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「相手をコントロールしたくなるときがある、でも...」

※月1〜2回、不定期でコラムを投稿しております。
※こちらのコラムは私の主観です。全医療者や医師の意見として受け取らないようにご注意願います。

こんにちは。
全女性にとっての心の拠り所を目指す産婦人科医。
どうも、さいこうです!

今回は、
誰もが一度は感じたことがある感覚に対して
心境の変化があったのでまとめてみました😊

それではどうぞ。

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日々の診療をしていて、
患者をコントロールしようとしていることに、
ふと気づく瞬間がある。

禁煙してほしい。
血圧が高ければ食生活や運動習慣を改善してほしい。

入院して病態が改善するなら入院加療を受けてほしいし、
定期的な通院で健康が保たれると信じているから定期通院してほしい。

けれども、この提案を患者が望まないこともある。
たとえ医師がどれだけ細かく丁寧に説明したと思っていても。

こんなとき、私は

「何でここまで説明しているのに◯◯さんは分かってくれないんだ」

という気持ちになっていた。

仕事に慣れるほど、
自分の知識や経験が増えるほど、

このような考えを抱くことが多くなった。

そんなある日、指導医から次のことを言われた。

『医者が患者の生活を変えるなんて、到底無理な話だよ。患者の人生は医者が考えているよりずっと長くて深い。医者とか病院ってのは、あくまでも患者にとっての一部でしかないんだよ。』

私は無意識のうちに医者という立場に自惚れていた。
患者に強い影響を与えているのだと思い込んでいた。

「医者は、患者の人生の一部でしかない。」

この事実は、わたしの目を覚まさせた。

人は、自分が世界の中心だと無意識に考えてしまうものである。

でも、

“自分という存在は、相手の人生の一部でしかない”

相手の行動をコントロールしたくなったり、
自分の思い通りにならないことに苛立ちを覚えた時は、

この言葉を思い出したい。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

来月の投稿もお楽しみに。

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