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映画好きをこじらせてポップコーンを自家栽培した話
今年の春から植物を育てるのが、まぁー楽しくなっちゃって、けれどもこの趣味は映画と全く関係ねぇなぁ~別に映画に関係すること以外してはいけない制約を自分にかけた訳でもないんだが…と思いつつ。
だがしかし、この新たな趣味を映画にも繋げたい!と考えた折に、ふいに思い付いてしまったんです。
そうだ、ポップコーンを育てよう。
殺し屋レオンが大切に育てていた”アグラオネマ”や、雨の中トトロが頭に載せていた”クワズイモ”を、育ててもいたんです。でもやっぱり、食えるものを育てたくなっちゃいまして…そこで選んだのがポップコーンという訳です。トウモコロシです。夏野菜ですよ。
思い付いたのが3月、育て始めたのが4月、実際に食べたのが8月。約5か月に渡る園芸初心者の私のポップコーン栽培記録を、聞かれてもいないのにビシッとご紹介していきたいと思います。良ければお付き合いくださいませ。
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レオンが大切に育てていたアグラオネマ
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トトロが傘代わりに頭に載せていたクワズイモ
まずトウモロコシなんですけど、実は種類が結構あって、普段ゆでたり焼いたり、若いのを収穫してヤングコーンとして食べているのが"甘味種"(スイート種)と呼ばれるタイプです。他には白くて甘味の強い”甘味白色粒種”、家畜用飼料などに使われる”硬粒種”などがあります。
そんな中に「爆裂種」というすんげぇ名前の種類があって、これが乾燥させた実を加熱し爆裂させて食べる、要するにポップコーンです。
そしてポップコーンにも2種類あります。オーソドックスな形のポップコーンは”バタフライタイプ”、カラフルなソースなどでコーティングされているのをよく見かける丸い形の方は”マッシュルームタイプ”と言われ、その形状で分類されています。
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今回、私が挑戦したのは”マッシュルームタイプ”です。なんならキャラメルソースも自分で作って、自家製キャラメルポップコーンにしてやろうという野望を抱いたからです。
そもそも、どちらのタイプの栽培が難しいのかは知る由もありませんが、いずれにしたって敵として不足ナシです。この時の私は『ラストサムライ』の真田広之の様な精悍な顔つきだったことでしょう。知らんけど。
0日目(4/10):植え付け
サカタのタネさんから出ているポップコーンの種を購入。発芽しやすいように、種を一晩ほど水につけておき、翌朝にいざ植え付け。夢中になり過ぎてこのあたりの様子はごっそり写真を撮り忘れる失態を犯しました。しばらくは土が乾かないよう、毎日お水をあげていきます。
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まるポップ ポップコーンの種
6日目(4/16):発芽
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なんと植え付けから6日で発芽。4月はまだ気温的にもそこまで高くならず、トウモロコシの発芽には土が暖かいという事が重要なので、丸く穴を開けた段ボールを被せてマルチングしています。
マルチングというのは、植物の株元を資材で覆うことです。土の温度の上昇効果、そして病害虫からの保護などのために行います。農家さんのちゃんとした畑だったら、黒いビニールがマルチングとして張られているのをよく見かけます。
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植えたやつ全部発芽。
20日目(5/1):間引き
1箇所に3つずつ植えておき、ある程度成長してきた段階で、一番発育が良くて強そうな子以外を間引きます。「今日はみなさんに殺し合いをしてもらいます」と言ったビートたけしの気持ちです。ここまで共に過ごしてきた仲間を抜くのはつらいですが、残される子のため心を鬼にし、優秀なクラスメイトだけを残します。
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34日目(5/15):心配期
強風でトウモロコシの葉っぱが折れて、めちゃくちゃ心配してたんですけど、丈夫な葉っぱが次々と出てくるので、杞憂に終わりました。園芸をやり始めて知ったのは、植物は基本的に超強いという事。色んな環境に耐えてくれるし、すぐに復活してくれます。ジャッキー・チェンです。
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右側に写っているのはオクラさん。
62日目(6/12):かなり背が高くなってきた
もう見た目は完全にトウモロコシ。この頃には茎も堅く、葉っぱも相当大きかったので、初期の方で折れた葉っぱについては存在すら忘れてました。
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77日目(6/25):穂
ついに穂が出ました。先端に咲いているのが雄穂(ゆうすい)、トウモロコシの実のヒゲの部分を雌穂(しすい)と言います。
家庭菜園でのトウモロコシは、切り取った雄穂を雌穂にこすり付けて、人工授粉させるのが一般的ですが、我が家の子はいつの間にか勝手に受粉してました。所構わず受粉するなんて『アドレナリン』のジェイソン・ステイサムを彷彿とさせる、とんだトウモロコシ野郎です。
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奥のオクラさんもめちゃめちゃ成長中。
89日目(7/7):実が生る
植え付けから3か月、ステイサム奮闘の甲斐あって、ついに実が生りました。日に日に、大きく太くなっていきます。
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雌穂のヒゲ1本1本は、トウモロコシの実1粒1粒と繋がっているため、実とヒゲは必ず同数になります。実が熟してくるとヒゲが茶色になり縮れてくるので、それが収穫のサインです。
長い月日をかけた上、1つずつしか実が収穫できないため失敗できません。ヒゲを観察し、外から軽く触ったりして収穫のタイミングを見極めます。
108日目(7/26):収穫&乾燥
ついに収穫。どうですか!普通にちゃんとトウモロコシですよ。
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ちゃんと実が付いてる!すげえ…!
