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NPO職員2年目の僕が、3週間で中止になったプロジェクトから学んだこと

こんにちは。noteに登場するのは3度目、わっさんです!

入職2年目にして、人生初のプロジェクトマネジメントというものをすることになりました。

なったのですが…、そのプロジェクト、3週間でおじゃんになってしまいました。

しかし決して無駄な3週間ではなく、短い期間のなかにも学びがたくさんありました。そんな3週間のできごとと、そこから私が得た学びについてお話ししたいと思います。

事業部の課題を洗い出せ!

はじまりは、4月末に行われた事業部合宿でした。

ダイバーシティ工房の学習支援事業部のメンバーが一堂に会し、今年度の事業計画について話しました。
※「合宿」という名前ですが、どこかに泊まるわけではなく、オンライン上で7時間ほどを使って実施しました。(コロナ禍以前は、本当に泊りがけのイベントでした)

その事業部合宿のなかで行われたのが、「課題洗い出し」というグループワーク。事前の宿題として、マネージャー陣が掲げた4つのテーマについて、現場職員各々が感じている課題をJamboardに「ふせん」で挙げていきました。

当日は、各テーマに関心のあるメンバー同士でグループになって、さらに具体的な課題を検討しました。最終的には、プロジェクトとしてチームを立ち上げ、その課題を解決していくことがゴールです。

その4つのテーマとは、
①授業コマの稼働率維持
②入会時面談・アセスメント
③個別支援計画・モニタリング報告書

そして…
④その他(!?)

「④その他」だけダントツで抽象的なテーマなのですが、「なんかその方がおもしろそう」と感じた私は、このグループに参加しました。

みんなのふせんを見て、メンバーが注目したのがこれ。

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教室運営において何をしないといけないのかが分かっているようで分かっていない。→決まっていない?

4月から新入職員もいるし、新しく教室長になった人もいる。だったらこれを機に解決したほうがよいのでは?

ということで、グループで検討した結果、

教室運営に必要な業務が明文化・一覧化されたハンドブックを作成しよう!

ということになりました。

※教室…ダイバーシティ工房の学習支援事業部が運営する放課後等デイサービス事業所「スタジオplus₊」「地域の学び舎『プラット』」の各拠点のこと

プロジェクトチーム発足&プロマネに就任!

事業部合宿の数日後、同じメンバーで集まり、「ハンドブック2021プロジェクト」としてプロジェクトを立ち上げることを決めました。さらに、私はここで人生初のプロジェクト・マネージャー(以下プロマネ)をすることになりました。

正直なところ、はじめはプロマネを務めることにためらいがありました。なぜなら、リーダーのような役割に苦手意識があったからです。

中学生~大学生のころは、学級委員とか部活の部長をやったこともありましたが、うまくできた手応えはあまり感じたことがありませんでした。どちらかというと、副部長とか副リーダーみたいな「リーダーを支える役割」のほうが得意だった気がします。

じゃあ、どうしてプロマネをやることにしたのか。

「挑戦する前から”性に合わないからやらない”と逃げるのはやめよう。必要なときに自分の殻を破れるようになりたい!」と思ったからです。

このまま逃げ続けることもできる。だけど、やってみたら意外にできるかもしれない。挑戦しないとしないと得られない学びもきっとあるはず。

チームでプロジェクト計画書づくり

最初は、プロジェクト計画書の作成に取りかかりました。プロジェクトの背景・目的・成果などを具体的な言葉にしていくのですが、これが難しい…。

というのも、チームメンバーはもとより、プロジェクトに携わる人全てが、一様にその意味を理解し、かつ納得してくれるように書かなければならないのです。

また、このとき私が一番気を付けなければならないと考えていたのは、「ハンドブックを作ること自体が目的にならないようにすること」でした。

何かを作成するタイプのプロジェクトでは、ついその作業に集中してしまい、「なんでコレ作ってたんだっけ?」となることも珍しくありません。なので、「何のためにハンドブックを作るのか」「作ったハンドブックをどうやって活用してもらうのか」をちゃんと議題にしたいと思いました。

