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【続】『カイロ大学を出てるかどうかって都知事の仕事をするのに関係ないじゃない』学歴詐称のすすめ―社会的に抹殺されたジョージ・サントス元下院議員(共和党)

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で東京都在住(特に女性)の有権者が、参議院議員・衆議院議員・国務大臣を経て、任期3期目に突入する都知事の学歴詐称を気にしていないという、子供の教育上たいへん有害な話(嘘つきは泥棒の始まり)

にふれた際に、アメリカで学歴詐称が看過されることはまずないと書きました。そんな馬鹿な話は信じないという知人が思いのほか多いので、ガーシーも驚くほどにニューヨークを騒がせた最近の事例を、念のため、引用します。

尚、本件は日本ではあまり話題になりませんでした。(昨年1月に情報ライブミヤネ屋のデーブの裏ネタジャック(コーナー)「学歴も経歴も生い立ちも!ウソまみれの米・新人議員 世界のお騒がせSP」でデーブ・スペクター氏が取り上げたそうです。)

ジョージ・アンソニー・デヴォルダー・サントス
George Anthony Devolder Santos


職業   元下院議員
生年月日 1988年7月22日(35歳)
所属政党 共和党
選挙区  ニューヨーク州第3区
当選回数 1回
在任期間 2023年1月3日 - 2023年12月1日

経歴詐称


サントスは自らの政治活動で以下の様な経歴を述べていた。

母方の祖父母はウクライナ系ユダヤ人移民で、ナチスによるホロコーストを逃れてベルギー経由でブラジルに亡命した。

ニューヨーク市立大学バルーク校で金融と経済学の学士号を取得、クラスの上位 1%の優秀な成績で卒業したのち、ニューヨーク大学(NYU) で経営学の修士号を取得し、大学院管理職入学試験で 710 点を獲得した。

シティグループとゴールドマン・サックスで14年間働き、2019年と2020年にはエリート予備校であるホレス・マン・スクールに通っていたが家族の苦難のために退学。

2013年に設立した動物保護NGOにて「2400頭のイヌと280匹のネコを救助した」実績を持つ。

ところがニューヨークタイムズが一連の経歴を調査したところ、ベルギー移民ではあったがユダヤ系の血縁関係は皆無で大学に籍を置いていた記録も無し。職歴も全くの架空であったと判明した。サントスは虚偽を認めたものの「言葉のアヤ」と弁解、更にニューヨーク州の共和党組織から辞職を要求されてもあくまで議員の職にとどまると表明した。

彼が語ったとされる逸話

彼の母親は「大手金融機関で最初の女性幹部」であり、ワールドトレードセンターのサウスタワーで働き、9月11日の攻撃を生き延びた後、数年後に亡くなった。

彼はバルーク大学時代バレーボールチームの「スタープレーヤー」であり、リーグチャンピオンシップで優勝した経験がある。

彼と彼の家族はニューヨークに13件の物件を所有している。

2016年フロリダ州オーランドの会社で事業開発マネージャーを勤めていた当時、ナイトクラブ銃撃事件で彼の4人の従業員が犠牲になった。

自身はニューヨークのコロナ患者第1号である。

稀代・生来の詐欺師が誤って(?)下院議員(ニューヨーク州・第3区)に当選してしまった太平洋の向こうの笑い話ですが、この事例に照らしても、都知事の学歴詐称はアメリカでは看過されないと思います。

嘘をつくのが日々の仕事の一部である政治家にとって、学歴詐称に寛容な日本はいい国、東京はいい街なのかもしれませんが...

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