エンタープライズセールスがやるべき5つのことを“超”具体的に説明します!というnote
今回は、エンタープライズ向けの営業がやるべき5つのことについて、どこよりも“超”具体的に説明します。
この“超”具体的がポイントです。
このnoteを読まれてる方の多くは、何かしらのセミナーに参加をされたことがあるかと思います。
そのセミナーで受講した内容はすごく論理建てられた一般論で、説得力があると感じる。
ただ、次の日から実践してみよう!と思ったときに、実は具体性がないから、日常業務に活かせない・・・なんて経験お持ちじゃないですか?
(僕は何回もあります・・・)
それでは意味が無いので、このnoteは、本当に私が実践したことだけ、
スーパー生々しく解説します。リアルかどうかが大切!
(ってT.Iも言ってました)
ちなみに私の自己紹介もよかったら読んでください~
(自己紹介はコチラ)
前回のおさらい
前回のnoteでは、営業の本質的な価値である、
・1分1秒でも早く
・1円でも高く
・確実に売る
ということと、
新たにエンタープライズセールスを始めるとぶつかる3つの壁
・アウトバウンド
・Champion
・複雑な意思決定プロセス
について解説をしています。
ポイントは5つだけ
今回のポイントは、3つの壁を乗り越えるために私が実践した5つのこと。
逆にこの5つのことを徹底すれば、「営業の本質的な価値」=「1分1秒でも早く、1円でも高く、確実に売る」ことができるという話です。
今日は先に結論を書いてしまいます。
これです。
ターゲティングし、アカウントプランを作り、お手紙送付をし、Championを確認。これを永遠ループしながら、意思決定プロセスを確認する。
ここまで非常に長い道のりです。
「道半ば、諦めた奴ら、ハード過ぎて箸投げた奴ら・・・」なんてことにならないように、とにかく、忍耐が重要です。
(このフレーズの意味分かった人は仲良くしましょうw)
では、これから具体的に1つずつ私がやったことを紹介していきます。
①ターゲティング
これは本当にシンプルな話で、
リストアップ×リサーチ
です。
リストアップについては、
営業として、やればやっただけリターンがあるところを探す。
また、前提として、
リターンとは
現時点での販売ポテンシャル(ACV)×将来的な販売ポテンシャル(LTV最大化)
をかけ合わせて考えていました。
サービスをユーザライセンスで提供しているなら従業員数とか、
決済手数料なら売上高とか、
そもそもお金を持ってる会社=時価総額の高い順とか、
自分にとってわかりやすい指標で企業をリストアップすることをオススメします。
ちなみに、Zuoraの場合はサブスクリプションでの売上という
どこにも出ていない指標なのでとてつもなく苦労をしました・・・
次にリサーチですが、日経新聞を目検で読んで探すなんて、絶対に抜け漏れが発生するのでオススメしません。
私がやっていたことは、本当にシンプルです。
文明の利器、Googleアラートを使うことです。
リストアップした企業名全てをGoogleアラートに設定すると、
毎日Google先生が自分宛てにニュースを集めてきてくれるので、それを読むだけです。
企業名はもちろん、自分にとって有益であるフレーズでもOKです。
こんな感じでGoogle先生が教えてくれるので、ここから得られる情報を確認する時間を必ず毎日取るようにしましょう。
常に顧客の動きと、自社を取り巻くニュースは常に最新状態になっている必要があります。ここ、サボっちゃダメですよ!!
②アカウントプラン
ここも、手を抜こうと思えばいくらでも抜けるし、
やろうと思えばどれだけでも時間をかけられます。
当然ながら、自分でやったらリターンがある企業としてターゲティングしているわけですから、手を抜くという選択肢はありませんよね?
ということで、具体的にやることとして、
・会社概要の整理
・公開情報の読み込み
・組織情報の確認と作成
です。
これらを誰が見てもわかるレベルで整理し、随時アップデートをし、
自分だけでなく、マネージャと毎週もしくは隔週でディスカッションをしていきます。
(これ、本気でシンドイです。)
会社概要の整理については、
・創業
・本社
・資本金
・役員一覧
はもちろんのこと、
・売上、利益の推移
・事業毎の売上比率と推移
・海外売上比率
など、わかる所まで徹底的に調べます。
※逆に、このくらいであればほとんどHPのIR情報のページに行けば載ってますが、ちゃんと調べて整理できていますか?
