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視点の自由研究No.135「視点_ドラえもん映画はスゴイ」

先日、娘を連れてドラえもんの映画を見にいきました。皆さんも一度は見たことがあるかもしれません。大人になっても感動するドラえもん映画。このコラムでも映画の魔力を書かせて頂きました。
今回は、映像制作者の端くれとしてドラえもん映画を分析してみようと思います。

「オリエン的分解」

まずは、広告業らしくドラえもん映画を一個の成果物と見立て、その大元であるクライアントからのオリエン情報として分解してみたいと思います。多分に私的な観点で分解しておりますので、その点ご了承ください。
オリエンぽく、箇条書きしていきましょう。

・ターゲットは小学生低学年を中心にしたファミリー層
・子供達が理解できる言葉、内容であること
・子供を飽きさせないように5分に一回は見せ場が欲しい
・主要キャラ(ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫)が活躍するシーンを入れる
・のび太は映画2時間の間に成長を遂げる
・ドラえもんの秘密道具を入れる
・現代社会のモラル、社会問題、コンプライアンスを意識する
・ゲストとして俳優やタレントをキャスティングする
・メインスタッフ(監督、脚本家)は毎回変わるが、ドラえもんの世界観を壊さない

書き出したらキリがないほどにクリアしなけらばならないオーダーが推察されます。ここにさらに予算と制作期間が加味され、一連のドラえもん映画クオリティを出していく。それを毎年繰り返していく。映像制作者の端くれとして考えても、相当に難しいことをやっています。

「定番を作る難しさ」

広告映像はオーダーメイドのワンオフの成果物を作ることにあります。当然ながらクライアント、商品によって予算も作り方も変わる面白さがあります。逆に言うと、それぞれ扱うものが違うため、一定のクオリティを出す工夫が絶対に必要なのです。

さて、ドラえもん映画。歴史あるコンテンツで皆さん一度は見たことがある国民的映画。これを毎年作り続けるということは、相当大変なことだと思います。前述の通り、広告映像で捉えるならキューピーマヨネーズなど企業の一番推しの歴史ある商品広告と言えるかもしません。

そうした定番は、毎回見た人に間違いないと思わせる感動を与えています。来年も見にいきたいなと感じさせる定番。作り手の端にいる人間として敬意を表さずにはいられない気持ちになるのです。

「街の映像屋さん」

ローカルを主体とした広告映像制作者として、こうした定番のクオリティを出すブランディング。それを私たちは街の定食者さんで捉えています。
都内の大手プラダクションは三つ星がつくような一流レストランです。それに対し私たちのようなローカルプロダクションは街の定食屋さんです。
手軽な料金設定でありながら、一部高級料理にも通じた味わいを出す。お客様に間違いないと思わせ、また来たいなと考えてもらうことが大切です。
定番の味をどう維持し、作り出していくのか?そんな想いを抱かせてくるドラえもん映画。
たまには、そんな大人目線でドラえもん映画を見てみるのも悪くないなと思った機会でした。


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