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韓国の大統領と宗教・巫俗(ムーソク)(シャーマニズム)前回の大統領選挙で旧統一教会も現大統領を組織的に支援?

【 前書き 】

※ 稀にみる僅差(247,077票)で当落が決した前回の韓国大統領選挙(登録有権者数 44,197,692 人、2022年3月9日に投開票)に臨んだ現大統領は、旧統一教会の数万票

真のお母様のみ言
天正宮朝餐の指導者集会 2023年5月9日

(前略)

韓国の祝福家庭はどれくらいになる。7万人程度で、礼拝に参加する人は3万人。これでどうやってするの。

(後略)

天正宮朝餐の指導者集会 2023年5月9日

をはじめ、中小宗教団体の票もかき集めざるをえなかったと一部で噂されていたようです。


【 本文 】

起業家や実業家の間でマインドフルネスが流行る昨今ですが

明治・大正・昭和・平成に活躍し成功した起業家や実業家や政治家が(キリスト教を含む)神仏を熱心に信仰していた事例は数多く知られています。

また、古来より、大勢の時の権力者(王家、公家、武将、政治家、等々)が神仏に帰依しながら大口スポンサーとして寺社仏閣を支えてきましたが、特に戦後の日本においては政教分離が制度化され、近代以前のように権力者が特定の宗教に肩入れすることは難しくなりました。

日本国憲法 第二〇条

一 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
三 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

日本国憲法 第八九条

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便宜若しくは維持のため、...これを支出し、又はその利用に供してはならない。

さて、宗教を否定する共産主義を掲げながら創業家(金王朝3代)が神格化されている北朝鮮は別としても、朝鮮半島では事情が異なるようです。

旧統一教会、「宗教百貨店」の韓国で埋没する

2023年11月21日

読者のみなさん、こんにちは。

韓国の街を歩いて驚くのが教会の十字架の多さです。国民全体のおよそ3割がクリスチャンで、しかも敬虔(けいけん)な信者で知られます。「日曜日は教会なので」。韓国人と週末に約束をする場合、こう言われて土曜日に決まりがちなのも「韓国あるある」でしょう。

戦後世界で最もキリスト教化が進んだといわれる国です。日本で大騒ぎになっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の話題が、文鮮明氏(下の写真)が1954年に教団を設立した韓国でまったくといっていいほど聞かれない理由も、キリスト教をはじめ宗教と政治・社会の関係に根っこを見つけることができます。

まずは、日韓の政治文化の違いが指摘できます。

韓国では、国政の節目ごとに大統領が宗教界と懇談する光景がみられます。現在の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はソウルの梨泰院で150人以上が命を落とした昨年の雑踏事故後に仏教やキリスト教など宗教界の長老と相次ぎ面会し、民心をなだめる助言を受けました。わたしがソウルに駐在していた2019年にも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米朝首脳会談や検察改革などの成功に向けて国論がまとまるために宗教界が役割を果たすようたびたび要請していました。

生活や政治に身近なキリスト教

歴代大統領は自ら信仰を明らかにする人が多く、例えば李承晩(イ・スンマン)氏、金泳三(キム・ヨンサム)氏、李明博(イ・ミョンバク)氏はプロテスタント、金大中(キム・デジュン)氏、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏、文在寅氏はカトリック信者だと伊東順子さんの著書「続・韓国カルチャー 描かれた『歴史』と社会の変化」(集英社新書)に教えてもらいました。宗教人口別で最も多いのがプロテスタント=基督教で、3位のカトリック=天主教と明確に区別されています。2位は仏教です。

朴槿恵(パク・クネ)氏は新興宗教にはまり、その教祖の娘を国政のアドバイザーにしていたことで大スキャンダルに発展し、罷免や逮捕につながりました。宗教と政治の関係は日本でも大きな関心を集め、私もソウルから大量の関連記事を送った日々を思いだします。

尹大統領は「公式的には無宗教」と聞く一方で、当選時の韓国人記者の記事に「カトリックの洗礼名がアムブロシオ。仏教やキリスト教にも造詣が深い」と書かれています。今年4月には公共放送のKBSがニュースで「カトリック団体がソウルで祈祷大会 尹大統領の退陣求める」と報じました。宗教の問題は複雑なようです。

このように国民や政治と宗教の距離が近い韓国でも特に存在感の大きいキリスト教から旧統一教会は異端とみなされています。韓国人に「統一教(トンイルギョ、韓国人は今もこう呼びます)」のイメージを尋ねると、ほぼきまって「サイビ」と返ってきます。日本語では、危険な新興宗教とかカルトといった意味です。

