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2020年7月の記事一覧
05_Secret_Collapse
「君」の目覚め すぐに気が付く自分
君さえいなければ、どれだけ空虚な生を繰り返していたことだろう?
きっと誰も求めず、誰からも好かれようなどと考えはせず、
薄暗い、窓のない小さな部屋で永遠と過ごしていたいと思っただろう。
ここは彼女の構築したセキュリティ・エリア
時おり外敵は発生するが、それでも居心地は悪くない
ここは彼女の構築したセキュリティ・エリア
時おり外敵は発生するが、それでも居
01_Fly_Out_Lost_Prototype
熱病の夜、がらんどうの嵐を一直線に駆け抜ける。
今夜は荒れると噂する風たちはいうが、幸運なことに雨はまだ見えない。残り少ない熱を惜しまず吹かす・・・早く安全圏へ逃げ込まなきゃ。
日が落ちた後もなお湿度は高く、天が蓋をして地上を密室にしたかの様。そのドームを熱風が掛け、逃げる僕の背を追い越して彼方へと向かってゆく。
空しい僕らにとり、歓迎すべき熱ではない。今のひと吹きで道端を横たわる同胞が一体、躰
07_暴風、錯乱の雨
何が起こっているのか、そのアクシデントの主体であり張本人であり加害者である僕にも、そしてそれが何故起こったかについても、わからない。目の前に確かにある光景、僕によって四肢を剥奪され、翅を散らされ、荒れ狂う僕と真反対、静かに霧雨を流す紺色。
どうして僕はこんなにも怒っているのだろう?どうして僕は彼女に怒っているのだろう?どうして僕は、真っ当に怒りを晴らさず、対象を歪めてしまっているのだろう?…