【映画噺】 テノール! 人生はハーモニー 6月9日公開
「エミリー、パリへ行く」「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」の製作陣が贈る!
偶然の出会いが人生のターニングポイントとなる、という定番のお話ですが、これがとってもポジティブで、また名曲の数々にも心揺さぶられました。
さらに今回の舞台はパリ、それもオペラ座のガルニエ宮!
年末から今年の初めにはパリ・オペラ座テーマの特別展がアーティゾン美術展で開催されたばかり!歴史のある豪華絢爛な場所で次世代のオペラ歌手はこうやって指導を受けているのかも…と、映画の中の世界ながらその雰囲気も楽しめると思いますよ。
STORY
※感想以降はメンバーシップ限定で先行公開しています。ぜひご入会ください!
感想
サクセスストーリーって大好き!と試写の案内を見て迷わず見ることにした作品。
それはそれは美しいオペラ座・ガルニエ宮が舞台であることに魅かれたのは冒頭で書いた通りですが、すし屋のデリバリーで日々の生活費を稼ぐ青年アントワーヌが、配達先のオペラの稽古場で見下され、ついカッとなって揶揄するつもりで真似事をしたら、自分でも気づかなかった才能を見出され…という、ザ・映画、かつわかりやすい展開もこの作品の魅力。すんなりとストーリーに寄り添っていけます。
↑アントワーヌは才能を見出してくれ、ちょっと強引にオペラの道へ導いてくれた師マリーとの出会いがありました。この作品においての奇跡だし、普通なら出会わなかったはずのふたりに、ぶつかったりはするものの、絆や信頼関係が築かれていく様子は見ていて素晴らしいなと素直に思いました。不思議なタイミングでしかるべき人に出会って、成長して、でも結局人生は他でもない自分自身で切り開いていくものだというメッセージも伝わって来ました。
↑アントワーヌ・ゼルカウィ役のMB14は、ビートボックスの世界チャンピオンでもあり、2016年のザ・ヴォイス シーズン5に参加していたのを見た監督とプロデューサーからのオファーで役を演じるチャンスを掴んだんだそう。声も一瞬吹替かな?と思ったんですが、自身の声だというから驚きです。たった2ヶ月のトレーニングであの凄さ!音楽を映画の中で、役者として表現するのがとても楽しそうに見えるので、根っからの表現者なんだろうなと思いました。
↑ロケーションにおいてはクロード・ジディ・Jr.監督をはじめ、プロデューサーのラファエル・ベノリエルらが、オペラ座のマネージャーをなんと数年がかりで説得し続けました。皆がマリーからレッスンを受けるグランドホワイエでの撮影許可が降りたのは直前のこと。いざ撮影を始めるとどこにカメラを向けても美しいので、あまりそちらを見せ過ぎてもストーリーが入ってこない。バランスをとりながらユニークなロケーションを最大限見せる!というそのバランスにも気を配ったのだそう。
主人公はオペラとは畑違いのラップに没頭、いいところの子女が英才教育を受けて目指す世界とは全く違います。でも、持って生まれた歌声に加え、言葉のセンスやリズム感などエッセンシャルな部分においては共通点も多いのだと、昨今のボーダレスな感じも嫌味なく取り入れているのかな?と感じました。
才能一つでオペラの世界に乗り込むことになった主人公の、山あり谷あり!後の成功を予感させる物語は、ここ数年息の詰まる生活を余儀なくされて来た中で、希望の光を一緒に見せてもらえた気もして、見終わった後も清々しい気持ちになりました。
ぜひどうぞ、おすすめです。
予告編
公式サイト
クレジット
『テノール! 人生はハーモニー』
■公開表記:6月9日(金)より 新宿ピカデリー ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
© 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS
■配給:ギャガ
■スタッフ・キャスト
監督:クロード・ジディ・Jr.
出演:ミシェル・ラロック、MB14、ロベルト・アラーニャ
原題:TENOR/101分/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳: 古田 由紀子/配給ギャガ
この記事が参加している募集
サポート、ありがとうございます!