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「放送作家」関の成分表

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🌟僕の心が丸裸になってしまう文集🌟放送作家はどんなことを考えるか🌟亡き妻との思い出🌟シングルファーザー奮闘中🌟たまにはオリックス愛も語らせて笑🌟
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#エッセイ

妻の命日に思い浮かんだ、幻想的な夕方の空。

先週の土曜日、8月26日のことです。 この日、オリックスはロッテとの試合で、延長12回スコアレスドロー。遂に優勝マジック「24」を点灯させました。 うれしかったですねー。 8月26日は妻の命日ですから。 2018年、妻は49歳でこの世を去りました。がんを告知されて、1年半。闘病もむなしく力尽きました。 僕にとっては悲しくて、哀しい日。それが、オリックスのおかげで、ほんのちょっとだけ良い日に思えました。 さて、この出来事を受けて、僕はある情景を連想しました。 〝幻

周りは無理だと言うけれど。息子のメンタルが試された夏。

更新が止まって、だいぶ経ってしまいました。きょうからまたコツコツ書いていくので、お付き合いください。 さて、この夏のせき家は、なにかと試練を迎えています。 大きな悩みの種は、子供たちの進路です。 高校受験を控える娘と、高校野球を引退した息子。特に息子は、かなりの逆境に立たされています。 幼いころからプロ野球(NPB)で活躍することを夢見てきましたが、メンタルの病気もあって、高校での公式戦出場はなし。こんな実績ではプロはおろか、大学・社会人からのスカウトも見込めません。

娘の〝安全基地〟でありたい。どうか僕に任せてよ。

その日、中学校から帰宅した娘の表情は、とても晴れやかでした。 「電話してくれたのー?」 「ありがとー!」 一体、なにがあったのか。きょうはその話にお付き合いください。 実はこのところ、娘のストレスは飽和状態でした。 「部活、行きたくない」 「先生の当たりがきつい」 「きょうは、なに言われるのかな」 先月末から、こんな弱音が増えていたんです。 要は、所属する吹奏楽部でうまく行っていないと。聞くと、大会に出場するかしないかがトラブルの種になっているようでした。 事前

〝えくぼ〟に癒される。娘のにっこりが増えた理由。

うちの娘は、にっこり笑うと〝えくぼ〟ができます。 食卓にオムライスが並んだら、にっこり。 休日に友だちとの約束が入ったら、にっこり。 ほめられたら、照れてにっこり。 そのときにできる〝えくぼ〟を見ると、僕は幸せな気分になります。 先日はこんなことがありました。 テストの結果を見て、にっこり。 娘は中学3年生。今までは勉強に興味が湧かず、成績はどの教科も平均ほどでした。しかし、遂に今回……、 周囲から絶賛されるような点を取れたんです。 最高点は美術で、93点!

娘に伝えたいこと。君の取り柄のひとつは……。

日ごろ、なにかと僕に癒しをくれるうちの娘。先日は15歳の誕生日に贈ったプレゼントについて書きました。 そんな娘と話していると、時々こう感じることがあります。 「自分には取り柄がないと思っているのでは……」 学校での娘は、学力も体力も平均くらい。性格はどちらかというと人見知りで控えめ。野球で突き抜けている兄とは違い、進路に直結する特技もありません。 しかし、そんな君に伝えたい。 その、なにかと独特な表現は間違いなく取り柄のひとつだよって。 あれは子宮頸がんのワクチン

桜が咲く限り、僕は忘れない。

真夜に散歩していたら、不思議な光景と出会った。 川沿いの桜並木。黒い空間の中、一部ぽぅっと白が映えている。 周りの桜はまだ蕾だというのに、一本だけフライングで咲いていた。気の早いことだ。 亡くなった妻は、桜がとても好きだった。 新婚旅行は京都の桜を見に行ったし、娘が生まれるとわかったときは「桜」に因んだ名前にしたいと喜んだ。〝麦わらの一味〟チョッパーにハマったのも、きっと彼が桜に縁のあるキャラクターだからだろう。 春になると、家族でよく桜を見に出掛けた。 都内をい

自分が最も喜ぶ〝ご褒美〟を、妻との思い出が教えてくれた。

〝自分へのご褒美〟ってあるでしょう? あなたは頑張ったとき、うれしいことがあったとき、どんなご褒美を自分に与えていますか? おいしいものを食べる? 高価なものを買う? 贅沢な体験をする? 先週の僕は、自分が最も喜ぶご褒美とはなんなのか、考えさせられてしまいました。 きっかけとなった出来事はこちらです(↓)。 甲状腺がんかもしれない不安と戦ったご褒美に、なにかをしようと思ったのです。 当日、出不精な娘のために夕食の準備をして、僕は出かけました。 都内の温泉施設へと

