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恐れや不安から戦いや防御に駆り立てられ、自分の内側にも外側にも平安が得られない状態から、どうしたら人は自由になれるのか?

ぼくの興味があるテーマの一つに「頑張るでもなく、諦めるでもなく、自然体で生きながら循環が生まれる生き方とは?」があります。

3つの生き方のモードとは?

そもそも、生き方のモードには3つあると考えています。

生き方その1は、目的やゴールの実現に向けて、努力をする生き方。
生き方その2は、目的やゴールの実現は諦めて、そのかわり日々をそこそこ楽しむ生き方。

この2つの生き方には、得られるものと手に入らないものがあります。

生き方その1で得られるものは、効力感や意味や意義です。
何かの目的に向かっていく体験を通じて、より価値のある生き方をしていると感じる体験ができます。
(ただし、その効力感や意味や意義は生存本能が創り出した見せかけのものなのですが。)

手に入らないものは、心身の充実や健康、内なる自分とのつながりです。
具体的には、身体や心を壊す可能性があります。
これは自分の場合もあれば、自分の周りの人をそうさせることもあります。

生き方その2で得られるのは、リスクを回避できることです。
具体的には、自分の生存が脅かされるリスクです
たとえば、失敗する体験、恥をかく体験から自分を守ることができます。

生き方その2で手に入らないものは、本当に貢献したい自分の願いに沿って生きる体験です。

この2つの生き方は間違っているわけではありません。
ただ、「それは本当に自分が望む生き方なのかどうか」を自分に問うた方がいいと思っています。

そうでないと、いつの間にか自分が望んでいない生き方を、知らず知らずのうちにしてしまう可能性があるからです。

生き方その3は、何かの目的やゴールのために生きるのではなく、日常をただ生きるでもなく、日々の体験を受け取り、そこからの気づきやメッセージを元に人生を創っていく生き方です。

生き方その3で得られるのは「自分のいのちをまっとうしている体験」です。
一方で手に入らないものは、恐れや不安を回避することで得られる安心安全です。

とはいえ、実はその恐れや不安は実態がないものだし、それはどうやってもなくならないので、何をやっても安心はいつまで経っても満たされるわけではないのですが。むしろ、生き方その3は、恐れや不安があっても大丈夫なんだ、という体験につながっていくので、実はこの手に入らない感覚というのは観念に過ぎません。

生き方その3が絶対的に優れているわけではないです。生き方は選べます。

努力したい、頑張りたいと本当に願っているときは生き方その1の方が、居心地がよいかもしれないですし、とにかく自分の身を守りたい、安全に生きたいのであれば、生き方その2がベストだろうと思います。

自分の望む生き方を知るには?

では、自分はどんな生き方を望んでいるのか?
それを教えてくれるのはデータや思考ではなく、自分の直感や身体感覚です。

がむしゃらに頑張って、力をつけて、ある程度成功している。でも、どこか満たされない。
とにかく自分の身を守ることを大切にしてきた。でも、どこか虚しさや物足りなさを感じる。

こんな感覚が起こっているとき「生き方をシフトせよ」という自分の魂・いのちからのお知らせが来ています。
では、生き方をシフトするには、何が必要なのでしょうか?

この問いに対して真正面から答えているのが、『お金の不安と恐れから自由になる! - 人生が100%変わるパラダイムシフト』です。ちなみに本記事のタイトルもこちらの本に書かれているフレーズがベースになっています。

先日、読者向けのオンラインセミナーがあり、ここからはそこで印象に残ったこと、自分なりの気づきをまとめてみます。

呼吸の原理で、ただ生きる

著者の由佐 美加子さん(みいちゃん)はセミナーの中でこんなことを言っていました。

一番伝えたいのは、何もすることはないということ。呼吸をするように生きたらいい。社会を変えたいなんて思わないで、ただ生きる。この感覚を全方位で作れるか。何かしなくちゃとなった時には生存本能。理由も見返りもなく、ただやっているという状態が何もすることはない、ということ。

『お金の不安と恐れから自由になる! - 人生が100%変わるパラダイムシフト』
出版記念セミナーより

生存本能について少し説明を加えます。

生存本能とは「私はこの世界で切り離されている存在だ、という観念から生じる、恐れや不安への抵抗」というような意味合いです。

生存本能の機能は、生存を脅かされる不快感や痛みから身を守ったり、不快感や痛みを感じるリスクを予測して回避したり、安全に生き延びることを実現することにあります。

もちろん、自分の身体を守るということは、自分の生を体験する点では大切なのですが、生存本能だけが自分を司っていると、不快感や痛みから身を守ることに意識のすべてが使われてしまいます。

よって、不快や痛みを感じることすらも覚悟し、それでも体験したいと感じる自分のいのちをまっとうする感覚が得られないという構造になっています。

『お金の不安と恐れから自由になる! - 人生が100%変わるパラダイムシフト』をもとに筆者作成

上記の「理由も見返りもなく、ただやっているという状態、何もせず、ただやっている」。これが生き方その3の体験です。

何かのために頑張るのでもなく、何かから回避するために生きるのでもなく、ただ自分に起こる体験を味わい、そこからのメッセージを受け取って生きます。

ただし、この「受け取る」というのも効力感が入りやすいのです。

「受け取ること=いいこと」と捉えていると、生存本能の罠にはまります。
受け取ることで自分の人生が良くなるだろうという意識があるうちは、実は本当の意味で受け取れていません。

