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【感想文】『【推しの子】』という漫画が次にくるらしい。

久々に「そう来たか!」と思わされる漫画と出会いました。

『【推しの子】』

現在「週刊ヤングジャンプ」「少年ジャンプ+」に連載されていて、単行本は5巻まで出ています。「次にくるマンガ大賞2021」のコミックス部門1位に輝きました。

タイトルを見て、1巻の表紙を見て、あなたはどんな印象を持ちましたか?

僕はこんな感じでした。

「この表紙の子が主人公なんだろうな」
「アイドルの世界を描いたものだろうな」
「成り上がっていくために友情・努力・勝利していく話かな」

しかし、その想像はのっけから裏切られていきます。

①主人公はアイドルではなく、ドルオタの産婦人科医です。

物語は彼が務める病院に、とある妊婦が入院するところから始まります。彼女の正体は、なんと主人公が推しているアイドル〝アイ〟でした。

「え、そういう感じ?」

ちょっと思考を方向修正した僕。さあ、1話目のラスト、いよいよ出産を迎えようとしたそのとき……。

②主人公が殺されます。で、生まれてきたアイの子に転生します。

「まさか、SF要素を絡めてくるとは」

またも方向修正を余儀なくされる僕。生まれてきたのは双子で、主人公の妹にも前世の記憶が残っています。

2話目からは、アイがママとアイドルを両立させていく展開。同時に、双子も芸能界への道を歩み出していきます。

『【推しの子】』とはそういうことかと。

しかし「なるほど」と思った矢先、またも僕は裏切られます。

③アイが殺されます。主人公と同じ犯人に。

2つの事件はストーカーの犯行だったのですが、そこには裏があるのではと気づく主人公。黒幕は正体不明とされている自分たちの父親で、芸能界に関係している人物だと疑い始めます。

これが、1巻のラスト。

「まさか、サスペンスの要素まで絡んでくるとは」

この感じは『君の名は。』に似ているかもしれません。あの作品も、単なる男女入れ替わりのドタバタ劇かと思っていたら、ストーリーが急展開していきましたから。

さあ、俄然おもしろくなってきました。

2巻からは物語が2軸で進んでいきます。ニヒルでクールな高校生となった主人公は黒幕を探すために役者として芸能界へ。双子の妹は前世の夢だったアイドルとして花開いていきます。

徐々に仲間を増やしていって成長していく展開は少年誌っぽくて胸アツ。業界の舞台裏ネタ、へえ話もあります。

僕は週刊少年ジャンプで連載していた『アクタージュ』という作品を気に入っていたのですが、作者の不祥事で打ち切りになってしまいまして。でも、この『推しの子』はそのロスを補って余りある存在になってくれましたね。

流石は賞を授かるほどの作品です。

ちなみに原作を担当している赤坂アカ先生は『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の作者。週刊連載を2本だなんて……。

「ええぃ、連邦のモビルスーツは化け物か!」

といった気分です。

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