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モノづくり施設をつくる、ということ。

DMM.make AKIBA(以下、AKIBA)は2014年11月に秋葉原に誕生し、日本最大級の総合型モノづくり施設としてもうすぐ6周年を迎えようとしています。

この6年、おかげさまでたくさんの方にご来館いただきました。会員の皆さんのみならず地方や海外から視察に来られる方も少なくありません。


「AKIBAみたいな施設、つくってもらえないかな?」


そんな嬉しいお言葉をいただくこともありました。

それからAKIBAは施設を立ち上げたい方に向けたコンサルティングを行っています。

競合をつくることになるんじゃないか、と思われるかもしれませんが、私たちはAKIBAのような施設が増えていくことで、日本のモノづくりとビジネスが加速し、AKIBAのネットワークが広がっていくことを嬉しく思っています。


日本初の総合専門職大学のスペースをプロデュース。

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▲KAISHI LABのエントランス

今年4月、AKIBAがプロデュースした2つ目のスペースが誕生しました。

日本初の総合専門職大学、新潟初の専門職大学として今年開学された「開志専門職大学」のIoT活用やロボティクス演習を行う「KAISHI LAB」をプロデュース。情報学部の授業で利用される予定です。


今回はKAISHI LABのプロデュースを担当した山口と渡辺に、KAISHI LAB立ち上げとモノづくり施設についてお話をききました。

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合同会社DMM.com  エンターテインメント本部  .make AKIBA事業部
テックリーダー 山口 潤 (左)
プランナー   渡邉 仁史(右)

渡邉「2018年の秋頃、開志専門職大学設置準備室の方からAKIBAのようなスペースをつくりたい、というお話をいただいたところからこのプロジェクトが始まりました。もう2年前のお話ですね。

当時、大学としてスペースをつくることは決まっていましたが機材の選定などは進んでいませんでした。

文部科学省への申請期限の関係もあって急遽大学のシラバスをいただいて、授業内容に合わせた機材を急いで選定したことをよく覚えています。

施設の設計や内装のデザインなどKAISHI LAB全体をプロデュースさせていただけることになり、設計事務所やデザイン会社などに声をかけてディレクションも担当することになりました。

他のテックスタッフ(AKIBAに常駐している技術スタッフ)にも機材選定や納入、レクチャーなどを手伝ってもらいました。」


AKIBAを6年運営してきたから気づくこと。

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山口「今回は大学の施設だったので学生さんが使用することを想定して、授業内容に合わせた機材を選定しています。

クオリティを保ちつつも使いやすさを重視して選びました。ハイエンドのマシンを導入すれば良いってものでもないんですよね。

レイアウトもとても大事。ただパズルのように置いていけばよいわけではないんです。機材の配置と合わせて電源やダクトなど付帯設備も必要なので全体の設計にも影響します。今回は私たちが内装の設計からプロデュースしたのでスムーズにレイアウトを考えることができました。

また、こういった施設に慣れている協力会社さんと一緒に進行できたので開学に合わせてスピード感を持って進められたと思います。

6年前のAKIBAの立ち上げから携わってきたので、施設の運用や機材選定などのノウハウを持っています。KAISHI LABの立ち上げにもかなり活かされていると思います。

AKIBAも運用していく中で、実はあまり使われなかった機材もあったし、運用ルールやレイアウトも変更を重ねています。そういうノウハウを新しい施設にも活かしていきたいですね。



とことん使いやすい空間をつくる。

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▲KAISHI LABの様子

渡邉「実はAKIBAにある棚や机などの什器のほとんどはオリジナルなんです。空間全体のデザインや開発のしやすさを考慮して、作業台の天板の高さや脚の位置までディレクションしてプロデュースしています。

KAISHI LABでも什器までトータルでプロデュースしました。ハードウェアの開発は長時間集中して作業することもあるので、使いやすさにはかなりこだわっています。植栽のコーディネートまですることになるとは思わなかったですけどね(笑)」

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▲KAISHI LABの様子



愛される施設をつくる。

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山口「メイカースペースやファブ施設と呼ばれるようなモノづくり施設は近年減少傾向にあります。

しかし、機材を所有することが難しいスタートアップや個人のクリエイターの活動のためにも、こうした施設が必要とされています。私たちとしても事業を継続していく責任を強く感じています。

また、こうした施設は企業が商品開発のための工房として活用し、組織を超えたつながりを作るためのオープンイノベーションのスペースとして運用されるケースや、KAISHI LABのように教育機関の講師や外部との交流を通して学生のインスピレーションを刺激する場としての役割もあります。

長期的に継続していくためには、どのような価値を提供するのか、目的やターゲット、コンセプトから丁寧につくり、運用ルールや機材を常にアップデートしていくことが大事だと感じています。

ただし、ルールが厳しすぎて使われなくなっていくこともあります。ある程度のゆとりも必要なのだろうと思います。

また、他の施設をみても、良いコミュニティがあるところには人が集まって愛されていると思います。コミュニティへの入りやすさが大事ですね。AKIBAにはコミュニティマネージャーが常駐していますが、どんどん色々な方にコミュニティへ参加してもらいたいです。」

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さいごに。

これまで開志専門職大学の他に京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)のスペースもプロデュースしました。

新設学科(情報デザイン学科 クロスデザインコース)が設立された際にスペースの設立を支援。ご利用想定やご要望をヒアリングし、コンセプトメイクからスペースレイアウトデザイン、機材選定から導入まで担当しました。


AKIBAは今後も施設を立ち上げたい方を包括的にサポートして参ります。検討されている方や運営ノウハウを知りたい方はぜひ一度お問い合わせください。

【サポート内容】
・施設のコンセプトメイク
・スペースの設計
・機材の選定・導入
・運営スタッフの教育
・立ち上げ後のコミュニティ運営ノウハウ
・導入機材を利用したワークショップの企画
・ネットワークを活かしたパートナーのご紹介

また、無料で施設を見学することが可能です。ぜひご参加ください。

また、公式noteではマガジン「STARTUPS」「MAKERS」にて会員の皆さまの投稿を読むことができます。ぜひこちらもご覧ください。