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垣谷美雨『もう別れてもいいですか』


あらすじ

58歳の主婦・澄子は、横暴な夫・孝男との生活に苦しんでいた。田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫に従うしかない澄子を変えたのは、離婚して自分らしく生きる元同級生との再会だった。勇気を振り絞って離婚を決意するも、財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和など、困難が山積。澄子は人生を取り戻せるのか?平凡な主婦による不屈の離婚達成物語。

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刺さった言葉

■ダンナが機嫌がええときは、もしかしてええ人やったんかもしれんと思い直したりする。でもすぐに裏切られる。それをいったい何回繰り返せば気が済むんやろ、凝りもせん自分ってバカなんやないかって。

■夫がいても、意思の疎通がなければ一人暮らしの何倍も孤独で悲しい。

■日本人は自分が幸せかどうかよりも、人から幸せそうに見えることの方が大切なんだってさ。


感想

いやー女って覚悟を決めたら強いですねー。

離婚』ということを乗り越えると、こんなにも人生が変わるのかと衝撃を受けました。主人公が小さな試練を乗り越え、成功体験を得ながら強くなる部分は本当に痛快です。

前半の方は主人公の女性が本当に1人じゃ何もできない人間で、モラハラ旦那と嫌々生活をしていました。
それが離婚した周りの友人のサポートであれよあれよと強くなり、最後は無事に離婚し幸せな一人暮らしを実現しました。


私も結婚をして主人と子供と暮らしていますが、正直この本には共感する部分が多くありました。



私の母は早くに夫を(私の父)を失くし、私が成人するまではお金や子育
ての部分で苦労していましたが、私が結婚して家を出てからは一人の生活を謳歌しています。一人旅行のベテランで、自らスマホで宿をとったりしています。
仕事は昨年定年退職しましたが、ローンの払い終わった家があるので住む場所に困る必要もない、独り暮らしだから生活費も最低限で済みます。

一方主人の両親は2人暮らしをしています。
2人ともまだ現役で働いています。
お義母からはよく、「お義父さんとは休みの日に一緒にいたくないし、出かけたくもない」という話を聞いています。
そしていつもお義父さんのご飯の心配をしていて、お義母さんは友達と外出ときも必ずお義父さんの分のご飯を用意してから出掛けます。
お義父さんとお義母さんの会話を聞いていても、常にお義母さんはイライラしているんですよね。


この2家族を比べてみたときに、私は実の母のような生き方をしたいと思ってしまいます。
確かに実の母は私には見えてない苦労や寂しさを感じているのかもしれませんが、今回紹介している本の内容のように、女は自分の生き方を見つけるととても生き生きします。



『離婚したい。でも、お金がない』
この言葉は作中の中で何度も出てきます。
そしてこの言葉が、世の中の奥様方が一度は考えたことがあるであろう言葉だと思います。

私はこの本を読んでいるときに、主人公の女性に何度も『負けるな!頑張れ!』と心の中で叫んでいました。
夫婦で仲良くくらせるように努力をすればいいじゃん、なんて微塵も思いませんでした。だったらその努力を自分で自分を幸せにする力にする方が得策だと。
夫婦仲良く暮らせれば良いですが、それが無理なのであれば離れる。離婚することで幸せになるのであれば、迷うことなくそちらの道を選ぶべきだと私は思います。

夫婦でいる方が幸せ。
離婚した方が幸せ。
どちらでもOKだし、とにかくストレスフリーな生活を心がけよう。

幸せになるためには、我慢ではなく自分の生きたいように生きることが大切なんだと教えてくれた本でした。


だって幸せになるために私たちは生まれてきたんだから。



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