見出し画像

いい夫婦の日。家事シェア専門家に、いい夫婦の心得を聞いてみた。

こんにちは。編集部の安永です。
2月から夫婦2人きりで在宅勤務をしています。

9ヵ月間、ほとんど毎日ずーーーーっと家に2人。
大人同士なのでそんなに大変じゃないかと思いきや、これだけ一緒にいると、当然すべてが「雑」になっていきます。

手抜きのごはん、散らかる靴下、溜まるホコリ、テーブルに置かれたままのゴミ……。

一方の手抜きに対抗するようにもう一方の手抜きが加速し、定期的にギスギスしてしまうのは私たちだけですか?!(どうかこのnoteが夫に見つかりませんように)

そろそろ、どうにかしなければ。
11月22日「いい夫婦の日」にちなんで、『家事でモメない部屋づくり』の著者である家事シェア専門家・三木智有さんに、いい夫婦でいるための心得を伺ってきました!(おまけにちゃっかり大掃除の相談も!)

画像1

https://books.rakuten.co.jp/rb/16527606/


【いい夫婦とは、「尊重しあえる関係」】

ーーー三木さん、11月22日は「いい夫婦の日」ですね。三木さんが考えるいい夫婦とは、どんな関係でしょうか?

よくお伝えしている夫婦の理想の関係は「無理をさせない、無理をしない」。この塩梅が大事なんですよね。
そのための大事な考え方が「家事シェア」です。外部に頼るでもいいし、周りと助け合ってもいいし、家事を減らしてもいい。日常の家事くらいならどうにでもなるはずなんですよね。

画像5

―――家事を減らしたり外部に頼ったりしても、モメてしまうことがあるのですが……。

モメてしまうときは、相手に対する尊重が欠けてしまっているんですよね。

心の中でいくらリスペクトしていても、相手のために行動できていないと、相手には伝わりません。尊敬と尊重は似ているようで、ちょっと違うと思うんです。「尊敬する」というのは自分の気持ちだけど、「尊重する」というのは相手が「尊重されている」と感じて、はじめて成立する。だから自分がどれだけ思っていても、行動なり言葉なり態度なりで示さないと相手には伝わらないですよね。

ーーーまさに、尊敬はしているけれど、相手のすべてを尊重するのは難しいです。自分の都合を優先したいときもあります。三木さんはどうやって示していますか?

相手に聞く・質問することからコミュニケーションをはじめることが多いです。相手の「ポジティブな変化」「ネガティブな変化」どちらにも気づいて、言葉にします。

「ちょっと痩せたんじゃ無い?」とか、「顔色悪そうだね、疲れてる?」とか、「早く帰ってこれたけど、仕事うまくいったの?」とか。本当はそうじゃないかもしれないけど、とりあえず気がついたことを言ってみる。

ーーー自分のことを見てくれていると感じますよね。

そうそう。「そんなこと言われても、変化になんて気づかないよ」と思われるかもしれないですが、間違ってもいいから気づいたことを口に出してみるのが大事。それが会話のきっかけになるので。うちはそういうのが多いですね。勘違いも含めて、相手の変化に気づいたら口にするようにしています。

夫婦の会話で大切なのは、結論ではなくて「過程」です。自分の主張を通そうとか、相手を論破しようということを目的にせず、プロセスに価値を置く。9割がた、この「過程」でうまくいく、と言っても過言ではありません。

さっきも言ったように、顔色がよくても悪くてもどちらでもよくて、お互いに興味を持っていることが伝わればいいんです。「そう、実は寝不足なんだよね」でも、「えっ、とっても元気だよ」でも、そこから会話が広がっていくので。

ーーーそうですよね。会話を広げることが大事と聞くと、わざわざ言わなくてもいいような、些細なこととかも、話せそう。

あと、夫婦コミュニケーションに関しては、「仕事の話をされてもよくわからない」という悩みもよく挙がります。仕事に限らずとも、お互い生きている世界が違うと通じない話ってあるじゃないですか。

でもこれも、別に通じなくてもよくて、わかってもらう必要もない。講演などでは「事象じゃなくて感情を掴むようにしよう」とお伝えしています。

「取引先とアレコレあって、でもとにかく商談がうまくいってよかった」と言われたら、「うまくいったんだ、よかったね」と言った方が楽しく会話できますよね。「だったら商談はこうしたほうがよかったよ」というフィードバックなんていらないじゃないですか!

ーーーいらないです!!(笑) とはいえ、共感って、男性側からすると「したくない」という意見もありませんか……?