「異端との接点を知られれば100%落選」

旧統一教会と政党や政治家が接点をもてば「国民の猛反発を受け、選挙で100%落ちる」と韓国大手紙記者は指摘します。そもそも地域対立が残る韓国の選挙では、候補者にとってどの選挙区から出馬できるかが当落を左右する最大の関心事です。大きなリスクを覚悟で最大宗教勢力から嫌われている教団と関係を築く利点は乏しく「昔ならいざ知らず、最近の韓国政治ではあり得ない」(韓国人記者)というわけです。

かたや日本では、旧統一教会が中央のみならず地方政界まで入り込み、元首相、前衆院議長、閣僚、自民党幹部といったビッグネームまで教団とのかかわりが取り沙汰されたのは周知の通りです。韓国メディアは、旧統一教会をめぐる昨今の問題を「日本の内政問題」としてみているのです。

もう一点、「異様な新興宗教団体がほかにもたくさんある」(同)のも旧統一教会がニュースにならない背景です。例えば、新型コロナウイルス流行初期に韓国で爆発的な感染拡大の舞台となり危険視された新天地イエス教会も新興宗教団体の1つです。この経緯については2021年に出版した『コロナ戦記』(共著、日本経済新聞出版)で詳しく紹介しました。

多宗教国家で「宗教百貨店」「宗教市場」との異名もある韓国のなかで、旧統一教会は影が薄いというのです。

「メッコール」「小財閥」が国民のイメージ

旧統一教会系の企業と聞くと、傘下の食品メーカーが1980年代に販売を始めた「メッコール」という飲み物を挙げ、「昔はよく飲んだなあ」と目を細める中高齢者がたくさんいます。コーラに似た炭酸飲料で「コーラよりうまかった」と話す50代男性もいれば、日本の一部では「世界一まずいコーラ」との不名誉な愛称も付けられました。

旧統一教会には「『小財閥』のイメージがある」との声も韓国でよく聞きます。実際、有名なスキーリゾート運営企業などの不動産・建設事業をはじめ、旅行会社、食品や自動車部品メーカー、新聞社、大学経営などにも携わってきました。

日刊紙「世界日報」は東京にも韓国から記者を派遣したり、一流の外交専門家らがコラムを寄稿したりしてきました。北朝鮮企業との合弁会社「平和自動車」も設立され、上の写真は2016年に取材で訪れた平壌で撮った平和自動車製のミニバンです。

20代以下のほとんどは教団の存在すら知らず

旧統一教会は設立以降、「反共」を前面に出し、軍事独裁の朴正熙(パク・チョンヒ)政権などとも関係を築きました。国民のあいだの知名度も高かったのですが、1987年の民主化宣言のころから社会での存在感を失っていきます。「いまの20代以下のほとんどは『統一教』自体を知らないのでは」と話す40代の知人もいます。

「日本のカネが韓国に流れていて、韓国人にとって不愉快な話だからメディアもとりあげたくないのだろう」。そんな見方も日本の専門家にありますが、以上のように、それだけではない韓国内の特殊事情がみえてきます。

最近、ソウルにある教団の施設(下の写真)が売りに出されたとのニュースを見ました。わたしが住んでいたマンションにも近く、正面玄関の横にキリスト教のイエス・キリストと仏教の釈迦、儒教の孔子、イスラム教の聖典コーランの銅像が並んで立っているのを奇妙に感じながら通り過ぎたものです。

施設の売却は、日本からの送金が途絶えて教団が資金難に陥っているとの指摘を裏づけます。教団の職員や給与を削減しているともいわれています。

資金難か「びくともしない」か

これに対し、ある大統領府元高官は「韓国の本部はすでに大金をもっていて、びくともしない」と話します。もしそうなら施設の売却もカモフラージュでしょうか?

