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「まごころで、包む」からこそ食べたくなる地元の神スイーツ

最近、Netflixで『水曜どうでしょう Classic』を見ています。その中に「対決列島~甘いもの国盗り物語~」という企画があって、ゲラゲラと笑ってしまいました。

北海道から鹿児島まで車で移動しながら、各地のスイーツで早食い競争をしていく。見ていると、甘いものが恋しくなるんですよねえ。

ということで、今回は僕の大好きな一品をご紹介。「味」だけではない魅力をお伝えしたいと思います。

さて、あなたは「日本三大饅頭」をご存知でしょうか?

東京・塩瀬総本家の志ほせ饅頭、岡山・大手饅頭伊部屋の大手まんぢゅう、そして最後のひとつが……。

福島・柏屋の薄皮饅頭。本店は僕の実家がある郡山市!

郡山の銘菓だと、三万石のままどおる、かんの屋の家伝ゆべしも美味いけれど、僕の推しはやっぱり薄皮饅頭。「温泉饅頭の元祖」と言われています。

そのままでもよし、冷凍してもよし、焼いてもよし、天ぷらにしてもよし。しかし、それ以上にお伝えしたい魅力は……。

歴史的背景にある「思い」なんです。

柏屋の創業は1852年(嘉永5年)。なので、黒船来航の前年ですね。初代・本名善兵衛さんが「病に薬がいるように、健やかな者に心のなごみがいる」と、たっぷりの餡子を薄~い皮で包んだ饅頭を考えました。

そのこだわりを窺い知れる逸話に、僕は惹かれるのです。

創業まもない頃、旅姿の一人の男が柏屋を訪ねてきた。
旅人は上州(今の群馬県)のお菓子屋で、ある日、富山の薬売りが来て饅頭を食べたところ、 郡山の薄皮饅頭とは比べ物にならない・・・と言われたとか。そこで、薄皮饅頭の作り方を丁寧に教えて差し上げたが、1年ほどしてまたやって来た。

「まだ、うまくできません。」
「上州の。お前さんは餡を何で包むんですか?」
「教えの通り、あのようにして作った皮で包んでいるのですが・・・」

「ああ、それだからおいしい饅頭ができないんだ。まごころで包まないとお客様に喜んでいただけない。」

上州のお菓子屋は、この一言に大変感動し、何度もうなづきながら帰って行った。(柏屋のHPより引用)

まごころで、包む。

薄皮饅頭は、奥州街道を旅する人々の間で「遠回りしてでも食べたい」とたちまち評判になりました。

その後も、お客様第一の伝統は受け継がれていきます。

二代目「マネはいたしません」
三代目「おなかではなく、心をいっぱいにしよう」
四代目「饅頭で一生を棒に振る」

そしていま、五代目が「これまでも、これからも」の精神で柏屋の看板を背負っています。詳しくは柏屋のHPをご覧ください。

この薄皮饅頭、亡くなった妻もファンでした。

東京のスーパーでもたまに見かけるので、その度にうれしい思いをしたものです。しかし、妻が好きなつぶあんはなかなか出回らないんですよね。

郡山に帰省した際は柏屋に必ず足を運びました。行っていたのは市役所近くの柏屋。店内には喫茶コーナーがあって、よくここでデートしていました。

ちなみにこの店、裏手に縁結びとお菓子の神様が祀られた「萬寿神社」があるんです。境内には饅頭の形をした自然石は願掛けの石。いま見ると『鬼滅の刃』に出てきそうですね笑

最近は、こういうご時世なので「ふるさと納税」で薄皮饅頭を取り寄せるようにしています。

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