コツを掴めば、ものの10分もあれば、こんな感じの資料が出来上がります。
(これはトヨタ自動車の公開情報を元に5分くらいで作ってみました。)
次に、公開情報読み込みに入るのですが、ここで誰も教えてくれない真実を・・・
中期経営計画などで目指す方向性は、近い業種、近い規模の企業であればどこかしら、似ているということ。
もちろん全然違う戦略もありますが、
AIを活用した~~とか、
ストック型のビジネス比率を~~とか、
業界ごとにトレンドがあるわけです。
そして、サービスを提供する側も、貢献できる領域、価値はある程度決まっているということ。
もっと言うと、
・自分たちの貢献できる領域があり、
・顧客にとっての優先度がどのくらいか
ということを、
中期経営計画や決算報告資料などから読み取り、顧客が使っている言葉を具体的に使っていくわけです。
例えば、ソニーにZuoraとして提案をするとしたら、
「サブスクリプションと言わずに、リカーリングとメッセージする」。とか。
そしてそれらの優先順位が高ければ高いほど、一般論ではなく、具体的な施策まで落ちて記載をされています。
高くない場合は、その優先順位を上げる活動や、潜在ニーズを顕在化していく、いわば布教活動をしていかなければならないということです。
(これも忍耐が必要・・・)
そして、ある程度の情報がまとまってきたら、次へ進みます。
会社の組織図を作成をしてくのです。
会社名×人事異動で調べると必ず情報が出てきますので、見逃さず、しっかりと組織図を作成していきましょう。
こんな感じですかね?(ボカシてます)
そしてこの組織からChampionになりそうな人を想定し、
アウトバウンドのアプローチを開始していくのです。
③お手紙送付
私自身が、Salesforce時代に、アウトバウンドのインサイドセールスチームに所属していたこともあり、その時もアウトバウンドはお手紙でした。
ですので、高役職者へのアウトバウンドといえばお手紙!と言われるくらい定番のアプローチ方法です。
まず先にお伝えしておくと、正しいやり方を知っていれば、
アポイント率が30%くらいになりますし、
今の私はそのくらいのアポイント率です。
ですが、まず先にSalesforce流を解説します。
Salesforce流の手紙アプローチでは、過去に全く接点のない大企業の役員レベルとなると、
平均10%くらい、優秀な方で20%くらいくらいのアポイント率だったと思います。
ちなみに、Salesforceでは、文面はインサイドセールスがメインで考え、送付まで実行します。
Tipsとしては文章の最初に、
なぜ(Why)
あなたに(You)
今連絡しているのか(Now)
を記載し、読んだ瞬間に手紙の目的をわかりやすくする。
であったり、
・和紙の封書にする
・切手も限定ものにする
・筆ペンで宛先を書く
・差出人を高役職者にする
等のTipsを習いましたが、あくまでTipsなのです。
本質的な理解をすると、もっとアポイント率を上げることができます。
その上で実行すべき具体的なTipsは、
・送り先は社長
・文面にシステムと思われる文言を入れない
・手紙は2回送る
です。
本質的な理由まで書きたいところですが、本質からズレてTipsだけ語られてしまうことは避けたいので、気になる方はTwitterでDMでもいただければ、サンプルの文面とセットでお教えします。
Twitte:@DJ_141
→すいません!!!
オンラインでの公開は期間終了を致しましたので、なにかしら、オフラインでコンタクトを取ったことある方に公開を限定しております。
この文面、本当にめちゃくちゃシンプルですよー!!
このお手紙送付ですが、私は文面作成まで自分で実施し、
実際の電話アプローチは基本的にインサイドセールスに行ってもらっていました。
一部、「ここは自分でアプローチしよう」みたいなところは自分でアプローチもしたりしていました~。
そして、お手紙を送付し、無事にアポイントが取れたとしたら、
次に進みます~。
本質が分かってたらヒアリング方法云々ではなく、もっと確実にアポイントが取れますよ~。
④Champion
前回のnoteでChampionが大切!!と説明していましたが、
今日はもっと実践的です。
Championについては以下3つの流れがあります。
・候補を探す。
→組織図から探す
・確認する。
→本当にChampionか?
・強くする
→Strong Championにする!
