02_Ally_of_Fragmented_Wings

タイトル:継翅連合/Ally_of_Fragmented_Wings
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キャプション
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継翅連合とは;
飛ぶことのできる者たちのうち_
何らかの身体的・精神的欠陥を_
人災・天災その他により被った_
あるいは生れ以て体得した_
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羽翅
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のことを指す/連帯意識は;程々_
互いに近すぎず_遠すぎず_緩慢_
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目的は、憎悪対象への相互支援。
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主たる題目として、
人類文明の繁栄支援とそれの
崩壊or衰退支援が挙げられる。
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生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し
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空海_秘蔵宝鑰_序
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5ーA
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木枯らしの吹く夕、何も無い・・・そよ風の中をよろよろと駆け抜ける。
「今夜は安泰」と微笑み合う風たちは言うが、不幸なことに、
災厄の芽は僕の運搬物の中で確かに胎動し始めている。
手遅れになる前に、落ち着ける場所を探そう。飛んでる途中に暴れられては敵わない。
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日が落ちると寒気が忍び寄り、天が窓を開け、星々と地上と、その隙間と、を接続させたかの様。
密室だった世界を涼風が突き刺し、逃げる僕の躰を確実に損耗させてゆく。
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弱く儚い僕らにとり、歓迎すべき冷ではない。今の一吹きで、永遠に朝を迎えぬ同胞が一体、
今生に見限りを付けて墜ちていった。僕も他者ごとでなく、両腕に抱えるこの子を確保しながら、
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移ろ気な風たちの悪戯。下手をすると死、ゲームオーバー。になりかねない。
何より寒い。急ごう。
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***
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「お疲れさま。自分」ぽすん。
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ガタガタおんぼろのブースターを吹かし誤魔化し、済んでのところで降下地点に降り立った。
手ごろな樹上、紅くなる葉が柔らかなサイン。
(この辺描写もっと書く)
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どうにも今回の躰は出力が弱いらしい。
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彼女一匹を抱えて飛ぶことくらいは可能なのだが、
なんだかこう、果てしない不安を感じる。
こんな状態で、外敵に狙われやしないか---
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「はあっくしょん!!!」
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腕の中で盛大にくしゃみをブチ撒ける生命が一体。ここに。
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僕の正面を向いているので、正確には
僕目掛けて、、台風並みのくさい衝撃が
僕の顔面を直撃したことになる。
ふざけんな!!
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「グジャミするときは別の方向を向きなざい、ゾウ教えただろう」
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「あは、」
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液体と湿度による濁点の混入。…何度言っても馬耳東風。
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枯葉色の長髪、紅い瞳、硝子細工の青白い胴体、
ひしゃげた右腕、萎びた翼---
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違う、今回は翼、大丈夫だったのだ。
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「あなたにがちって掴まれて、どこむいていいか、よくわかんnaいから~~~」
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そういう彼女は、代わりに今回
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全盲
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に近く、使える左腕と存在しない右腕、
の代わりの・・・右肩?をパタパタ振り回し、濁った瞳でぼうやりと僕の胴体を捜索する。
ばたばた、ぱたぱた。
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ザリザリ、ザリ。彼女の代わりに探す数百の眼たち。
眼だけでなし、音、におい、俺を嗅ぎまわってる。
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ぱた。見つけたようだ、ヒュー...「あ~~居たア~~」どん!「っ痛あ!!!」
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ケガした翼と有り余る熱量排気とで、
僕にすてみタックルめちゃくちゃ
痛いんだよな!!これ!!!
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満身創痍。肋骨が逝った音がする。
「・・・それもやめろって言ってんだろ」
満面の笑み、何も通じない、虚無。
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「えー、らってえ~~」
すりすり、と求愛行動をとる、
はしたない。
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おまけにすごい臭いぞ、この妹。
なんなんだ、何をしてきたんだ。
知ってるけど。
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おかしい、設計書上では、視力の儚い、プラトニック・ハートな箱入りだったはずなのだが。
「アタシを救ってくれる、アナタが!!」がっしり、鼻垂れたまま彼女は、
僕の四プラス弐肢(弐は翅を指す)を拘束しにかかる。
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かかるではない、既に
「もう!めろめろ!!兄さん!!!」僕は陥落しかけていた。
交尾すると俺の死、全力で阻止せねばならない。捕食されちゃーう・・・
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がしがし、ちゅーちゅー、
がし、ちゅー、ずざ、ざざざ
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どさ、どさ。................................いったーい!
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木から落ちる阿呆が、2匹。
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『fly out lost』
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某所より流用(非公開?マイピク限定だったかもしれない)これもエターナってしまったねえ。。イラストまで描いてもらったのにhttps://www.pixiv.net/artworks/71791703

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