良い・悪いのラベルを貼らずに、起こっていることを起こっていると認めていくこと、これが「受け取る」です。

ぼくの体験からすると、「条件付きの受け取る」をやっている時は、自分にとって都合のいいことだけを受け取っています。

一方で、自分にとって都合の悪いことは巧みに受け取ることを避け、ないことにしています。その典型的なものが無力感です。

たとえば、先日発見したぼくの痛みの一つに、「自分が全力を尽くし、それなのに失敗したと思われて惨めな思いをするのがイヤだ」という感覚がありました。

この感覚を一言で表現すると「無力感を味わいたくない」です。

このモードのときは、自分の中にある無力感を受け取っていません。

ではそのかわりに何をやっていたのかというと、「まったく努力しないわけでもない。ただ、本当に自分がやるといいと考えたことをすべてやり切っているかというと、そうでもない」という生き方を選択していました。

このように生きているうちは、そこそこの努力はしているので、効力感は得られます。でも、本当に実現したいことは実現されていないので、「もっと頑張らなきゃ」や、「どこまで頑張らなければならないのだろう?」という意識になります。つまり、本当は無力感を感じているのですが、それに気づけないのです。

だから、頭では無力感はない、感じてはいけないとジャッジしています。
そして、全力を尽くして失敗し、その無力感を味わうのは嫌なので、それを見ないようにするためにそこそこの努力をして、言い訳できる余地(全力を尽くして失敗したわけではない)を残すのです。

このモードを転換するカギは「無力感を受け取ること」にあります。

セミナーの中では「選り好みしないで受け取る」と表現されていました。

「選り好み」のフィルターをかいくぐるには、意思の力を使う必要があります。選り好みせずにすべてを受け取る中には、生存本能としては都合が悪いもの(例:無力感)も含まれるからです。

それを受け取ってしまったら「自分は死んでしまう」とか「受け取ったにしても何も変わらなかったら、むしろ悪化したらどうしよう」などの想像が出てきます。この生存本能からの声を真に受けると「選り好みモード」になります。

なので、そこを突破するには、たとえ無力感であっても受け取る!という選択が必要になります。その選択には意思が必要です。

もちろん、すぐに100%選択しなくてもいいのです。
まずは試しにやってみる、ぐらいからスタートし、徐々に自分の意識をひらいていくこともできます。

ただ、ここで出がちなのは「頑張って受け取ろうとする」です。
頑張るというのは、自分の中にある不安や恐れにフタをして、何とかしようとしていることなので、どこかでうまくいかなくなります。

典型的なのはエネルギー切れを起こして、行動にブレーキが掛かるなどです。

僕も、このパターンにはまり、何度となくやろうとして失敗しています。

「意思は必要。でも、努力からはやらない」という生存本能からの抵抗でも回避からでもないこの第3の感覚は、試行錯誤を通じて、自分の中で育んでいくしかないと思っています。

頭でどれだけ理解したとしても、実際にやろうとするときに生存本能が発動するので、その時に自分がどんな意識でやっていたのか?を振り返ること(内省)が必要になります。

この感覚を一人でつかむのはなかなかハードだと思っていて、本書のようなリソースや、誰かこういったことを扱える人に自分の話やモヤモヤを受け取ってもらえる場があるといいと思っています。
(ぼくもその一環として「メンタルモデル紐解きセッション」というものを行っています。ご興味あればこちらをご覧ください)

「受け取る」から「すでに受け取っている」へ

そして、セミナーで個人的に最も大切だなと感じたポイントも、この「受け取る」に関連するものです。

「受け取るのではなく、私たちは実は”すでに”受け取っている」

『お金の不安と恐れから自由になる! 人生が100%変わるパラダイムシフト』出版記念セミナーより

この「受け取る」という感覚から「すでに受け取っている」に意識をシフトすることが、生き方その3にシフトするカギだと考えています。

これも意識のトレーニングが大切です。生存本能としては「いやいや受け取っていない。受け取ったら今までの人生が否定されてしまう」と捉えるからです。でも、これは幻想です。

ぼくの体験としては、妻とのコミュニケーションの変化がそれに近い体験かもしれないと感じています。

「愛が自分の中にはない、だから愛を得なくちゃ」というところから「すでに自分の中に愛があるかもしれない」というところへシフトチェンジしたことで、妻とのコミュニケーションのパターンが変わってきました。

そうすると自然と愛が循環し始める体験を感じられるようになりました。

こう書くと、すっかり意識がシフトしているように見えるかもしれませんが、ぼくも日々、生存本能にまみれつつ、体験にある痛みを感じながら生きています。

「頑張るでもなく、諦めるでもなく、自然体で生きながら循環が生まれる生き方」を実現するには、知識や理屈ではなく、実際に自分の人生に自然体で生きて循環が生まれる体験を積み重ねていくしかないと思っています。

自分の気づきや感じたことを言葉にして、体験として落とし込む。その一環としてこのnoteも書いてみることにしました。

これからも引き続き、自分が宇宙銀行の原理を実践していく中での体験をもとに、気づきや感じたことを書いていきたいと思います。

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