マッピングの方法

では、どのようにしてマッピングしていくの?と思われていると思いますが、方法としてはGoogle Search Consoleから「キーワード」「URL」「順位」「IMP」「CTR」のデータをcsvでダウンロードし、それをBIツールで可視化します。

詳細な手順まで書くとかなりのボリュームになってしまうため、要望があれば別記事にて解説したいと思います。

リライトのコツ6選

ここからはタイトルのリライト、本文のリライトそれぞれに関して誰でもすぐできて効果の出るコツをご紹介します。

■タイトルのリライト時に意識すべきこと
a. キャッチーなワードを入れる
b. 文字数は30文字以内に
c. 検索した人に向けたタイトルにする

■本文のリライト時に意識すべきこと
a. 検索したユーザーの意図を理解した記事を書く
b. ユーザーの知りたい情報を網羅的に載せる
c. 自社独自の情報を載せる

タイトルのリライト時に意識すべきこと

a. キャッチーなワードを入れる

タイトルにはついついクリックしたくなるようなワードを入れるようにしました。

例えば初歩的な内容のものには「今さら人に聞けない」といったものを入れて危機感を煽ってみたり、「〇〇な3つの理由」というように数字を入れたりすることでCTRは改善される傾向にありました。

b. 文字数は30文字以内に

長すぎて検索結果で「…」と省略されてしまっているものは短くしました。

具体的には30文字以内です。
30文字以内であればだいたいの環境で全文表示されるようになります。

せっかくいいタイトルでも見えなければ全く意味がないので、長いものは短く端的に変更しました。

c. 検索した人に向けたタイトルにする

「〇〇な方向け」といったように、検索した人がどのような人なのかを想像し、名指しするという方法です。

上位表示されている記事を見るとどのような人に向けて書かれたものかが見えてきます。

そこからユーザー像を思い浮かべ、その人に向けたタイトルにしていきましょう。

本文のリライト時に意識すべきこと

本文のリライト時には「上位表示されている記事を見ること」が大事になってきます。

理由は、上位表示されている記事はすでにgoogleから価値のある記事とみなされているからです。
必ずそこにはヒントがあります。

それでは具体的に意識すべきポイントをご紹介していきます。

a. 検索したユーザーの意図を理解した記事を書く

そもそも記事の方針が間違っており、検索したユーザーの意図を理解していない記事を書いている場合があります。
その場合、上位表示されない可能性が非常に高いです。
googleは検索した人の意図をある程度理解していると考えられるので、改善する際はまずここから確認しましょう。

ではどのように確認すれば良いでしょうか。
先ほど述べたように上位表示されている記事を見てみましょう。

例えば"水"というキーワードで検索したとします。
その結果は以下のようでした。

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ご覧の通り、上位に表示されているのはECサイトばかりです。
つまりgoogleは"水"と検索する人は「水を買いたいと思っている」と判断しているわけです。

この状況で"水"に関する記事を書くとします。
「水ってこういうもので…」と必死に説明した記事を書いたとしても絶対に"水"と検索した結果で上位表示されることはありません。

検索した人がなぜそれを検索するのかを考えなければ上位表示することは難しくなります。

ちなみにこの場合もし僕なら、水の何を知りたいのかを考え「水 種類」「水 健康」などのように細分化して書いて、それぞれのキーワードで上位表示を目指すと思います。

またこれは極端な例でしたが、上位表示されている記事の内容を見てみると細かいhow toについて書かれている記事が多いのに、自社の記事は用語の解説ばかりしているという場合も上位表示されにくいと思います。
なぜならgoogleはそのキーワードを検索する人はhow toを知りたいと思って検索していると判断しているからです。

「上位表示記事はhow to系が多い」→「how toがきちんと説明出来る記事を書けば上位表示されやすい」と考えられます。

この方針自体が間違っていると上位表示は難しいのでまず確認してみてください。

b. ユーザーの知りたい情報を網羅的に載せる

これはgoogleも意識すべきだと言っている観点になりますし、実際にこれを意識してリライトをした記事は上がる傾向にありました。

実際にどのようにして網羅的かどうか判断するかというと、上位表示されている記事を複数見ます。
そうするとだいたい必要な情報は何かがわかるので、自社の記事を見て足りない部分がないかをチェックします。
その後、完成した記事を読んでいき、読んでいる途中でこれってもっと詳しく知りたくなるのではないかという部分を付け足していくという作業を行うことで網羅性を担保しました。

ただ1点だけ気をつけて欲しいのは、パクるのはNGです。
そもそも内容をパクっている記事は上位表示しないようになっていますし、仮に上位表示されたとしても元記事の所有者がgoogleに報告できるようになっています。
ズルはやめましょう。あくまでヒント程度に。

c. 自社独自の情報を載せる

これもgoogleが意識すべきと言っている観点です。

どうしても網羅性を担保する際に他社の記事を見て、似通った内容になってしまう場合があります。
そんなときは常にユーザーがあったら嬉しいと思う情報を何か1つ追加で付け加えるようにしてきました。

それがユーザーにとって価値があるのであれば、自分の体験や経験に基づく主観でもいいと思っています。
実際A社では社員の経験に基づく考えを付け足して独自性を担保していました。

その他のTips

今までご説明したコツ以外に成果を出すために意識したことも最後にお伝えします。

a. 継続して行う

毎週3本の本文リライト、5本のタイトル、ディスクリプションのリライトを継続して実行しました。
SEOはなかなかすぐには結果が出づらい施策ではありますが、正しい方向でやり続ければ効果が出てくる施策だと思います。

b. 1回で諦めない

リライトを1回してセッションが伸びなかったとしても諦めないでください。
1回やって成果が出なくても、またリライトすればいいだけです。
複数回リライトした結果2ヶ月連続で1000セッション以上伸びた記事もありました。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。

リライト対象の選定方法は、ほんとに画期的なほど楽で効果が出しやすいと思うので一度試してみて欲しいです。
最悪マッピングが出来なくても参考にできる考え方だと思います。

またリライト時に上位表示されている記事を見るということはあくまでテクニックであり、本質的にはユーザーを理解し、ユーザーにとって価値のある情報を提供する必要があるということは意識しておかなければなりません。

SEO的に間違ってるよ〜といったご指摘等はTwitterのDMとかでいただけるとありがたいです。
この記事をSEOで上位表示させるつもりはないですが、リライトしたほうが良いところはしていくつもりです。

今後も情報発信していこうと思うので、
よかったらTwitterフォローしていただけると嬉しいです!


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