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統計|Amosで間接効果の分析—結果編—
前回(半年前),間接効果の検討について,分析の実行まで説明をしました。今回は出力結果の見かたについて,メモをしていこうと思う。
媒介分析の3つの効果
結果出力の前に
「間接効果」「直接効果」「総合効果」
の3つの効果について簡単に説明する。
まずは図にするとこんな感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1654355441994-TCd4cBND9v.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1654355467146-BAFfO7h7L5.png?width=800)
それぞれの効果は
間接効果 a×b
直接効果 c
総合効果 c'
にあたる。そしてこの3つは,
c' - c = a×b
という関係になっている。
直接効果は媒介変数による影響を除いた,X→Y の純粋な効果についての数値。総合効果は媒介変数による影響も含んだ,X→Y の効果についての数値。(たまにどっちがどっちだかわからなくなる。)
論文ではB,b,SE,z,95%CIを記載する必要があり,それは順に説明する。
出力された結果の見かた
さて,Amos の結果の見かたに戻る。前回の手続きの後,分析実行ボタンを押したら結果が出てくる。
結果ウィンドウにあるツリーで主に見るのは,「推定値」,「行列」,「モデル適合」,「ブートストラップ信頼区間」この4つ。モデル適合についてはいろんなとこに書いてるので今回は省略。順に説明する。
![](https://assets.st-note.com/img/1654396855035-XYHtpz6FjJ.png?width=800)
推定値
検討するのは sc→sa→comp という関係。
結果が出力されたらまずは推定値をチェックする。
見るのは「係数」,「標準化係数」,「重相関係数の平方」の表。この3つの値は,係数 = B,標準化係数 = b,重相関係数の平方 = R² を指している。
各パスが有意かどうかは「係数」の表の確率を確認する。ここでは sc→sa,sa→comp が有意なパス。ここの sc→comp の推定値は直接効果を指している。
![](https://assets.st-note.com/img/1654397966131-cWnXRqOrdA.png?width=800)
行列
次は行列をクリック。ここでは各効果の B と b が書かれている。この数値をどうしたらいいのかは後で書く。
![](https://assets.st-note.com/img/1654398062854-VxJgZYT3i1.png?width=800)
ブートストラップ信頼区間
最後はブートストラップ信頼区間で間接効果の信頼区間と標準誤差を確認する。ここはグレーになっててクリックできないが,「推定値」→「スカラー」→「ユーザー定義の推定パラメータ」を押すとブートストラップ信頼区間が見られるようになる。
ここは修士のとき初めてやった際,「こんなん言われなきゃわかんねーよ!ばーかばーか!!」となったため,この記事を書こうと思っていた一番の原因かもしれない…。
![](https://assets.st-note.com/img/1654398431917-XCeDXRAERP.png?width=800)
チェックするのは「ブートストラップ標準誤差」と「ブートストラップ信頼区間」。今回,SE(標準誤差)は 1.034,95%CIは[.912―5.102],p 値は .009 という結果。
![](https://assets.st-note.com/img/1654400406393-xXDdXjyE4T.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1654400461645-QeBwZYg5fg.png?width=800)
これで最低限見るべき結果は一通りチェックできたのではないだろうか。
出力結果の書き方
さて,分析はできたし,データの見かたもわかった。よーし!論文書くか!!...でどうやって書けばいいんだ?は統計苦手によくあるパターン。
ということで,これを書いておけば間違いない!(はず)をまとめる。媒介分析の結果を書くときは,パス図と間接効果の表を書く必要がある。
まずはパス図。「行列」の各標準化効果(b)の値を図に書き入れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1654400903969-RUhh9cMndk.png?width=800)
全てのパスを実線にしてもいいが,有意でなかったパスを破線にする人もいる。あと面倒だから直さないが,各値に有意かどうかの「*」をつけるとより親切かもしれない。
次に間接効果の表。主に書くのは B,b,z,SE,(p,)95%CI。B,b,SE,95%CI はここまで見てきて出力されるのがわかったが,実は z 値はAmos で出力してくれない(Ver. 27 では)。ということで手計算する。
z値の式は,
$$
z = \frac{a×b}{σ_{ab}}
$$
つまり,わかりやすく書くと
$$
z\text{値} = \frac{a_\text{の}B×b_\text{の}B}{ab_\text{の}SE}
$$
という計算になる(らしい)。
上の式の b は標準化係数の b ではなくて,パス a, b, c の b である。
今回 a の係数 B は .777,b の係数 B は 3.395,ab の標準誤差は 1.034。計算してみると,
(ほんとは小数点以下の桁をより含んで計算した方がいいと思う)
$$
z = \frac{0.777×3.395}{1.034} = 2.551
$$
となる。あとは表を作って放り込んでいくだけ。
![](https://assets.st-note.com/img/1718854025561-XeeOBpcVmn.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718854036487-BNlbcTGfw5.png?width=800)
(あってるかな…。)
2022/06/28
Bとb書く位置逆なんだけど,修正面倒なので気が向いたら直します。直す気の程度は2%くらいです。
2023/12/05
やっと気が向いたので直しました。B,b,SE の順に記載していましたが,出力されるのは B の SE らしいので(要確認),B の右に SE を移動しました。あと SE と信頼区間の数値も間違えて書いてた。
まとめ
ここまで勢いで書いたので,かなり粗があると思う。またテキトーに見返して修正する予定(たぶん)。もしミスがあれば教えてください。
Amos の説明をしましたが,正直いうと媒介分析は HAD か JASP が圧倒的に楽です。どちらもz値を出してくれます。SPSS,Amos はもう使いたくないので,早く R を覚えて使えるようにしなくては。参考にしたサイトと文献を貼って終わりにします。
<文献>
村山 航(2009).媒介分析・マルチレベル媒介分析 Retrieved June 5, 2022 from https://koumurayama.com/koujapanese/mediation.pdf
清水 裕士(2011).媒介分析と間接効果の検討 Retrieved June 5, 2022 from https://norimune.net/619
<Youtube>
https://www.youtube.com/watch?v=9jGL45NuVAA
https://www.youtube.com/watch?v=DktTdTnFkCI
https://www.youtube.com/watch?v=iX-3UELOV34
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