よく聞かれるので、答えます。僕がオリックスファンな理由。
3週間ほど前の話になります。
中1の娘からインタビューを受けました。
なんでも冬休みの宿題で「職業のこと」について聞きたいといいます。僕の場合だと放送作家ですね。どんな仕事か、どんな経緯で就職したか、なにが難しいか、なにを大切にしているか、どんな性格が向いているか……、などなど。
一言ではなかなか説明できない仕事なので、答えるのに苦労しました。
最も悩ましかった質問がこちら。
「中学生になにかアドバイスするとしたら?」
アドバイス……、なんだろう???
中学時代までに知っておいてよかったと思えること、あるいは知らなくて困ったことか……。
しばらく考えて、僕はこう答えました。
「好きだと思える分野を見つけておくこと」
自分がなにかを好きだと発信していると、思わぬ出会いをもたらしてくれるものです。僕自身がそうでした。オリックス好きを公言していたからこそ、この仕事につながりました。
しかし、そもそも何故オリックスなのか?
この質問、よく聞かれるんですよねー。オリックスはマイナー極まりない球団ですから。
父親の影響? 違います。
うちの父は熱烈なヤクルトファンです。
関西出身? 違います。
本籍は北海道、出身は山形、育ちは福島です。
イチローさんの影響? 違います。
前身の阪急時代からファンです。
だったら、何故?
よくは覚えてはいないんですが、きっと些細なきっかけだったんだろうと思います。
通算1065盗塁の福本豊さんが僕と同じ誕生日とか、
通算284勝の山田久志さんが同じ東北の秋田出身とか、
外国人初の三冠王・ブーマーさんがデカすぎるとか、
トリプルスリー・蓑田浩二さんが男前すぎるとか、
僕が生まれた1976年は阪急日本一の年だったとか。
しかし近年、新たな説が浮上してきたんです。
誰かから言われて「一理あるな」と思ったのが、僕の性格。
つまり、周りが巨人だ、西武だ、中日だ、大洋だと手を挙げる中、誰ともかぶらない阪急を選んだのではないか、というのです。
天邪鬼というか、へそ曲がりというか、ひねくれ者というか。
そうね。確かに僕、そういうところあるね。
ただ、寂しい思いもしましたよ。
当時、巨人の試合をゴールデン帯で中継していた時代。クラスの男子は大半がセ・リーグのファンでしたから、話が合うわけです。
そして西武ファン。こちらは黄金期だったおかげで、よくメディアに取り上げられていました。
一方、阪急はとにかく情報が乏しい。インターネットなんてない時代でしたから。
小学生だったので夜遅くに放送されるニュースは見られません。となると、情報源は巨人戦の合間に伝えられる途中経過、地方紙の片隅に載る小さな記事、2月に発売される選手名鑑、7月のオールスター中継くらい。
でも、周りみたいに好きな球団のこと、話したいじゃないですか。
そこで僕が取った行動は……、
プロ野球関連の書籍を読み漁る、というもの。
名選手を伝えるもの、名勝負を紹介するもの、目次に「阪急」の文字が載っている本を探しまくりました。
おかげで、とてもマニアックな小学生になりましたよ。そして、この情熱と知識が十数年後に就職の一助になったわけです。
好きなことを見つける。
幸い、息子の方は早くから野球に目覚めてその道を邁進しています。しかし、一方で娘の方はというと探している最中。一体、なにに目覚めるのでしょうかねー?
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