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支援について同僚に相談したら、視点とアイデアに溢れていた話

私が学習支援を担当するAくんとのある授業。それまで楽しそうに学習をしていたのに、急に元気がなくなってしまったことがありました。

「どうしたの?今日はここまでにする?」との問いに、うなずき、明らかにしゅんとしたまま帰るAくんの様子を見て、自分の対応がこれでよかったのか?と、少しもやもやしてしまいました。

Aくんは前任のスタッフから担当を引き継いで間もない生徒さんです。関係性を構築する過程にある中で、私自身もAくんについてまだまだ知りたい状況にありました。

このときの様子が気になり、Aくんが帰ったあとに教室の他の職員とも話をしました。話すことで、こういうこともあるよねと一時は思えたのですが、この出来事から数日間が経過しても引っかかるものがありました。 ちょうどそんな折に、支援のお話をしようの会(※)がありました。

※『支援のおはなしをしようの会』 とは、事例検討会と教室勉強会の間くらいの会。これまでに職員がやってきた支援を共有し、教室の垣根を越えて職員同士が知り合っていく場。お互いの専門性などを知るきっかけにもなる。

支援の工夫について、他の教室の職員の意見を聞くチャンスだと思い、気になっていたAくんの例を皆さんに尋ねてみました。そこで出たお話は、どれも参考になり目からうろこでした。

様々あった中でも、「目(目線)を見る」「非言語から伝わってくるものもある」というのは、良い気づきになりました。私は、Aくんからの言葉によっては説明されない状況や、自分の対応にもやもやしていたけれど、あの時、Aくんがどんな目をしていたのか、何を見ていたのか、様子から訴えていたことはなかったのか、これらのことを、あまり思い出せませんでした。

思いを言葉にするって大人でも難しい

自分の思っていることを言葉にすることは、大人の私たちでも難しいと思うことがあります。

「この伝え方で大丈夫だろうか?」「上手く伝わらなかったらどうしよう」「このもやもやした気持ちをどう表現したらいいか、わからない…」
私も、大学卒業後に働いていた会社で、自身が悩んでいた時期があったことを思い出しました。仕事ができ、かついつも忙しい上司に話しかける時、言いたいことを確認して、言う順番を決めて、話しかけるタイミングを見計らう。そこまで気にしなくてもいいかもしれないことを、不安になって気にしてしまうタイプでした。

当時の上司はそんな私を見て、時々何でもないことで話しかけてくれました。私が何も言わなくても、私の態度から「元気がなさそう」だと感じていたと、後々話してくださいました。

もしかしたらAくんは、何か不安なことがあったり、担当が変わったばかりでまだ慣れない相手にどう話していいかがわからなかったのかもしれない。または、言語化するのが難しかったり、単に話したくない気分だったのかもしれない。そんな風に、いろんなパターンが考えられることに思い至りました。

他の支援者に聞いてみることの大切さ

支援のお話をしようの会では、その他にも、生徒が気持ちを開示しやすいように、気持ちの表情がわかるイラストカードを使って選択してもらう、○○な気持ちになったときはホワイトボードに書いた絵をコンコンと鳴らして合図をしてもらう、など生徒一人ひとりに合わせた工夫を共有しあいました。

困ったときにこのように話せる人がたくさんいるのは、とても心強いと感じました。

その後、授業で生徒と向き合うときは、その子が発する言葉だけでなく、目線や態度もよく見るようになりました。今回のように、少し立ち止まって、他の人の意見を聴くことができたのはちょっとしたブレイクスルーになりました。

コンディションは日によって違うのは当然で、その背景にはどんなことや気持ちがあったのか、話してもらうだけでなく、その子の非言語的コミュニケーションからも配慮できるように、丁寧に関わっていきたいと改めて思いました。

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