きょうは主張したいことがあります。

「コンプライアンス」という言葉を仕事場で聞くようになったのは、もう何年前のことでしょうか。 最近ではリモート会議ならではのパワハラがあるそうで。 上司がカメラオフになっている部下に対して「いる?」「聞いてる?」と確認しただけでも、アウトの可能性があるんですって。こわーい。 僕は仕事中に熱くなることがあるので、パワハラには要注意。そして密かに心配しているのが「ジェネレーションギャップ・ハラスメント」(ジェネハラ)です。 僕の場合、年下ばかりの仕事場で、古い漫画ネタを引用

プロポーズのち、嵐。妻と大笑いしたあの日。

本日、9月7日は僕にとって記念日です。 妻にプロポーズを申し込んだ日。2004年のことでした。 当時、僕は27歳で妻は35歳。付き合って間もなかったけれど、妻の年齢、難病のことを考えて「結婚しよう」と決めていました。 きっと一生に一度のことだからプロポーズは特別な場所でと思い、選んだのが神戸です。 オリックスの試合を見るために、何度も訪れた街・神戸。僕はいつも深夜バスに乗って早朝に到着し、夕方の試合までは散歩をして時間を潰していました。 その中に、最高のロケーション

妻の命日に見た、息子の優しさ。

2018年8月26日0時55分、僕たちは最愛の人を失いました。 そう、きのうは妻の命日でした。 息を引き取った時刻に息子が起きてきて、仏壇に手を合わせていました。 妻の余命を知ったとき、心拍が停止したとき、誰よりも号泣したのが彼です。当時、中学1年生。喪失感は体調に大きな影響を及ぼしました。 起きている間は常に頭痛。時に激しく痛んで意識を失う。さらに、体に力が入らなくなる、光と音に対して過敏になる、イライラが止まらない……。 はじめは原因がわからなくて、病院を転々と

泣きっ面に蜂、ぎっくり腰に〇。

不運なことが重なることを「泣きっ面に蜂」と申します。 同じような意味で「弱り目に祟り目」「踏んだり蹴ったり」なんて言葉もありますよね。今回は、そこに新たな格言を加えたいと思います。 おとといのことです。 僕は久しぶりにオフの日でした。東京五輪の仕事も終わり、ほっと一息。雨もそこまで強くはなかったので、妻の墓参りに行こうと思いました。 その道中、ふと誘惑にかられたんです。 僕の大好きな『機動戦士ガンダムUC』の、パチンコ。五輪期間中、ちょいちょいCMで見て気になってい

ゲーム中に考えさせられた、人に頼るということ。

『スプラトゥーン2』というゲームが好きです。 様々な武器でインクを塗りつけ、相手を倒したり、陣地を塗ったりしていく4対4のチーム戦。射撃の正確性、反射神経だけでなく〝戦術眼〟も求められます。 だからこそ、こう感じるんです。 プレイヤーの生き方が、まるっと出てしまうゲームだなと。 僕はあまり上手ではないので、よく解説動画を見るんですが、そこで痛感させられるのは……。 人に任せるのが苦手ということ。 例えば、僕が好んで使っているスパッタリークリアという武器。 敏捷性

【祝】16年前、僕は「未知との遭遇」を果たしました。

きょう、6月24日は息子の誕生日です。16歳になりました。 そしてきょう、6月24日は「UFOの日」でもあります。1947年、アメリカで起きたケネス・アーノルド事件をきっかけに「空飛ぶ円盤」という言葉が定着したからです。 そこで今回は、16年前の6月24日に僕が「未知との遭遇」を果たした話を書こうと思います。 ――この物語は、我が家にとって初めての出産奮闘記である笑 (↓)BGMとしてお聞きください。 『X-ファイル』の主題歌、B’zの『LOVE PHANTOM』

絶対に納得いかない名前が、そこにはある。

近ごろ、僕はあるジレンマを感じています。 オリックスの快進撃によって記事の扱いは大きくなる一方、ある単語をよく見かけるようになったからです。 〝猛牛打線〟 放送作家の視点から見ると、どうしても納得がいかないんですよねー😅 一番の理由は「本質をとらえていない」ということ。仕事でタイトルとかキーワードとかキャッチコピーを考えるとき、本質とは違う言葉を選びますか?という。 オリックス「バファローズ」なのだから〝猛牛〟でいいじゃないか。そんな意見もあるでしょう。しかし、それ