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金曜夜10時、好きな番組

金曜の夜10時からの時間が好きだ。

まさしくそこはNHKの「ドラマ10」と「ドキュメント72時間」の放送時間。

当たり前のように毎週観ているのだが、この間の放送をビールを飲みながら見ていると、じんわり感極まり泣きそうになってしまったので、文字にしてみる。​
(そういえば最近年のせいか涙もろい気がする。まだ二十歳だけど。)

ドラマ10

ドラマ10は10時からの1時間ドラマ枠で、現在は芳根京子さん主演の『半径5メートル』をやっている。
先週第2話を終えたところだが、しっかりハマってしまった。

ここのドラマ(最早NHKドラマの多くに言えることかもしれない)は、切り口が新鮮で、型にはまらない面白さがある。テーマはごく一般的なものから、社会問題の様な議論の難しいものまで幅広い。
こう言うと堅苦しいように聞こえるが、決してそんなことはない。

例えば2018年に放送された、志尊淳さん主演の『女子的生活』。

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性別は男性なんだけど見た目はスラリと美しいOL、けれども男には興味が無くて好きになるのは女性・・・なOLを、志尊さんが演じる・・・
なんとも複雑な状況なのだが、そこが斬新で面白い。
高校生の時、たまたま1話をみたのがきっかけでハマってしまった。

他にも面白かったドラマは挙げ始めるときりが無い・・・
だけど心に残るドラマの主人公はいつも、世間との馴染めなさを何かしら抱えているような気がする。

最近は考え方も、生き方も、ジェンダーにも多様さが広がってきてはいるけれど、意識だけではどうにも切り抜けられない状況がまだまだ多い。
そういうのはたいてい地盤のように固い社会の仕組みとか呪文に近い一般論が邪魔してて、何かしたからすぐ変わる様なものじゃない。
そんな難しい問題をドラマは「あるある」風に描き、クスッと笑わせてくれる。
問題に対して全否定も全肯定するんじゃなくて、ゆるく・上手に受け入れて付き合っていこうよ、といつも言っているような感じがするのだ。

ドキュメント72時間

『ドキュメント72時間』は、各回決まった場所で72時間、つまり3日間撮影をしたドキュメンタリーだ。
撮影場所は老舗の飲食店から高速道路のサービスエリア、地下アイドルのスタジオまでなんでも。先週は銀座のおつまみ専門店だった。

インタビューされるのは、ごくごく一般の「普通の」人ばかり。
だけど話を聞けば、自分の人生で全く関わりの無い世界で生きてきた人や、見た目からは想像もできない経験をしてきたような人が時たま登場する。
前者も後者も全てひっくるめて、「普通の」人の話はなぜだか面白い。

例えば、行きつけの定食屋に何気なく来た普通の人。
撮影スタッフの「よく食べに来られるんですか?」という簡単な一言から「先日の健康診断の結果が悪かった」だとか「単身赴任で手作り料理のありがたさを感じる」とか「娘の保育園の運動会があった」云々、話が広がっていく。多分その人からすれば、聞かれたから何の気なしに答えただけのことで、面白いと思ってした話ではないのかもしれない。むしろ大抵がそうだろう。

だけどこの先きっとすれ違うことさえ無いであろう人の人生を、ちょろっと覗かせてもらうことで、心なしか気持ちはほころび、少しだけ豊かになれる気がする。
皆色々と大変で自分だけじゃないんだな、とか。
自分も明日あそこの定食屋行ってみようかな、久しぶりにあの人に電話してみようかな、とか。

この世界もまだ捨てたもんじゃない

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金曜の22時から始まるこの二番組は、平日の終わりの夜に寄り添ってくれるような優しさがある。
迷いも、不安も、不満も、まぁなんとかなるでしょ、と。
やるべきことは山積みで生き急いでしまうし、人間関係はいつまでも難しくて、反吐が出る程嫌なことはあるけれど、まぁきっとうまくいくし、いいこともあるでしょ、といってくれてるように感じる。
そして少し大袈裟だけど、この世界も捨てたもんじゃないなと思わせてくれるそんな暖かさがある。


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