まず、③で作成した組織図を元に探していきます。
組織の上の方から順に、
・効果が出ると1番喜ぶ人(P/L責任がある)
・最終意思決定者(EB)が信用している人
→技術的、ビジネス的にそれぞれ
・過去のプロジェクト責任者
など。
そして、実際にクオリフィケーションをしていきますが、こちらについては過去のnoteですでに解説済みです。
(全部つながってるので、小手先だけで営業ってできない。奥深いってことです。。。)
そして、最後に強くなってもらいます。
ここでおさらいですが、Championは最終意思決定者に影響力があり、
社内で営業の代わりに動いてくれる人。
となると、持ってもらうべき武器は明確ですね。
・他社の導入事例、ホワイトペーパーなどを渡す
・自分の(ハイレベルな)上司との面会
・他社のChampionとの面会
・自社の会議などで宣言してもらう
これらをすると、その方がChampionであれば、ものすごい勢いで社内営業をし、推進派の仲間を増やし、反対派がいれば、自ら説得をしてくれたりするのです。
ちなみに、自社サービスに肯定的なもののChampionでない場合はその方はCoachです。
その場合はまた②のアカウントプランに戻って、同じ事をやり直しする必要があります。
(結構ツライです・・・)
参考:Coach
自社サービスを気に入って、導入を進めたいものの、影響力がない方はCoachといいます。
このCoachも重要で、こういう方は誰がChampionか、その逆で反対派が誰か、社内での検討状況はどうなっているのか。
を知っていたりします。
このCoachは、自社サービスを気に入ってくれているので、導入に前向きであるため、様々な情報を教えてくれるので、ないがしろにしてはいけません。
ちなみに、②で作った組織図をCoachに見せたりすると、
「あ、ここはこうなってるよー。」とか、
「今度の組織変更でこうなるよー。」とか、
「○○本部のXXさんには会った?」とか様々な情報がでてくるので、
その情報を元に、組織図情報も随時Updateしていくことができます。
⑤意思決定のプロセス
無事に、Championまで価値を訴求し、実際にサービスを導入するという流れになった際、エンタープライズ企業の場合は、契約書を持っていってその場でサインしてもらえる。なんて可能性は限りなく0に近いです。
であれば、企業が意思決定をするプロセスを先に知っていれば、それに合わせてヒアリングができるじゃないか!という考えです。
(前回noteの続きです。)
ここまで明確に知っている人は世の中にほとんどいないと思います。
(ちなみに、僕はSalesforce時代にここまで教えてもらってないです。。。)
では、解説です。
実際にサービスを選定してから契約書に捺印が終わるまでに、
大きく3つのプロセスが入ります。
・選定プロセス
・承認プロセス
・発注プロセス
これを抑えておかないと、
「役員会は通化したのに今月発注書がもらえない!!」というお粗末な事が起きてしまいます。
(経験者の方、いらっしゃいますよね?安心してください、僕もですw)
では、具体的に何をしていくのか説明していきます。
・選定プロセス
→これは、そのプロジェクトの起案部署において、どのソリューションを選定するのか決めるプロセスです。
エンタープライズ企業においては、相見積もりを実施しないことのほうが稀です。
そのため、AとBとCを検討した結果、我々はAで行こうと思います!と上申資料の書いてもらうプロセスです。
(場合によっては、RFPを作成する更に上流まで入り込む場合もありますが、コンサルっぽくなるので、今回は割愛します。)
ちなみに、このプロセスはプロジェクトの主管部署で行われ、
オフィシャルな会議よりは、アンオフィシャルな会議で決定することが多いです。
・承認プロセス
→これは、選定プロセスを通過した議案に対して、役員会や、稟議審査委員会、企画書の稟議回覧など、会社として正式に承認を出すプロセスです。
そして、その場が合議なのか、多数決なのか、誰が参加するのか。をすべて確認しておく必要があります。
※このプロセスに営業が一緒に入って対応することができないのでChampionが必要。
逆に、顧客任せで結果だけ待っている営業は営業としてやるべきことを果たしていないとも言えます。
発注プロセス
無事、承認プロセスが終わったからといって、その場で契約書にサインを貰えるなんてことはなかなか無いです。
最終承認者と発注サインを書く人が違ったりもします。
この発注プロセスでは、具体的に契約書にサインが貰えるまでの道のりを確認する必要があります。
多くの場合、
・口座開設の書類
・与信調査
・取引諸条件の確認(支払い条件とか)
・IT部門によるセキュリティチェック
