見出し画像

サービス業で地域に価値を! 多様化コミュニティ創生の戦略構想

皆さん、こんにちは。DLIGHT LIFE & HOTELS、PR部の中村です。

2023年3月、ディライト株式会社は、会社設立70周年を迎えました。
大きな打撃となったコロナを乗り越えた昨年2022年8月、コーポレートブランドを作り、理念を再考しました。
そしてその中で掲げたビジョンの実現に向けて、組織体制や戦略を一新した今、改めて、広報担当中村が、最高戦略責任者(CSO)髙石に話を聞きました。


■コーポレートブランド「DLIGHT LIFE & HOTELS」誕生

Q.昨年22年8月、なぜこのタイミングでコーポレートブランドを?

コロナによってサービス業界が大打撃を受け、それをきっかに、サービス業界の在り方や、この先の世界を、フラットに見直す必要があるのではないかという思いになりました。
弊社代表の出口も、当社の発揮すべき価値の再定義をし、新しいスタートを切りたいという思いを持っていたため、コーポレートブランドを新たに作り、社会に提供していく価値を会社として明確化しようということになりました

Q.コーポレートブランド「DLIGHT LIFE & HOTELS」に込めた思いは?

ブライダル以外にホテル、レストラン、写真館など、様々な店舗を運営してきました。これからは、それぞれの事業が独立するのではなく、一つになってシナジーを生むことに挑戦したいと考えました。それができる事業がホテルでした。
ホテルなら、ブライダルもレストランも写真館も、他の商業施設も、一つの施設内に置くことができます。そして、様々な事業が一つになることで、今までのように各店舗で、その瞬間の顧客との接点をつくるだけではなく、様々なサービスを通して、より多くの接点を作り、人々の人生に長く関わる事業を展開していくことができます。
また、人々が多様な価値観を持つ時代になり、今までのような画一的なサービスや商品では、人々のニーズを満たせない時代になりました。様々な事業を掛け合わせ、社内の人やナレッジを掛け合わせることで、この多様な価値観をカバーするサービスを創造していけると考えました。
多種多様な人が集まるホテルに、多種多様なサービスを展開し、多くの接点を作る事で、人の人生そのものに喜びや感動を提供したいというのが、「DLIGHT LIFE & HOTELS」という言葉に込めた思いです。


■私たちの強み/競合優位性

Q.DLIGHTの競合優位性は?

一つ目の強みは【施設価値にこだわる、マルチブランド戦略】、二つ目は【それを運営できるオペレーション力】です。
サービス業の正攻法は、「単一ブランドを作って各地に展開する」ことだと思いますが、当社は1店舗1ブランドの、マルチブランド戦略を取っています。これは、デメリットでもありますが、大きな特徴でもあります。
共通の物を全国に広げていくのは、面白くないと感じています。人間味が無く、とてもビジネスチックです。地域の空気感、そこに住む人、そこで働く人、その場所のリアルな人肌感を感じられるものが、今後のサービス業のあるべき姿だと考えています。合理的なものは、ITなどが進歩し、進んでいきますが、私たちが提供するのは技術ではなく、人と人、face to faceのサービスです。とことん地域やそこに集う人がこだわりを感じられる施設を作っていけることに、面白さとやりがいと私達らしさがあります。
それぞれの施設にそれぞれのブランドを展開する、つまり多種多様な顧客に多種多様なサービスを提供できるのが私たちの一つ目の強みです。

そして、二つ目の強みは、それが実行できるオペレーションノウハウです。これまで本当に多くの出退店を繰り返し、この5~6年では、約30店舗を出退店しています。ここまでの数を経験したオペレーション会社は稀有で、しかも一つの事業ではなく、様々な事業で行ってきたことは私たちにとっては大きな財産になっています。
例えば、2020年にホテル事業に参入したタイミングで、オーベルジュホテルとシティホテル両方を同時に運営開始できたことは、まさにこれまでの出退店の経験があったからです。
そして、私たちには強い文化もあります。私たちに関わる人に喜びを届けて、自分たちもそれを心から喜ぶというアイデンティティ「喜び上手、喜ばせ上手」×経験豊富なオペレーション力は最強です。 人を喜ばせる、それを喜ぶことが自然とできる文化と経験が掛け合わさり、他にはないオペレーションを生むのです。
「多様化するお客様に対して、多様なサービスを展開する。」という極めてシンプルな戦略と、それを可能にするオペレーション力が、当社の競合優位性です。


Q.これらの強みを、誰に対してどのような価値として提供する?

