視点の自由研究No.96「視点_AI時代の映像制作者の生き残り戦略」
先日、WEB会社さんが開催したAI活用の実例セミナーに参加しました。ChatGPTを活用した会話型の店舗紹介サービスやクイズの作成サイト、果てはWEB解析の分析、的確なアドバイス作成など、今後加速度的にWEBサービスを変えていくなと感じる会で、大変興味深かったです。
さてそんなAI時代、我々映像業界の人間はどう生き残るか?まだ始まったばかりの試行錯誤ですが、今回はそうしたAI時代の生存戦略を考えてみようと思っています。
「撮影」
映像における目玉でもあり、未だアナログ的な行動なのが「撮影」。実際に撮影場所にスタッフが数名から時に数十名集まり、役者や風景、商品などを撮影していく。まさにアナログの局地とも言えそうな現場です。
もちろん機材やスタジオでのCG合成、最近ではLEDパネルを使ったリアルタイムでのスタジオ合成なども行われていて、デジタルの力を駆使していますが、やはり撮影という正直面倒とも言える作業は、未だ人力によることが多いと言えます。
AIが自動生成するCGキャラクターやVtuberなどリアルを必要としない映像もありつつ、やはり人間が演技している姿、現実と向きあい真剣に取り組むドキュメンター、美しい風景など、人工的に作られた世界では味わえないリアルの良さがそこにはあります。
「面倒臭さ」
さてこの撮影に付随することにもなりますが、プロジェクトを進行していくとなぜか起きがちなデットスポットとも呼べる「それ誰がやればいいんだっけ?」という仕事が発生するかと思います。
例えば動画を撮るにあたり、カメラマンを手配した、撮影場所も決まっている、モデルも手配済み、一見全て揃ったかのような状況でも衣装はどうしよう?ヘアメイクは入れた方がいいかな?撮影場所が屋外で道路での作業があるが大丈夫だろうか?スタッフの食事はどうしよう?などいくつか見落としている仕事がある。この面倒臭い仕事を映像業界では制作部という人間が行なっています。プロジェクトを円滑に進めるため、このデットスポットを埋めていく人たちです。
自分も制作部ということもあり、この面倒臭い仕事をしているのですが、最近特にこの分野は、まだまだAIにはできそうもないなと感じています。あまりにもアナログ的な動きになるからです。
スタッフとのコミュニケーションはデジタル化されて効率もよくなっており、さらにAIが組み込まれることで、より円滑になる部分が出てくるだろうとは考えていますが、最後のデジタルからアナログへの変換に人の力が必要だと考えいるのです。
「デジタルからアナログへの変換」
制作という仕事は人に頼る仕事です。それぞれのプロフェッショナルに的確な仕事として細分化し、お願いしていく。完成した映像を受け取るのもやはり人間です。
そうした時にCGや編集、あるいはカメラ機材などがAIにとって変わろうともその間を埋めていく「人」というアナログの仕事は残っていくのではないか?そう考えています。
先日AIが企画したアイデアで作られたCMが公開されました。
しかしその裏でそれを作った人たちはこのデジタルからアナログの変換をした人たちです。仕事における「面倒臭い」が存外人だからこそできる仕事になるかなと考えている今日この頃です。
映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。