そこでまず、プロジェクトの背景となる課題を確認しました。

課題:教室運営に必要な業務が明文化・一覧化されていないため、各教室で認識が異なるのではないか。

さらにここから、「各教室で認識が異なる」ことよる弊害についても話し合いました。

「何が分からないかが分からないと質問もできない。質問しても人によって答えが違ったり、対応が決まってないこともあったりして困った。」

「教室業務としてやることやそのスケジュールが、各々の頭にあるのではなくてモノとしてあった方が確認しやすい。新教室を作ろうというときにも便利。」

「教室ごとの文化があるのであれば、明文化されたものがあると、引き継ぎもしやすい。」

こうした議論を経て、最終的にプロジェクトの目的(成し遂げたいこと)を以下のように構えました。

職員全員が教室運営業務を把握し、拠点をまたいでも共通の認識を持つことで見通しを持って教室運営に臨むことができる。

そのために、教室運営に必要な業務が網羅されたハンドブックを作成し、
新人研修や各教室で実際に活用してもらう。

PM会議での鋭いツッコミ

数日後、事業部のマネージャー陣や他のプロジェクトのマネージャーが集まるPM会議が開かれました。各プロジェクトの計画書を発表し、プロジェクトの今後の進め方や、進めるうえでの疑問や課題をみんなで確認しました。

初のPM会議、緊張しました。心の中で自分にこう言い聞かせます。
「大丈夫、チームのみんなといっしょに考えて計画書作ったんだから…!」するとこんなご指摘をいただきました。

「”見通しを持てる”ってどんな状態を指しているの?」
「ハンドブックを手段として選んだのはなぜ?他に手段はない?」

私はそれに対して説得力のある返答ができませんでした。特に2つ目の指摘については、「初歩的ながら大事なポイントを議論できていなかった…」と自分の未熟さを痛感しました。

緊急!ロジック整理!

PM会議のあと、会議でもらった指摘をすぐにチームに共有し緊急で会議を開くことにしました。

論点はこの2つです。
・解決したい課題は何なのか。本当にそれは解決するべき課題なのか。
・課題解決のためには、どんな手段が適切なのか。

代表の不破からのアドバイスを受け、事前に私がロジックツリーを作成し、当日それに対してメンバーから意見をもらいながら課題を整理する、という形を取りました。

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よくよく議論を進めていくと、「質問しても人によって答えが違う、対応が決まってない」という問題は、特殊な状況に起因していたことが分かってきました。

昨年度は、コロナ禍において変則的な対応が発生したり、職員の欠員が起きた教室へ他教室からヘルプが入るなど、イレギュラーな要素があったのです。

また、「手段としてハンドブックは適切か」という点については、

日々の業務で質問したいことがあったとき、誰に聞けばいいか・何を参照すればいいかなどは、入職から半年~1年ほど勤務する中で分かっていくことで、ハンドブックを作る理由はないのでは?

という答えに行きつきました。

話をまとめると、以下のようになります。
①当初挙げていた課題は、特殊な状況によるもの(=ダイバーシティ工房全体で起きている課題ではない)
②運営業務を明らかにすることは、緊急の課題ではない

今回事業部で動かしている諸プロジェクトは、事業部レベルの課題を解決することが目的です。上記の2点から私は、ハンドブックの作成はプロジェクトの趣旨にそぐわないと判断し、「ハンドブック2021プロジェクト」を中止することを決めました。

まとめ 3週間の学び

こうして、私の人生初のプロジェクト・マネジメントは3週間で幕を閉じました。自分の未熟さやプロジェクトというものの難しさを体感し、悔しい気持ちになりました。しかしそれ以上に、この経験から得られた学びは大きかったと思います。

3週間の学び
・目的や課題は、みんなが理解し納得できるような、具体的な言葉で書く。
・本当に解決するべき課題を見つけることが重要。普段から問題や違和感を意識的にキャッチすることが不可欠。
・目的と手段の整合性を明らかにして初めて作業がスタートできる。

プロジェクトの中止そのものは、メンバーと議論して出した建設的な結論だったので後悔はありませんでした。(そう思えるまで議論ができたのはダイバーシティ工房の良いところだと思います)

むしろ3週間という短い期間でも得られた学びの数々は、あのとき「挑戦しよう!」と決断したからこその収穫ですし、今後またプロジェクトを担当する機会ができたときには必ず役に立つことでしょう。

そのうえこの経験が、私の大好きな「文章を書く」を実現できるnote執筆という仕事につながったのも嬉しかったです。

プロジェクトチームのその後

その後、「ハンドブック2021プロジェクト」のメンバーは、他のプロジェクトに参加したり、新たなプロジェクトを始めたりしています。

実は、ダイバーシティ工房の様子を発信するこのnoteも、「組織づくりnoteプロジェクト」という新たなプロジェクトの一環なのです。

今後も発信を続けていく予定なので、どうぞお楽しみに!


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