サービスエリアにて
今日は最後(仮)の交通警備のバイトで、某サービスエリアに来ている。
いつもは道路の脇の警備なので、走る車ばかりを見ていたけれど、
今日は車から降りて道路を渡る人々を見ていた。
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そういえば今日は土曜日だからか、家族連れやカップルが多い。
中には観光バスのツアーで来た団体客も。
この世界は本当にたくさんの人で溢れかえっているものだ。
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サービスエリアから高速道路へ出ていく車と、
店へ入っていく歩行者が何度も何度も交差する。
中には友人との会話に夢中で、向かってくる車に
全く気づかずに歩いてくる人も。きっと楽しいドライブの途中なのだろう。
そのような人たちの前で、赤く光る誘導棒を大きく横に振り、車を止める。
車の運転手に(ご協力ありがとうございます)とお辞儀をする。
相手は(いいよー)と右手を挙げる。
無言のコミュニケーションで、また一つの命が守られた。
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そんなことを繰り返していると、
ふと、
「この世の中は本当にたくさんの人が譲り合って、
助け合ってできているんだな」と思った。
車と人。若者と高齢者。車椅子。妊婦さん。募金活動。
言い出すとキリがない。
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「譲る」という行為はその人に心の余裕がないとできないことだろう。
みんなそれぞれの生活があって、日常があって、
せわしなく動き回っているはずなのに、
同じ車両に身体の不自由な人が乗ってくると、
サッと「この席、どうぞ」と言えてしまう。
それが自然とできる日本人が好きだ。
それが自然なことになっている日本という国が大好きだ。
これからも心に余裕を持って、いつでも「どうぞ」と言える自分でいたい。
以上、サービスエリアからお送りしました。
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