DLIGHT LIFE & HOTELSの提供する価値の軸は、何よりもまず社員です。そんな大切な存在を私たちは、「Value Innovator(以下:VI)」と呼びます。
サービス業=人であり、人を軸にした会社を作るべく、社員を起点に会社の価値を高めことを決めました。

―VIってどんな人?
これまでの日本社会は、「勝てる組織に属して成長し、社会に還元する」という考え方を前提に、教育や組織運営も行われてきました。しかし今、少子高齢化やコミュニティが世界に広がり、組織力で勝つ時代から、個人の価値を上げなければ認められない社会になってきています。
だからこそ、個人の価値を高められ、一人一人をイノベーターにできるような人的資本経営を行うことが必要だと考えており、まさにこれがVIを経営の起点にした背景です。それぞれの生きがい、やりがい、自分らしさを持って、社会に価値を提供できる人たちになってもらう、そういう社員たちがVIであり、彼らが起点になる会社を作りたいと思っています。
そのために、私たちが社員たちに提供すると約束していることがあります。
まず一つ目は、自分の意志で価値を発揮できる環境です。私たちは、社員一人一人に意志を持ってほしいと考えています。そのために、目的(ゴール)は共通化させるけれども、プロセスは縛りません。VIになっていってもらう、なりたいと思ってくれる社員たちに、個々がそれぞれのやり方で意志を持って働き、個々の価値を発揮できる環境を提供することで、社会的に価値のあるVIをどんどん生むことができると考えています。
今年7月に、創業以来変化の無かった評価制度をグレード制に変えたことも、そこに向けた行動の一つでした。個人個人の社会的価値を見つめながら、評価をすることにより、個人の価値を上げることを目的としました。

二つ目は、経験+教育です。個人の価値を高めるには経験と知識が必要です。だから、社員から「これやりたい!」という起案がくれば、どんどんやらせる環境を作っています。100回の内成功は1回でいい、失敗は経験ととらえ、機会をどんどん提供します。そして更に、適当な教育を提供します。
多くの経験に、知識を掛け合わせることで、更に効果が高まるので、この2つを、なるべく多く社員に提供していきます。

―これらを提供して社員はどうなる?
一つは、若くして他社ではできない成長を遂げているスタッフたちが出てきています。他社で例えば40代で管理職になって経験できることを、飲み込みが早い20代で経験できている、そういったまさに市場価値の高い人材が増えてきています。
もう一つは、喜怒哀楽を残し続けられるということです。組織に埋もれていくと、感情よりも組織のルールに従う生き方になっていきがちです。しかし、当社の社員は、良くも悪くも喜怒哀楽を出しながら仕事をしています。それはすごく社員にとって価値のあることだと感じます。


Q.社員がVIになれば、何が起こる?

先述の通り、今人々のニーズは多様化しており、画一的なサービスや商品が受け入れられにくい時代になりました。VIたちが、自分たちらしさやそれぞれのクリエイティビティを発揮し、日本全国に点在する店舗から、その地域に価値を提供することで、その地域は彩り豊かになります。私たちはその地域を「Various Community(以下:VC)」と呼びます。
VIがその地域にいることで、多種多様な人たちがそれぞれの価値観で集まれる、共存できる地域コミュニティが生まれます。そのVCでは次の2つを約束します。
① 地域性を無視せず、地域と共存できる、且つ、新しい価値のアップデートができるブランド(店舗)を作ります。
② 固定資産としての店舗(施設)を運営し、ただ結婚式や宿泊業をするのではなく、そこで地域の人たちへのイベントなどを実施します。VCが生まれる店舗(施設)に作り変え、徹底的に地域に還元していきます。


Q.その地域にいる人たちにはどんな変化が?

VIたちが、それぞれの地域に多種多様なサービスを生むことで、そこは、特有の価値で彩られた豊かな地域、つまりVCとなります。 そして、その場所で、多種多様な経験で人生を彩るお客様を増やしたいと考えています。そんなお客様たちのことを、「Vivid Person(以下、VP)」と呼びます。
今、人々は、孤独を感じることが増え、感情の起伏が起こせなくなっていると言われています。そんなお客様に彩りを与えるという思いを込めて、「Vivid」という言葉を選びました 。
様々なイノベーションを起こすVIたちが、各地域の施設にいて、そこで様々なイベントやサービスを提供します。そこに訪れたお客様は、自分たちの価値観で教授するサービスを選び、自分たちの選択で人生を彩る事ができます。それはとても幸せなことだと思います。

最後に私達がいつも立ち返るのは「喜び上手、喜ばせ上手」「喜びと感動を提供する」という、当社がずっと昔から大切にしてきたアイデンティティです。
VPには喜びと感動の体験、常に新しい彩り経験を提供したいと考えています。


■マルチブランド戦略の勝機

Q.マルチブランド戦略は非効率と言われるが、あえてそこを突き進む理由は?勝機は?

