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【緊張】ミーのニーが「カクカク」シェイクしてしまったメモリー

カクカクカクカクカクカクカクカクカクカク。

あなたは、緊張や恐怖で膝が震えたことはありますか?

僕は覚えている限り3回あります。きょうは、その思い出について書こうと思います。

【震度4】披露宴でのムチャ振り

あれは僕が大学生のときでした。札幌のとあるホテル。その日はいとこの披露宴に出席していたんです。

出席者は200名以上いたでしょうか。僕の家はあまり親戚付き合いをしていなかったので、話し相手は両親くらい。

そんなアウェイの中、事件は余興タイムに起こりました。

司会「まだお時間に余裕があるので、飛び入り参加したい方はいらっしゃいませんか?」

その呼びかけに「ハイ!」と手を挙げたのが、うちの父。珍しく酔っているようでした。特技なんてあったっけ?と思って見ていたら……。

父「うちの息子、歌が上手なんです!」
司会「あ、そういうことならお願いしまーす」

って、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! なに息子を巻き込んでんだ、歌うなら自分で歌え。イヤァァァァァ、係の人が3倍のスピードで接近してくるゥゥゥゥゥ!

その手には……「歌本」

そう、1998年当時、そのホテルのカラオケはLD式。通信式に比べて収録曲が少ない。余興タイムは終盤、既に定番のウエディングソングは出尽くしており、選択肢は限られている。もう苦肉の策に出るしかありませんでした。

壇上に立つ僕。眼下には200名以上の見知らぬ人たち。さあ、選んだ曲は……。

CAN YOU CELEBRA~~~TE🎵

元合唱部の僕、原調で歌いましたよ。瞬間、ざわついていた会場が……。

静寂。

無。

孤独。

永~遠ていう言葉なんて~~知らなかった~よね~~~🎵

このフレーズを歌いきるまで会場はノーリアクション。聞いてくれるのはうれしいけど、思っていた反応と違うゥゥゥゥゥ! 僕の膝はというと……。

カクカクカクカクカクカクカクカクカクカク。

永遠にも感じられた6分間でした。

【震度5強】セスナ機内にてムチャ振り

あれは曲技飛行の企画で下取材に行ったときのこと。

曲技飛行とは、飛行機でアクロバティックな技を繰り出す競技。それをパイロットの方が「体験してみませんか」と。

高所が苦手な僕ですが、めったにない機会なので助手席に乗せてもらうことにしました。そして、テイクオフ。うおー絶景だなあ。

なんて思っていたら。

「ちょっと操縦してみます?」
「は?」
「助手席の操縦桿、動かしてみてください」
「え、でも……」
「こっちの操縦桿とつながっているので、大丈夫ですよ」


そ、そういうことならと、目の前の操縦桿を動かしてみると……。

グイーーーーーーーーーーン。

ちょっとしか動かしていないのに、機体が左に切れていく!

「もっと思い切っていいですよー」
「無理無理無理無理無理無理ィ!」

「こいつ、動くぞ!」なんてボケる余裕なんて、僕にはありませんでした。すると……。

「今度はGを体験してもらいますね」

グンォォォォォォォォォォォ! 機体は急旋回。

「これで2Gくらいです」
「け、けっこうこわいですゥゥゥ!」
「だったら、0G行ってみましょう」
「0G?」
「ケータイを掌に乗せて、どうなるか見ていてください」

フッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ! 機体は落下中?

「ほら、ケータイが浮いているでしょう」
「無理無理無理無理無理無理、見る余裕ありませんんん!」

どれくらい上空にいたのだろうか。

着陸後、タラップで降りようとした僕の膝はというと……。

カクカクカクカクカクカクカクカクカクカク。

【震度7】憧れの人の前でムチャ振り

子どもに授ける最初のプレゼントは「名前」です。僕は息子に大好きだった選手の名前を授けました。もちろん、オリックスに在籍していた選手です。

あるとき、その選手が『報道ステーション』で期間限定解説をすることになりました。

僕は野球担当ではなかったので、遠くから見つめるだけ。

そう、初日は。

翌日、出社すると野球担当のディレクターさんが「せきくん、ちょっと」と話しかけてきました。

「きのう、オンエアー終わりに〇〇さんとメシ行ったら、せきくんの話になって。息子の名前も教えたら、会ってみたいって」

な、な、なにを言ってくれたんだ!

僕は遠くから見ているだけで満足なんだ。だから遠慮しておきます。

って、もう目の前にいるゥゥゥゥゥ!

これまで何人ものアスリート、タレントと話す機会がありましたが、緊張などほとんどしたことはない僕。なんなら「えらそう」「おれさま」とまで言われるくらい。しかし、僕の膝はというと……。

カクカクカクカクカクカクカクカクカクカク。

「ほら、せっかくだから話しなよ」
「え、え、え、あわわわわわ」

はい、ここからの記憶がございません。不意打ちを食らい、緊張を通り越して意識を失っていました。

最後に、かぶっていたキャップにサインをもらった場面はなんとなく。ほんと、僕はなにを話したのだろう?

さあ、もう一回聞きます。

あなたはカクカク膝が震えたことはありますか?

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