Hospitality 性が低い日本〜おもてなしとはなんなのだろうか〜
日本はおもてなしという文化があります。
今回はホスピタリティの低さを垣間見る日本の”サービス”に関してお伝えします。
まず復讐しますと、ホスピタリティとは、ゲスト、訪問者、または見知らぬ人々を友好的かつ寛大に受け入れ、楽しませること、と解釈しています。
一方サービスは誰かのために何かをしてあげることです。
ではおもてなしとは?
New York Timesの記者Elizabeth Andoh氏が1997年に日本の料亭に訪れた時に以下のように書いています。
訳すと、思慮深さ、顧客のニーズへの献身、細部への細心の注意は、こうしたサービスの重要な要素である。レストランとの関係では、「おもてなし」という概念は、最高品質の食材を一貫して使用し、技術と誠意を持って調理することも要求している。ということでした。おもてなしとはWeblio辞書から引用すると、人を取り扱う。待遇する。あしらう。心をこめて客の世話をする。饗応する。馳走(ちそう)する。という意味でした。要は接客に対する心構えというものです。
私が日本に帰ってきて、ホスピタリティ性が低いなと体験したことや聞いた話を例としてお伝えします。
<記念日、特別な日に対する宿泊施設の対応>
これは私の知り合いから聞いたお話で、旅館のホスピタリティ性、というよりおもてなし精神すらなくなってしまったお話です。
記念日を伝えていたにもかかわらず、何もなかったというのは大変残念です。このことが原因なのはいくつか理由があります。
1. 旅館側が本当にそんな特別対応をしていない。
これは最悪のパターンです。日本の宿泊業界のレベルはどん底に落ちるで
しょう。観光立国なんてもってのほか。
2. システムへの反映ができていない。
ホテルにはPMS(Property Management System)と呼ばれるシステムがあ
ります。チェックイン、チェックアウト、顧客情報、残室状況、売上など
を確認するシステムですが、この中に手動で特別な情報やご要望は記載し
なければなりません。人手不足、見落としはよくあるため、システム同士
が自動で反映されるようになると楽になります。
3. 多忙すぎた。
言い訳にしかなりませんが、忙しすぎて特別対応ができなかった場合があ
ります。新規開業ホテルの場合、オペレーションが確立していないことも
あり、忙しく、スタッフの心が荒み、特別な気遣いなどできない状態であ
ったかもしれません。これも酷い話ですが、レベルが下がってしまいます
ね。観光立国なんてもってのほか。。。
このように大切な日を台無しにされることは本当に残念なことです。オペレーションをするスタッフはゲストに対して最新の注意を払い、ゲストが何を望むかを見極める力が必要です。
スタッフに見極める力があったとしても、それを活かせる環境がない場合、宝の持ち腐れなので、経営陣はその力を発揮できる環境を作って上げなければなりません。エンパワーメントがその鍵になることでしょう。
本件の場合、新規開業ホテルによくあると考えられますが、2のシステムへの反映と情報共有ができていなかったと考えられます。
基本となりますが、多くの情報から必要項目を人の手で読みとりシステムへ反映させるという作業が多く発生します。そのあたりが自動になってくれるとホテル側はかなり負担減となります。それが今のシステムでは難しい場合、オペレーションフローの中で徹底して処理をする必要があるため、オペレーションに組み込むことを推奨します。
<とあるレストランチェーンでの対応>
バターを塗るか、塗らないか、でインバウンドのゲストと話が通じていないところを目撃しました。ゲストはおそらく台湾か中国のシニア層で、スタッフも日本語で話すという絶対にコミュニケーションができない場面でした。そのケースに関しては、ゲスト自体は食事、お茶を楽しんでいたのですが、お連れのゲストがお店に来ていなかったようで、電話をしながらテイクアウトの注文をしようとしていました。どうやら同じものを頼もうとしていたようなのですが、テイクアウトになるとお店側はジャムとバターを両方塗って提供するようです。ですが、それが伝わらないため、同じようには提供できないと伝えてましたが、日本語なので伝わるわけもなく、Google翻訳か端末を持参したのですがそれもうまく使えず、結局一つのオーダーを確認するのに10分程度かかっていました。スタッフのインバウンド教育という点において大手チェーンでも進んでいないという点を目の当たりにしました。
これに関しては、バターは溶けてしまうため先に塗ってジャムはOn the Sideとして提供するなど、店員の臨機応変な対応ですぐに対応できたかと思います。おそらく”マニュアルにない”ため動けなかったのかと思いますが、経営側が普段からマニュアルで対応できない時のために各スタッフの意識教育に力を入れていれば、エンパワーメントできていればスムーズな接客ができたのではないでしょうか。ここもサービス力、ホスピタリティ力の低さが露呈している瞬間でした。
<ホテルやレストランでの食の多様性への対応>
食の多様性というと、中華、イタリア料理、フランス料理、アメリカ料理、メキシコ料理、インド料理、韓国料理、和食、などと思う人が多いのではないでしょうか?これも多様性といえば多様性なのですが、世界では別の多様性が当たり前になってきています。
例えば、アレルギー食物に対する多様性です。カフェなどで牛乳の入った製品を頼もうとした時、牛乳はラクトアレルギーを持つ方は摂取できないため、アーモンドミルクやソイミルクが海外では置いてあります。しかし、日本では低脂肪牛乳ならありますというところが多いのではないでしょうか。
それ、牛乳です。。。
そういった一つの商品に対する多様性がとても低く、ニーズに応えられないという点があります。確かに在庫を管理する商品が多くなるため、経営的にいいか悪いかはお店次第ですが、その多様性に応えられることで生まれるビジネスチャンスはどのくらいあるのでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
私の中では日本はHospitality 性は低いと思っています。私たちの提供しているのはこれ!マニュアルにない!臨機応変な対応は現場スタッフではできないから聞いてきます!
アメリカから帰ってきて5年程度でそんなこと感じています。
おもてなしという言葉ではぐらかされていますが、それは食材や調理などの技術面は高いです。接客という点に関しては、低すぎると思います。
それは、会社の風潮によるものでもありますが、小さいころからの日本人としての教育や家庭環境、周囲の環境が影響しており、余計なことはするな、マニュアルにないことをなぜ確認せずにやった、失敗は許さんというような背景が影響しており、見事に考えない労働力を作る生産工場ができていると思っています。
次世代の我々やその次の世代は海外に出ることの方が多くなり、世界基準というものを理解し経験し、感じ取り、日本に良い影響を与えるか、もしくは窮屈な国ということで海外に飛び出してしまう人が出たり、もしくは勘違いをして全く別の方向に行ってしまう迷惑をかける人になってしまったりする人が出てくるかもしれません。
これから先の世の中は変革の期になると思います。
変革には新たな風、外からの忖度ない意見など必要だと思います。
そんな時は我々にご相談ください。
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