204 暦
はじめに
暦を用いた算数や数学の問題に時々ですが出会うことがあります。知っていればわかるのに知らないと解けないこの問題が私は嫌いです。皆さんは、いかがでしょうか。何を知っていないといけないのか、今日の教育コラムでは、知っておくと便利な点について少しお話してみたいと思います。
30or31or28
まずは、その月の日数が30日と31日の月が決まっていることから説明します。各月の日数は、基本的には決まっていて変化しません。しかし、例外があります。それが、閏年で変わる2月です。この例外が意外と問題に用いられることがありますので、別の項で閏年の見分け方も含めてお話ししたいと思います。
■31日まである月 1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月
■30日まである月 4月、6月、9月、11月
■28日or29日(閏年) 2月
閏年の計算
私たちが用いている暦は、グレゴリオ暦法というものです。世界中で用いています。しかし、地球が太陽の回りを一周するためには、約365.24219日間かかります。
365日ちょうどではないのです。そこで、この誤差を修正するためにグレゴリオ暦では、1年の平均的な日数が、この日数に近くなるように閏年をもちいて修正しているのです。
グレゴリオ暦法での1年の平均日数は、365.2425日と実際の1年の日数を比べると約0.00031日程度の差があります。ですから、いくら修正しても数千年程度で1日のずれは出てしまいます。
では、そんな閏年の計算の方法をお話ししましょう。この話はとても有名ですから知っている人も多いので、ごく簡単にやり方だけ説明しましょう。
■閏年の判断方法
基本は、4で割り切れる年となります。しかし、西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年とするという決まりもありますので注意が必要です。例えば、 2004年、2008年、2012年は4で割り切れるので閏年となるわけです。
しかし、2100年、2200年、2300年は4と100で割り切れますがが、400で割り切れないので平年となります。注意が必要なのは2400年や2800年などですが、この場合は4と100で割り切れて400でも割り切れるので閏年となります。当分発生しませんので今回はあまり深く考えないようにします。
ということで、来年は2024年なので、4で割り切れますので閏年ということになります。つまり来年の2月は29日まであるわけです。今年の入試にカレンダーの問題が出そうな気がするのは、気のせいでしょうか。
落ち着いて書き出して整理
「2023年の1月10日は火曜日でした。では2023年の4月11日は何曜日でしょう?」という問題が中学受験で出題された時に注意すべき点をいくつか述べます。まず、解き方のイメージとして、何日間あるかを書き出します。
各月ごとの日数を知っていれば大丈夫ですが、最初の指定された日を1日と考えますので例えば1月10日がから1月31日まででしたら、22日間になります。ここが注意です。2月が閏年のため28日、3月が31日、4月は4月10日までですので、10日間となります。
合計の日数が、22日+28日+31日+11日=92日間となります。
次に、1週間が7日間ですから7で割ります。92÷7=13あまり1となります。
そして、始まりの1月10日の火曜日から順に曜日を書き出します。
(火),(水),(木),(金),(土),(日),(月)といった順です。余りが1なので、1番目の火曜日と考えられ、4月11日は(火)となるはずです。
まとめ
カレンダーで何曜日なのかなんて、スマホで見れば一発でわかりますし、計算している方が時間がかかります。しかし、この問題は暦という人類が古代に発見した数学的な思考をどの程度理解しているのかを見る問題と考えれば、解決する力を身に付けることにも意味が生じます。
また、解決には論理的な思考や整理して正確に計算するという数学的な処理能力を必要とします。つまり、数学への理解の一端を見抜くことができる問題の一つであるということも言えるのです。
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