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Salesforce社内で2018年1番バズった営業ノウハウ資料を作者が解説!!part1

今回はタイトルどおり、Salesforce社内で2018年1番バズった営業ノウハウ資料と、その解説を作者である私がしてしまおう!というnoteです。
(噂によると、この資料は私が退職した今でも定期的にSalesforce社内SNSでバズっており、新入社員が入ると最初に読む虎の巻になっているらしいです・・・w)

この資料の最大のポイントは、単なるトークスクリプト集ではなく、

・商談で聞きたいこと
・具体的なトーク例
・トーク例のポイント
・そのトークから聞き出したい真意

まで明確にしている点です。

本当はあまり人に教えたくない内容なのですが、今回は日本のSaaSの発展に微力ながら貢献できたらと思い、公開します!!
(Salesforce内で公開した資料をnote用にupdateしています。)

作者と、このnoteの注意点について

自己紹介のnoteもあるのでご覧ください!
私自身は、昨年のSalesforceのSMB(中小企業担当)部隊においては、最速で年間予算を達成をしています。(確か5ヶ月くらい)。半期でマネージャになって職責が変わったため純粋な比較はできませんが、おそらくSMB部隊で1位か2位くらい売っていました。

ただそれでも、商談受注率が100%というわけではなく、
ストライクゾーンに来た商談なら成約率4割強、ボール球も含めて全ての商談なら成約率3割3分くらいが私の受注率でした。
→半数以上の方にはご契約頂いていないってことです。
(そして、ストライクとボールに関しては後ほど解説します。)

ですので、この資料のノウハウ通りやったら100%売れる!というものではないことご理解ください。
また、営業のタイプ的に合う合わないもあるので、このやり方が合わないと思った人は早めに見極めてやめてくださいね(まずはトライしてみる。そのうえで合わなかったらやめるのもスキルです!)

そして、私自身がEnterpriseの担当に変わった際に、このノウハウ通りやろうとして、超えられない壁にぶつかる・・・どころか正面衝突事故を起こしているので、その壁の内容は別途紹介します。

ですので、本内容はSMBのTransaction Sales向けとご理解ください。

追記:エンタープライズセールス向け記事を追加しています。
これを読めばエンタープライズ向けの営業も怖くないぞ!!
っていう話。壁3つ編

:https://note.mu/dj141/n/n6e3b03f6f90e

エンタープライズセールスがやるべき5つのことを
“超”具体的に説明します!というnote

:https://note.mu/dj141/n/na3b3a83a7729

まずはフェーズの理解

Salesforce社内の商談管理で最も大切にされていることがあります。それはフェーズ管理です。
商談のフェーズ管理として、グローバル統一で8つに分けられており、

1.案件の見極め(インサイドセールスから案件をパスされた状態)
2.ビジネスゴール(及びそれに伴う課題)の確認
3.担当者との価値合意
4.決裁者との価値合意
5.最終交渉(価格やスケジュールの合意)
6.契約手続き
7.手続き不備(社内用のフェーズ)
8.受注!!

となっています。
画像は以下の通り

画像1

営業の案件管理においては、どこの企業も段階の管理をしているかと思いますが、Salesforce(及び外資系企業)において管理する際に徹底されていることがあります。
それは、フェーズ=顧客の意思決定状況の進み具合であり、自分たちが何をしたかではないとうことです。そのため、「見積もり提出中」というよくありそうなフェーズは存在しません。
仮にこれをSalesforceのフェーズに当てはめるとすると、5になりますが、明確に違うのは、「価格やスケジュールの合意」である点です。
自分たちが見積もりを出したことに何ら意味はなく、出した見積もりに対して価格合意をもらうことに意味があるということです。

営業の仕事はフェーズを進めること

フェーズ=顧客の意思決定状況の進み具合であるなら、営業のやるべき仕事は、フェーズを進めることになります。

ただ、Salesforce社内では高Activity=美徳とされる文化があるため、
それは本質じゃないなぁと思っていた私は資料でこんなことを書いた記憶があります。
(今だから言える本音を書くと、低Activityだった自己弁護も入っているんですが・・・w)

フェーズが進まない訪問、刺さらない提案書作成は全て無駄!!
☓訪問件数が多い
☓提案書を作っている
☓電話の回数が多い
☓メールを送っている
○フェーズが進む

つまり、フェーズを進める以外のことは全てムダ
逆に言えば、各フェーズで何をやればいいのか徹底的に突き詰めればムダを省けるということです。

フェーズ1(事前コール)で確認すること

このフェーズは、インサイドセールスがアポイントを取得し、フィールドセールスにパスを出した段階に当たります。
ここで私が徹底していたことは、実際のアポイント2営業日前までに事前コールを行うことです。
多くの営業は、事前コール=予定に変更ありませんか?レベルの確認だったり、インサイドセールスに任せたり、それこそ全くしていなかったりしていました。
ただし、私はここで商談の見極めを行っていました。

その根底にあるのは、「営業は全員バラ色メガネをかけている説」です。

多くのインサイドセールスはフィールドセールスに都合のいい情報+自分の想像を織り交ぜてパスをします。
もちろん、事実と想像をしっかりと分けてパスをくれる優秀な方や、「正直なんにも聞けてません!!」と正直者な方もいますが・・・