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収穫したては水分がまだ実に残っていて、この状態で加熱してもうまく爆裂しないそうなんです。なので干します。
134日目(8/21):実食①
3週間強、干しました。いよいよポップさせて実食です。「時は来た!」と、アントニオ猪木と戦う前の橋本真也の構えです。
十分に乾燥させ、我慢に我慢を重ね、ここまで来たら、ただ”ポップコーンを美味しく食う事”にとことん拘りたい。育て始めてから4ヶ月、毎日毎日お世話してきたトウモロコシだもの。「時は来た!」と意気込んだはいいが「それだけだ!」と終わってしまっては蝶野に笑われてしまう。ポップコーンにはセットにすべき必需品があるじゃないか。
そうだ、コーラを作ろう。
ということで、クラフトコーラ作りです。コーラ作りで大活躍するのがレモン。そして私は、実はレモンも育てています。DASH村に入村できるんじゃないかとも思いましたが、我が家のレモンだと収穫まであと3年近くかかってしまうので、残念ながらここでは市販のレモン先輩に頼ります。
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S&Bさんの回し者かの様なラインナップ。
作り方はカンタンで、レモンスライス、三温糖、バニラビーンズ、カルダモン、グローブ、しょうが、シナモンスティックを煮込んでできたシロップに炭酸水を加えるだけ。「クラフトコーラ レシピ」で検索すればたくさん出てきますよ!ご参考に。
煮込んだクラフトコーラを冷ます間に、ポップコーン作業再開です。芯から実を取っていきます。
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どんぶりに入っているのがトウモロコシ1本分です。写真では分かりづらいですが、結構な量です。これを加熱していきます。果たしてちゃんとポップするのか…?
4カ月に及ぶ、栽培の成否が分かる瞬間です。
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誰がどう見てもポップコーンや!
ご覧の様にですね、なんと大成功でした。他の野菜と違って、皮を剝くまでは実が生っているかも分からないし、加熱するまでちゃんとポップするかも分からない、そんな不安な品種でしたが、ちゃんとできるもんですね。野菜ってマジ凄い。
トウモロコシ1本で、上記の小さめのガラスボウル1つ分のポップコーンができました。もっと言えば、種1粒でこれだけの量ができるって事なので、育てる手間も楽しめる方なら、かなりコスパ良い趣味と言えるでしょう。
134日目(8/21):実食②
ここで1つの疑問が生じました。
あれ、これバタフライタイプじゃね?
冷静に考えたら”マッシュルームタイプ”を育てていたのに、出来上がったのはどう見ても”バタフライタイプ”です。まぁ、でもここまでの成功を収めるとは思ってなかったので、形は今さらどうでも良いのが正直な話。成功したと思ったら全く違うものができた!って『ザ・フライ』感がありますね。バタフライだけに。
そんな事は一旦記憶の奥底に追いやり、できた量の3割くらいを、キャラメルポップコーンにしてみます。牛乳+砂糖+バターの簡易キャラメルソースにポップコーンを絡めます。
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ポップコーン+キャラメルポップコーン
with クラフトコーラ
キャラメルポップコーンはキャラメルソースの水分が若干多かったために、膨らんだポップコーンが少し縮んでしまったことを除けば、カリッと具合も良い感じ、甘さ控えめで味も満足でした。
おわりに
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改めて思ったのは、映画館で食べられるキャラメルポップコーンは、技術の粋を集めた努力の賜物であるという事。ポップコーンの実1つ1つが大きいし、フワッとしてるし、キャラメルがかかったことで縮んでない。トウモコロシも凄けりゃ、キャラメルの味付け技術も凄い。
映画館には「映画」以外にも、多方面のプロの技術と拘りが集約されているんですよ!という最高のオチで締めたいと思います。関係各位のみなさん、いつも本当にありがとうございます。ではまた次回!
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。面白い記事が書けるよう精進します。 最後まで読んだついでに「スキ」お願いします!