昨年9月1日の日本経済新聞の記事によると、旧統一教会系のグループ主要11社の年間売上高は計7896億ウォン(約815億円=当時のレート、監査報告書から)ですが、教団の懐事情は外からはまったくわかりません。

首都圏の京畿道加平(カピョン)に「白亜の館」と呼ばれる教団の本部があります。その付近を知り合いの韓国人研究者が何度か出張で訪れた際に、おいしいうどん屋やとんかつ屋を見つけました。作っていたのはいずれも日本人だったそうです。

韓国内のあちこちに日本人信者がいます。信ぴょう性は不明ですが、合同結婚式などで韓国に在住する日本人信者は1万人あまりとの韓国報道や信者の主張もあります。教団をめぐる問題は根が深く、解決までになお多くの時間がかかりそうです。

一介のシャーマンにすぎない崔順実(チェ・スンシル)氏を頼って振り回された果てに朴槿恵(パク・クネ)元大統領が弾劾・罷免されたことは記憶に新しいですが、現大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏とキム・ゴンヒ夫人も、大統領選挙に立候補した当初から、シャーマンに依存していると非難されてきました。

一例をあげれば、大統領に就任した途端(公約通り)に官邸である大統領室(大統領府を改称)を前国防部(本館)庁舎(ソウル市龍山区梨泰院路22)へ移転し、青瓦台(旧大統領府)を公開しましたが、これはシャーマンのお告げに従った措置であったと伝えられています。

さて、2月1日に開催されたセゲイルボ(韓国の世界日報、1989年2月1日創刊)の創刊35周年記念イベントに現大統領は祝辞(ビデオ・メッセージ)を寄せました(創刊30周年記念イベントには前大統領が祝辞(ビデオ・メッセージ)を寄せました)が

尹錫悦(ユン・ソンニョル)元検察総長が大統領に就任する前、セゲイルボは大統領候補(現大統領)夫妻のシャーマン依存をこき下ろしていました。

こき下ろされてから祝辞を寄せるようになるまでに(セゲイルボと大統領の間に)何があったのか興味がわきますが、様々な問題を抱えて昨年後半に休廃刊したインターネット・メディア『市民メディア THE 探査』の(数少ない日本語字幕付きの)一本の動画が若干のヒントを与えてくれます。

このファクトチェックされていない報道によれば、大統領選挙後(現大統領の当選後)間もない2022年3月22日に(昨年失脚した)ユン・ヨンホ氏が大統領候補と1時間ほど面談したそうです。(大統領選挙中に100億ウォン(10億円強)を提供した(諸説あり)とも噂されています。)また、大統領府が移転した龍山区に旧統一教会の(聖地や)重要施設が存在することも動画の中でふれられています。

尚、その地位を利用しながら私腹を肥やしたことに加えて、大統領候補に対する組織的な支援について報道されたことがユン・ヨンホ氏が失脚した理由の一つではないかとも噂されましたが、罷免を決定づけたのは統一教会では許されない婚外子(私生児)の存在が露見したことであると Daum Cafe 等に書き込まれています。(失脚した後、ユン・ヨンホ氏は文筆活動に勤しんでいらっしゃるようですが、紆余曲折の末に鮮文大学の副総長に任命されたとの噂もあります。)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press5_000052.html

福島第一原子力発電所の処理水(中国や韓国では汚染水)の海洋放出に関わる報道でも露骨に反日の主張を展開した『市民メディア THE 探査』ですが、現大統領が政策を親日方向へ舵取りしている(対日低姿勢・融和外交・屈辱外交の)背後に旧統一教会の影がちらついているという説の真偽は...


※ 2022年6月に天福宮教会(旧世界本部教会)は天苑宮天勝教会と改称されました。


売却されたと(一時)噂された(建物の正面に孔子像・釈迦像・イエス像・コーラン像が並ぶ)天苑宮天勝教会(旧称は天福宮教会)旧世界本部教会(ソウル市龍山区漢江路3街63-379)

旧 邸宅 / 前 公館 / 現 漢南国際研修院 迎賓館(ソウル市龍山区漢南洞1-9)

https://www.tparents.org/Library/Unification/Talks/Kim-09/Kim-150700a.pdf

釜山の段ボール小屋から北鶴洞(現在のソウル市中区新堂洞)を経て移転した最初の本部教会(ソウル市龍山区青坡洞1街71番地)




旧統一教会、発祥地の韓国でなぜ話題にならない?「日本と違う役割」

2022/8/26

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治との関わりが日本で大きな問題となる一方、「発祥の地」である韓国では、メディアはほとんど取り上げず、話題にもなっていない。この落差をどう読み解くべきか。韓国の雑誌「月刊現代宗教」理事長で、旧統一教会の実情に詳しい釜山長神大神学科の卓志一(タク・チイル)教授(57)に聞いた。【聞き手・ソウル坂口裕彦】

日米韓で役割分担

――旧統一教会は日本など海外で発展したイメージがある。

◆基盤とするのは米国と日本、韓国だ。1954年に韓国で設立されたが、60年ごろから最初に定着したのは米国。ベトナム戦争に賛成し、「反共産主義」を掲げるデモを行って、米共和党や米中央情報局(CIA)の支援を受けて成長した。そして、日本でも布教が始まった。

