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エースストライカー

同僚と一緒に個人参加型のフットサルへ。
月に数回のペースでフットサルをしているが、その程度の頻度では上達しない。クラブ活動並に鍛えなければ技術は向上しないし、筋肉痛になって終わるだけである。それでもマイペースにゆるく続けているのは、初心者でも楽しめる競技であることと、衰える体力を少しでも食い止めたいという思いがあるからだ。基本的には趣味の範疇で満足してはいるが、無性に虚しくなる瞬間がある。
チーム競技なので経験者とプレーする機会が多くあり、初心者とは明らかに違うフィジカルの強さや、技術力の高さに圧倒される。学生時代の努力がプレースタイルから滲み出ていて、ボール捌きに自信を感じるのだ。真剣に打ち込めるものがなく、怠惰な学生生活で時間を無駄に過ごしてきた者としては、後悔に似た感情に陥ってしまう。不意に襲ってくる劣等感に、卑屈になるばかりである。
一緒に参加した同僚は1ゲーム目ですっ転んで足首をひねり、豪快なボレーシュートはゴールの枠外どころか、全く関係のない空へ飛んでいた。
「初心者だとコントロールが難しいっすよね」
「大学までサッカーやってたんやけどなー」
同僚はバリバリの経験者だった。
結局のところ、個人による。ということで、元気が出た。

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