「電子音」が嫌いだった僕が「電子音」を好きになるまで
流行りの音楽は時代と共に変化していくもの。
最近は電子音を聴くことが非常に多くなった。かつてハードロックだったONE OK ROCKの新作は海外プロデュースで最高にカッコイ電子音を聴かせているし、The Chainsmokersは世界中で人気を集めている。
電子音は不思議だ。人工的なデジタル音のはずなのに時にはあたたかさや多幸感すらも感じさせてくれる。
今では電子音が大好きな僕ですが、一昔前は電子音が大の苦手でした。このnoteでは曲の紹介を挟みつつ「僕が電子音が好きになるまで」を紹介していきます。
なぜ電子音が苦手だったのか
高校生くらいまでほとんどロックしか聴いていなかった僕は、楽器が奏でる音こそ至高と信じてやまなかった。ギターには心が宿ると信じていたし、今でもそう思っている。
ドラムだって、生音と1音1音に心をこめて、叩く音では別物であると強く思っていた。そしてそれだけが正しくて、打ち込みのドラムや音楽はどこか邪道だと感じていた。
もう1つ、小学生くらいから僕は小室哲哉さんに影響を受けたようなavexサウンドが苦手だった。なぜかあの音を昼間に聴くとけだるくて頭が痛いような気分になってしまう。
そうして自然と電子音から距離を取ってきた僕だが、幾つかのきっかけを経て、電子音との距離を縮めていくことになる。
【Trigger .01】hide
僕は中学生の頃からX JAPANのhideがめちゃくちゃ好きだった。彼のつくる曲、彼の歌、彼のファッション・・その全てが好きだった。何より彼の弾くギターソロが好きだった。優しくてあたたかくて、他の誰が弾いても同じにならない。巧さじゃない魅力が彼のギターにはあった。
楽器に心を求めるようになったきっかけはhideだったと思う。だけど電子音との距離を近づけてくれたのも奇しくもhideだった。
hideのソロの曲では打ち込みや電子音が心地よく効果的に活用されている。何よりhideの海外デビュー作となったバンドZilchのアルバムはゴリゴリの電子音で構成されている。
初めて聴いたとき、このアルバムの良さは正直わからなかった。ゴリゴリの電子音よりhideのギターが聴きたいと思った。だけど大好きなhideが未来を見すえてつくったアルバム。いつかこの電子音だらけのアルバムを好きになりたいと思った。今聴くとめっちゃカッコイイ。
【Trigger .02】初音ミク
かの有名な初音ミク。正直僕は初音ミクも苦手だった。機械が唄う歌は冷たくていびつで不愉快なものだと感じていた。初音ミクが流行っていて曲の良さはわかるけど「歌ってみた」で人間が歌ったCoverじゃないと聴けないな、と思っていた。
情報系の大学に進学することが決まり、共通の話題づくりという浅はかな理由で初音ミクを聴くようになった。
そこにはかつて苦手だったたくさんの電子音があった。ボカロPの方は打ち込みを多様する方が多い。例えば今や米津玄師として有名なハチPも打ち込みを多用していた。
不思議なことに初音ミクの曲をずっと聴いていると、機械のミクの歌声に心があるように感じるようになってきた。そう、電子音は生の演奏ではないけれど、人が感情や思いが吹き込まれたものだったのだ。
あの頃はニコニコの全盛期だった。コメントがエモい・・
ハジメテノオトは初音ミクの心を感じる感動的な曲だ。ハジメテノオトってタイトルがすでに憎い。
夢町コントラストのイントロの美しさには息を飲む。電子音が頭の中に儚くて切ない楽曲の世界を構築して自分を違う世界へと連れていく。
【Trigger .03】EDM
EDM( Electronic Dance Music)が数年遅れで日本で流行ったことも生活の中に電子音を自然と浸透させるきっかけとなった。
ちなみに僕の中でEDMと言えばPSYの江南スタイルだ(笑)PSYのMVはどれもコミカルかつ攻撃力が高い。
僕の中で衝撃的かつ最高にクールだと思ったのはBUMP OF CHICKENだ。昔のBUMP OF CHICKENといえばウォームでこもっていてとにかくアナログが似合うバンドだった。
そんな彼らが初音ミクとのコラボ曲rayをリリースし、更にEDMサウンド全開のButterflyをリリースした。Butterflyの藤原さんの暗めの歌声と対象的な電子音は不思議と調和して、肉体的な感覚(表面)と精神的な感覚(内面)の両面に響いてくる。
【Trigger .04】City Pop
そして、最後はCity Popだ。ここ数年シティポップに分類されるアーティスト達が人気を呼んでいる。シティポップと言えば小沢健二さんのThe Flipper's Guitarのイメージだったが時を経てまたシティポップが聴かれるようになった。
このジャンルがグッと身近になったのはオールナイトロックフェスBAYCAMPで夜中の3:30に聴いたAwesome City Clubがとても印象的だったからだ。真夜中に野外で響きわたる電子音は忘れられないくらいドラマチックだった。
あの感動をもう一度求めるように久しぶりに広く、様々なアーティストの音楽を聴くようになった。
NO NUKESでのNulbarichも素晴らしかった。生がこんなにカッコイイなんて思ってもいなかった。楽器と電子音の共存が絶妙だ。電子音は時に生の楽器以上に人の感情を表現する。Liveでの心地よさは発見だった。
昔は「打ち込みやシンセの音なんてただ大きい音で再生しているだけなんだから、Liveで聴く意味ないじゃん」なんてひねくれたことを思っていた。ああ、僕は浅はかだった...!青かった過去の自分が恥ずかしい!
【Trigger .05】アニメとアイドル
アニメとアイドルは大学4年生になるまで避けてきたジャンルだった。アニメのサウンドトラックには電子音が効果的に使われいることが多い。そしてクオリティの高い曲が非常に多い。
最近、ずっと観ようと思って後回しにしていた交響詩篇エウレカセブンをやっと観たんだけど、挿入歌として使用されている電気グルーブの虹がとにかくカッコよくてトランスなどのジャンルにも興味がわいてきている。
そして、アイドルだ。電子と言えばでんぱ!でんぱ組.incを外すわけにはいくまい。初めて好きになったアイドルがでんぱ組だ。個性的な楽曲に心を奪われた。
その次に好きになったのが ゆるめるモ! 名前とは裏腹にエモい曲が多くてすごく好き。東京に来てから1番Liveを観に行ったアーティスト。
アイドルじゃないけど、大森さんのミッドナイト清純異性交遊のサウンドもたまらない。
最近は、あまり聴いたこなかったラップのトラックにも興味がわいてきたし、そのうち行ったことのないクラブにも行ってみたい。電子音の世界は思っていたよりずっと奥深い。嫌いだった電子音を好きになれて本当に良かったと思う。
【Remember】Game Music
もう一つ、最後に思い出したことがある。僕の日常には実は幼い頃からずっと電子音があったということを。そう、ファミコンやスーパーファミコンのBGMたち。限られた音数と小さな記憶媒体の中に込められた音楽たちは幼い僕に世界の広がりを感じさせてくれた。
個人的にはスーパーファミコンのドンキーコングの曲は本当に神々しいほどの名曲揃いだ。
【Recommend】electronic songs
長い記事になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!最後におまけとしてここ最近の電子音がお気に入りの曲のプレイリストを貼っておきます。
これを機に電子音の虜になってください!
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