旧統一教会の一般的な教理では、第二次世界大戦を起こしたドイツや日本、イタリアの枢軸国側は「サタンの勢力」であり、韓国は日本によって苦痛を受けた被害者。だから、過ちを犯した日本が韓国に補償しないといけないとみなす。献金や霊感商法などで得た多額の金が、日本から韓国に渡ったり、信者となった多くの日本人女性が韓国への「結婚移民」となったりしたのは、その教理で読み解くことができる。実際、旧統一教会は米国と日本、韓国でそれぞれ役割分担をしてきた。

――役割の違いとは。

◆韓国は宗教としての中心であり、すべての金と信者が集まらなければならない場所。日本は、韓国のために経済的かつ人材的な支援をしなければならない場所と位置づけられている。そして、韓国に集まった金を事業のために投じて増やす場所が米国。「企業的な活動場所」の側面が強い。たとえば米国とカナダで8000軒以上のレストランに魚を卸している「トゥルー・ワールド・フーズ」も旧統一教会系だ。

信者数や資金は公式なものがない。多岐にわたる経済活動をする一方で、一般企業とは異なり、中心幹部は教理で結びついている。献身度や忠誠度は格別に高い。宗教とみるのも、企業とみるのも難しい「宗教企業」と定義づけることができるのではないか。

金泳三政権時代に関係が問題に

――韓国内でのイメージは。

◆否定的に捉えられている。80年代までの軍事政権は「反共産主義」を旗印にしたが、旧統一教会はさらに進んだ「勝共」を掲げて、軍事政権を積極的に支持した。軍事政権は自分たちを積極的に支持してくれる勢力が、新興宗教だった旧統一教会には自分たちを保護してくれる権力が、それぞれ必要だった。互いの条件が合致していた。こうした関係に対するマイナスイメージは一般市民の間にそもそもあった。

さらに、92年に金泳三(キム・ヨンサム)氏が当選した大統領選で、旧統一教会の資金が金氏陣営に流れたとの疑惑が指摘されて、大きな批判を受けた。これに伴い、旧統一教会から政治家が支援を受けることを認めない社会の雰囲気が生まれた。今、政治との関係が「完全に切れた」と見なすのは難しいが、あくまで水面下にとどまり、露出されない状態になっている。

創設者の文鮮明氏が、94年に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席が死去した際に哀悼の意を示して、弔問団を平壌へ送ったことにも反発が起きた。2000年代以降は否定的なイメージが表面化する機会は減ったが、文氏が12年に死去した後の後継者争いは韓国社会でゴシップ的な関心を呼んだ。

――韓国では今、旧統一教会と政治との結びつきは希薄に見える。

◆韓国の主要キリスト教派が旧統一教会を「異端」とみなしている。韓国では人口の約3割がキリスト教徒で政治的な影響力が大きい。政治家にとって、旧統一教会と関係があるということは、選挙で勝つためには決して有利には働かないのだ。

信者2世問題、韓国にも

――逆に米国や日本ではなぜ旧統一教会と政治の関係が残ったのか。

◆政治が旧統一教会から支援を受けることに対して、韓国の市民が目の当たりにしたような「否定的な経験」が、そこまでなかったからではないか。「反共産主義」の傾向を持っていたから、日本では自民党、米国では共和党と結びついて、法律に抵触しない形で政治家たちを支援することができている。

――日本では、旧統一教会の信者である母親を持ち、安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者のような「宗教2世」の存在にも注目が集まっている。

◆最も核心的な問題だ。韓国で、韓国人の男性信者と日本人の女性信者との間に生まれた子どもたちは、韓国社会における旧統一教会への否定的なイメージもあって、「自分は旧統一教会の信者だ」と露出することが少ないようだ。家族を捨てることもできない。2世たちのオンラインのやりとりを見ていると、悩み続けている様子がうかがえる。

山上容疑者は事件の加害者であることは間違いないが、被害者でもあるとも感じている。信者になった母親を捨てることもできなかったし、旧統一教会から取り戻すこともできなかった。このような問題を生み出した責任は、やはり旧統一教会にあったのではないか。

卓志一(タク・チイル)

1964年生まれ。長老会神学大、延世大院を経て2002年にカナダ・トロント大で教会史博士。04年から釜山長神大で教壇に立つ。新興宗教の歴史や実情に詳しく著作多数。


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