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247 嘘と真実


はじめに

新しい年を迎えて、1日には能登半島で地震、2日には羽田空港にて航空機の爆発事故と、新しい年というのに祝う暇もなく大きな災害と事故が重なっています。
今日のコラムでは、嘘と真実と題して少しお話してみたいと思います。

災害を利用したディープフェイク

近年、大地震が発生するたびに日本では、大変悲しい現象が生じます。それが、フェイクニュースです。このフェイクニュースはほんの一握りではない、その量は計り知れない数となっています。
石川県能登半島で発生した地震についても、ソーシャルメディアを用いて多くのフェイクニュースが流布されているのです。例えば、東日本大震災の津波の映像や画像を生成AIを用いて、加工して組み合わせたフェイク映像などはその一部です。
また、地震発生の原因についても地震兵器が使われたであるとか、人工地震ではないかなどといった陰謀論なども飛び交っているほどです。こうした不安をビジネスにするような風潮が年々拡大していっています。
日本気象庁は2日、「地震兵器というものは存在していない。誤った情報に惑わされず、気象庁の発表する情報に留意してほしい。」と呼びかけるなどの対応を取らされるなど被災地の救援活動や地震への対応にも影響が及んでいます。他にも悪質な救助要請を入れたSNSが流布され、警察の摘発を受けています。さらには、地震被害を悪用して募金や寄付金を集めるといった詐欺行為もすでに確認されているとのことです。
100年前の関東大震災でも、デマに踊らされた愚かな人間がいました。当時のデマは、「朝鮮人が井戸に毒をまいて略奪を繰り返している。」というデマでした。これに惑わされた自警団が朝鮮人を虐殺したという、黒い歴史を私たち日本人は背負っています。

理不尽であれ真実と向き合う中で立ち向かう

社会は、理不尽にあふれています。企業献金を一方で禁じながら、パーティー券を売りさばき、利益率90%越えの商売で私腹を肥やす政治家に代表されるように、嘘にあふれているのです。
芸能界においても数十年に及ぶ嘘にまみれた事実が明らかになり、時代を代表する芸能事務所がその歴史に幕を降ろすこととなりました。
理不尽であっても、真実と向き合うことの大切さは、近い将来さらに重要になってくると私は考えます。
今は、大多数の老人たちが大多数の老人の国会議員を選ぶこの国家であり、まだまだ昭和的な人権感覚であるとか、長いものに巻かれろ的な思考や人と違うことに抵抗感の強い価値観が色濃く社会に残っています。
しかし、次第に社会はクリーンで透明な構造に移行していきます。デジタル化やマイナンバーの普及などはそうした「見える化」を加速させる要素の一つだと言えます。
努力したことや自分の価値が正当に評価される世の中とは、裏も表もある社会ではなく、表と表しかない世の中が必要なのです。

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