(ちなみに、フィールドセールスも営業マネージャに対して自分の都合のいい情報+自分のスーパーポジティブ想像を織り交ぜて報告をしてたりします・・・)

なので、バラ色メガネを外し、自分の目でしっかりと見極めをしたい!ということで、具体的に以下の質問をしていました。

・今回あってくれる理由
・具体的な検討か否か
・導入時期
・私に期待すること
・プロジェクタの有無

とはいえ、なかなか突っ込んだ質問が多く、どうやって質問すればいいのか・・・となってしまうので、具体的なトーク例をご紹介します。

フェーズ1のトーク例とポイントと本当に聞きたい内容

今回あってくれる理由
 →具体的な言い回し
「弊社の内勤営業から会ってくれって言っておいて恐縮なのですが、今回お時間をいただけたポイントってなんでしょうか?」
 →ポイント
会ってくれって言っておいて恐縮なのですが・・・という枕詞を入れておく。
本当に聞きたい内容
個人的興味アポorインサイドセールスが無理やり取ったアポor本気で追いかける案件の見極め
具体的な検討か否か
具体的な言い回し
「今回のご検討は○○さんが起案されるんでしょうか?それともプロジェクトチームとしての検討でしょうか?」
 →ポイント
いかにも具体的な検討でないと出てこないフレーズを差し込み、温度感を計る
 →本当に聞きたい内容
お客様が具体的な課題感を持っているか聞く。本気度が高い場合はこのタイミングで競合の情報まで確認ができる
私に期待すること
具体的な言い回し
「貴重なお時間をいただくため、お互い価値の有る時間にしたく、当日重点的に聞きたい部分があれば教えていただけますでしょうか?」
 →ポイント
重点的に聞きたい部分=お客様の意思決定の後押しとなるポイントである
 →本当に聞きたい内容
実は「プロダクト」「事例」「サポート」「会社自体(の財務的な体力)」の4点のどこかに集約されることが多いので、どこを当日厚めに話すかの材料を集めておく。
プロジェクタの有無
具体的な言い回し
「せっかくなのでディスカッションやデモをする際にスムーズにご対応したく、ホワイトボードとプロジェクタをお借りできませんでしょうか」
 →ポイント
すべては、お客様に快適に話を聞いていただくためである。
 →本当に聞きたい内容
SMBの企業でプロジェクタやモニタがない会社はそもそものIT投資意欲が低く、SaaSを買わない可能性が高いという見極めにもなる。

これは、本当に教えたくないのですが、、、せっかくなので書いてしまいます。

導入時期
具体的な言い回し
使い始めるとしたら、いつ頃のご予定でしょうか?」
 →ポイント
"使い始める"が魔法のワード。今後のフェーズでも強烈に効いてきます。ここで、営業が自らXXヶ月以内ですか?と数字を出してはいけません。 
 →本当に聞きたい内容
「できるだけ早く」とか「2年後」とかでもいいので、お客様の口からいってもらうことが大切

実はここまでヒアリングしても訪問前

そうです、ここまでヒアリングしても訪問前なのです。お客様とは会ったことなく、電話で話しただけの状態。
ただ、ここまでしっかりと確認ができると、次に取るべきアクションも見極めやすいですよね。
「今、営業が直接ご対応する温度感でない」と判断した場合は、セミナーをご案内したり、インサイドセールスへプッシュバックし、インサイドセールス側でナーチャリングをしたりします。

そして、営業自身が見極めた案件に対して、実際に訪問を行い、更にフェーズを進めていくことになります。

冒頭で少し触れていたストライクとボールの話に戻ると、
このフェーズ1を超えたものをストライクゾーン、このフェーズ1を超えなかったものをボールと表現しています。
ここでのふるい分けは非常に重要です。

よく営業の成約率が低い!!という声を聞いたりもしますが、もしかしたらボール球ばかりで成約率が低いかもしれませんよ。
KPIを取る際は、全投球に対する打率なのか、ストライクゾーンのみの打率なのか分けて考えることを強くオススメいたします。

次回予告:初回訪問時(フェーズ2)で聞くべきこと

実はここまでで商談7割が決まったと言っても過言ではありません。
次回しっかりと解説するので、ご期待ください!

※書きました!
Part2はコチラ!

余談

余談ではありますが、当時の私はストライクゾーンでも全く手を出していない領域がありました。
それはルートセールスです。

ルートセールスはSFAの醍醐味である案件管理を利用しないため、本質的な価値提案ができない上に、カスタマイズが多く発生します。
多数の企業のベストプラクティスであるSaaSに業務をFITさせる」という大前提に反しますし、これによって改修やその他システムとの連携に多大な影響を与えてしまうからです。

SFAに限らず、多くのSaaSにおいても同様のケースはたくさんあると思います。
頑張れば提案できる。しかし本質でない
このようなケースに直面した際に営業としてあるべき姿は、
事実を伝えた上で、最適解を自社ソリューションに限らず紹介することだと私は考えています。
なんでもできますという営業は1番信頼できないですし、できるできないを明確にする営業が信頼されると私は思っています。

全ての企業が正しく美しくSaaSを使う世の中になってほしいと本気で思っています。
なので、ユーザ側目線でベンダーをどうやって選定すればいいのかという視点でも今後記事を書いていこうと思っています。

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