・環境への取組チェック
・法務による、契約書自体のレビュー
・購買部門からの発注
などがここに含まれます。
勘の良い方はにはお察し頂けたかと思いますが、
発注プロセスは、選定プロセス、承認プロセスと並行して、事前に進めておかないと、ここだけで数ヶ月かかってしまうこともザラにあるということです。
私が具体的にやったこと。
事前に選定、承認、発注プロセスを理解した上で、
顧客Championに今後の流れを質問をします。
すると、大枠の流れは教えてもらえるが、不明点が出てくるのです。
その際に、
「XXさんのお時間を取らさないために、この件のやり取りを誰としたら良いか教えてもらえませんか?」とし、Championが信頼するCoachを紹介してもらうのです。
そして、そのCoachと全てのプロセスを確認していき、
カレンダーまで落とし込み、
「XX月XX日、YY時に、○○さんが△△さんに稟議書類を持っていく」
「10月13日の14時に本社会議室にて、10人参加(参加者XX,XX・・・)」
まで記載をして行きます。
この出来上がったカレンダーで抜け漏れがないか、
そのスケジュールに対して、オンスケジュールか、遅れがないか、
デイリーレベルで、自分の窓口となるCoachと進捗確認をしていくのです。
実は、ここでCoachは私からの連絡に対して、非常に協力的な姿勢を取ってくれます。
なぜなら、
「Championから依頼されている仕事を、わかりやすく可視化してくれ、サポートをしてくれる人=営業」
の構図になっているからです。
このCoachは、営業が作ったカレンダーを元に、Championに対して進捗報告を行っているのですから・・・
ここまで確実に確認ができていたら、
そのカレンダーで予定されていたMM月DD日hh時きっかりに、あなたの手元に契約書が届いているはずなのです。
そう、契約書がいつ届くかな・・・なんてソワソワは、不明瞭な点があるから発生するだけです。
全て確認ができていたら、単なる必然でしかないと、この私が身を持って実感をしました。
最後に忍耐
ここまで、エンタープライズでやるべき事を色々書いてきましたが、
基本的には、①~④を延々とループするわけです。
となると、今までのように毎月契約をもらえるという感覚からすると、数字が上がっていないことに対して猛烈な焦りを感じるはずです。
これは悪循環のスタートです。
この精神状態に入ると、目の前のなんとなく取れそうな商談に目がくらみ、そちらにリソースを投下したり、
すぐに会いやすいChampion以外の人にたくさん訪問したりしがちです。
これ、無駄です。
無駄なことをするとどうでしょう、①~④を高い粒度で実行するには、頭も時間使うのに、
目の前の別の仕事を入れると、リソースが分散し、やるべきことに時間が取れなくなります。
結果、もっと数字が上がらなくなることは明白です。
なので、何より大切なことは忍耐。
「営業は根性じゃない。」
なんて言葉が今世に出回ったりもしてます。
ですが、あえていいましょう。
営業は楽な仕事ではありません。キツイ仕事です。
となると、それを乗り越える気持ちの持ち方、やりきる心は必要になると私は考えます。
ただし、前提としては、本質を理解し、正しい方法でやっているときに限られます。
そうでない場合は、ただの理不尽の可能性があります。
ちなみに、先輩やマネージャに散々言われて、心が折れそうな方、
それはあなたの心の問題じゃない可能性が多い。
なぜなら、あなたの先輩やマネージャは本質まで理解していない可能性が高いから。
そんな状況の人がいたら、いつでも相談乗りますのでお気軽にどうぞ~
「営業で心が折れそうなやつは、すぐ、俺に言え~~」
このフレーズが分かった人も仲良くしましょうww
最後に
ここまで色々書いてたことも、
今まで僕が人生で見てきた中で、史上最強の営業のある方に教えてもらったことが多大に含まれています。
本当に感謝しています。
もちろん、この方以外にも営業として影響を受けた方も多くいらっしゃるので、近い内に、私が影響を受けた営業列伝的なので紹介をして行きます。
また、これらの事を実現するために、マーケの方、インサイドの方、プリセールスのエンジニアさん、アフター工程で入ってくださるインプリやカスタマーサクセス部隊の方、多くの方に感謝をしています。
つまりは、営業の仕事って一人でできないってことです。
Salesforceの前日本法人社長で、
Zuora Japanでは顧問をしてくださっていた方の言葉で締めさせてください。
(実は僕は期間かぶってないんですが・・・w)
「一人で勝つな、一人で負けるな。」
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