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174 悔しさをばねに


はじめに

人はだれしも失敗をします。そして、その心もちの中で決意するのです。
次こそは、次こそは、という心境の中で自分の力が高まっていることに気づくはずですし、次第にその行動のなかに乗り越えた経験が上書きされていくと自信につながっていきます。
そんな経験の大切さについて今日の教育コラムでは、お話してみたいと思います。

世紀の大失敗

社会科の学習では、人物の歴史に焦点を当てて学習することがあります。しかし、その当て方は年表に沿って業績をまとめていく又は、最も輝かしい偉業について暗記するといったものが中心です。
しかし、成功の陰にどんな苦悩があったのかを学ぶことは、まさに歴史に学ぶ瞬間なのです。物事は、成功から始まり成功に終わることはかなり少数派であるということを歴史は本来物語っています。苦労を美談にそして輝かしい業績を有名な人物ひとりの手柄のように書かれている教科書からは、苦悩や努力はなかなか読み取れません。
そこで次のような本をたまには手にしてみてはどうでしょうか。雲の上の存在のような偉人たちの成功や業績は、私たちの失敗と同様かそれ以上にすさまじいものがあるということに気づくことができます。

『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』(大野正人著、文響社刊)


ケンタッキー・フライドチキン

日本でもおなじみの、フライドチキンと言えば、カーネル・サンダースの自慢のレシピで多くの人々が口にしたことのあるケンタッキー・フライドチキンです。
彼は、65歳の時にレストランを経営していました。とても繁盛していたお店でした。店の近くに近くに大きな迂回路ができたせいで、店の前を通る客足が減少してしまいました。その影響で彼の店は何と閉店することになったのです。つまり、一度は店をつぶしているのです。
その後、カーネル・サンダースは、人気メニューだったフライドチキンを主軸にフランチャイズ事業を始めました。しかし、始めたばかりはうまくいかず、移動販売をしていたほどです。自動車で売り歩きながら時には車中泊もしたほどです。苦しい経営状態の中で彼は節約をしながらも自慢のレシピを信じてフライドチキンを売り歩きました。
その先にあったのは、今こうして私たちが日本でも食することのできるほどのフランチャイズ経営の成功でした。今回は紹介しきれませんが、カーネル・サンダースは失敗も苦労も我慢して乗り越えただけではなく、そうした過程を楽しみながら自分を信じて歩んでいった点が我々に勇気を与えてくれます。

トライアル・アンド・エラー

失敗を恐れずに挑戦することは、学びの源泉です。
しかし、試行錯誤の試行の質が大切です。何もやらずにやってみることとは別です。無謀ではなく試行は、努力や思考の過程の中で今の自分を試したり、考えの是非を問うたりすることを意味します。
受験でも定期試験でもそうですが、合格という名の成功への道のりは決して簡単ではありません。しかし、数多くの問題を試行錯誤を伴うものです。日々の努力を含め学びは様々な試行錯誤を必要とします。そうしたものを通じて、私たちは初めて新たな知識や理解を得るのです。

失敗は決して否定的なものではなく、逆に学びの源泉であるということを常に念頭に置きながら、定期試験や模試の結果を見返し、次の学びへとつなげていきましょう。

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