より多くの関わる人を幸せにするならば、そうするべきだと考えています。
どう実現するかに関しては、アウトプットは違っても、それらを生みだすプロセスの思考法や仕組みを共通化、型化するのです。それができれば、どういった事業であっても、横展開することができると考えます。
単一ブランドだと、「出来上がったものを横展開する」ということになるので、各場所で出来上がるモノもすべてが同じになります。
しかし当社は、「物事を生みだすプロセスの思考法や仕組みを型化して横展開する」という方法を取ります。すると、型化された思考法を使っても、思考する人間が個々のプロセスを踏むので、生まれる物は全く違う物になります。後者にチャレンジする企業が少ない分、そのプロセスのノウハウを早い段階で成熟させることができれば、とんでもない競争優位性になると考えています。昨年から社長室を強化しているのは、そのプロセスを早急に仕組み化する組織をつくる必要があったからでした。

―「プロセスの型化」とは、例えば?
事業戦略、マーケティング、オペレーション等です。
例えば、戦略ピラミッドの構築プロセスの型化(経営戦略から店舗戦略までの作り方の流れの型化)などに取り組んでいます。
「ブランド作りのプロセスはこのフレームワークを使おう」、「オペレーションの設計はこの流れで」といったことを考えています。
これらを型化することで、違う事業であっても、横展開ができます。成果物を与えるのではなく、ゴールと、思考法や仕組みを与えることによって、イノベーションが生まれるきっかけになり、自分たちの意思で自分たちのブランドを作ることに繋がります。
これらを生みだせる人員を育てる教育を併せて行う必要があるため、人材育成もポイントになってきています。


Q.こういった戦略を実行するために組織にもメスを?

本来の会社組織では、本社が一番強いことがほとんどです。単一ブランドであれば、本社で商品やサービスを作り、オペレーション側に落として管理させる方法を取ります。
しかし、当社のビジネスモデルを実現させるためには、「それぞれが主体者である」という考え方を持ち、事業部が主体的に考え動ける組織構造を作っています。本社は、主体者である事業が走り続けられるよう、型化された思考や仕組みというノウハウや、情報等の武器の支援をする組織として存在しています。そして本社の中でも、攻めは社長室、守りは管理本部と役割を分け、その2つで事業部を支えていく組織構造にしました。

成果物にたどり着くまでのプロセスの考え方や仕組みを型化しているため、どんな施設でも運営ができるようになります。ブランドに頼らなくてよいわけです。現在、運営受託を受けて運営している店舗も多数ありますが、それらをスムーズに受けられるのもこれらの考えがあるからこそ、です。ここも当社の大きな強みです。
そして、事業部が主体性をもって事業運営できるように、社長室管理本部でフォローアップする組織体制を作っているのです。


■戦略から描く未来

Q.これからの展開は?(戦略や未来)

これからは、ここまでにお話したことをとことん実行に移していくフェーズです。プロセスのノウハウを型化し、それを横展開していきます。そしてこの2~3年は、とことん人材育成に向き合いたいと思っています。人材育成に努めVIを生み、より早く社会に認められる人材を増やす、人材育成は成長戦略の短期の最重要課題だと考えています。
長期的には、多種多様なサービスを提供していくため、以下の3本の柱で成長を遂げたいと思っています。
① 新しい価値観としてのラグジュアリー(高単価高付加価値)施設とサービスの展開
② 様々な地域の雇用を守り生むための、事業再生
③ ①と②を絡めシナジー創り出し、地域コミュニティに様々な価値観を提供し、コミュニティを生む

―どんな世界を作りたい?
すべての人が、それぞれの生き方ができる世の中、「自分は自分」と思え、更に他者に対して敬意を持てる、そんな日本にしたいです。例えば、夢を持て!と言いますが、それがすべてではなく、夢が無くてもいいと思うのです。
DLIGHTのサービスを体感することで、「自分らしくいて、他者に敬意を払うこと」が素晴らしいことで、それをすることで人生がよりステキになると感じる世界にしていきたい。それがまさに私達が目指す、「オルタナティブパークを作る」ということなのです。



私たちのYouTubeもぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/@DLIGHT_LnHs