うんうん、したくないというか、「どうすればいいかわからない」という声が多いです。

ポイントは、超どうでもいいことだったとしても、「相手がこういう感情を吐露してるんだな」というその感情を掴むことが大事。

たとえば、ネイルがうまくいったかどうかは理解できないけど、「君の嬉しそうな姿が僕も嬉しい」くらいでいいんですよ。ちょっと恥ずかしいかもしれないですけど。

ーーーそういうコミュニケーションをとっていくと、どうなりますか?「とっても素敵!」と思うのですが、その先のメリットがないと、ギスギスしはじめたら共感することが難しそうで…。

夫婦の信頼は、増えたり減ったり、「貯金」みたいなものなんですよね。モメたときや何か頼み事をしたいとき、この信頼貯金があると心地よく頼みも聞いてくれるだろうし、逆に相手のわがままも心地よく聞いてあげられるようになる。

相手の感情を掴むコミュニケーションを続けると、「いざ」というときのリスクヘッジとしての信頼貯金が溜まっていくんですよね。夫婦の関係性を日々よくしていくことは、ほんとうに大変なときにこそ、めちゃくちゃ効いてきます。

話し合いをするときに「この人は信頼できる」という前提があるかないかは、大きな分かれ目だと思います。


【いい夫婦は、「誰かのために家事をしない」】

ーーー信頼貯金があるような「いい夫婦」は、家事に対してどんなスタンスなのでしょう?

「シェアする前提に立っている」ことでしょうか。
家事や育児を頑張っているパパたちに家事をシェアする理由を聞くと、「ママの時間をつくるため」とか「ママに楽になってもらうため」とよく答えられるんですけど、「キレイな嘘ついてませんか?」と思っちゃうんですよね。

もちろん、ママのためにやるのもいいんですけど、「ママのため」と思ううちは、パパはきっと無理しているような気がします。やらないよりは、遥かにいいんですけどね! でも、「思ったほどママが喜んでくれない」と鬱々としてしまう人もいるようです。

ほんとうは、誰かのためじゃなくて、「家族で生活してるんだから家族でやるのが当たり前」になると、いい関係ですよね。

外側からの評価によって左右されてしまう動機よりも、自分自身で「やる価値がある」と思えるような、内側からの動機のほうが圧倒的にいいですよね。ママの評価が得られないと「なんのためにやってるんだろう」と考えてしまうじゃないですか。

画像3

―――それは悲しいです。どうやったら内側に動機が発生するんでしょうか…?

一番いいのは、そこに興味や関心を持って自分で工夫をすることです。細かく一方のやり方を押し付けるのではなくて、担当を決めたならその人が自由に考えられる余地を残す。たとえば、食器洗い担当の人は、洗剤やスポンジを自由に決められるとか。

あとは、家事そのものに興味がなくても、「それをすることで家族の関係が良くなる」と価値を見出せるなら、それでもいいと思います。ほめてもらうとかではなく、「子どもに家事をしている姿を見せる」とか「自分がやることで家族時間が増える」と心から思えるなら、それでもいいですよね。

―――あの……もともと「家事はやらない」と決め込んでいる人を変えるのは難しいですよね?

うんうん、難しいですね。相手が変わることに期待するよりは、自分の気持ちが楽になれる方法を見つけることが大事です。

「家事シェア」は、ひとつの方法にすぎないので、どうも家事をやらせてもイマイチだというなら、別の方法のほうが楽になるかもしれない。コミュニケーションのとり方を変えるとか、子どもの相手を徹底的にしてもらうとか。いろいろ試して、自分が楽になるポイントを探してみてください。

―――家事シェアをしない道もあるんですね。なるほど!


【大掃除は、「半日集中。ゲーム感覚で!」】

―――そろそろ年末、大掃除の時期ですね。いやだなー……。三木さんのご家庭ではどうされていますか?

大掃除は、徹底的な分担制をとっています!
まずは、普段掃除していないところを中心に、やるべき場所をリストアップします。キッチンの換気扇、網戸、洋室のタンスの中、庭の草むしり……とか。

そして、「自分はどれができるかな」と家族それぞれがピックアップしていきます。6歳の娘にも、草むしりや自分のおもちゃの整理などの「自分でできること」を担当してもらい、とにかく全員で担当を割り振るんです。

――ふむふむ。

で、決行日を決めたら、前日までにホームセンターに行って、使いたい掃除道具を選びます。

――おー!なんだか武器集めみたいで楽しそう!

そうそう。ゲームっぽくするのが大事なんです。娘も楽しんでますよ、適当だけど(笑)。使う道具は、自分で選ぶほうがやる気が出ますからね。
うちの場合は、すべての場所をとことんキレイにすることよりも、半日くらいでイベント的に終わらせることを重視しています。娘の集中力も保たないので。そのあとみんなで外にご飯を食べにいくのが、一番のご褒美。

――ご褒美つき!これはイベント感あって楽しいですね。我が家も今年はそうします。

ぜひぜひ。年末年始は、モヨウ替えするにもいいタイミングです。
時間がないと家具の買い替えはしにくいので、もし模様替えを考えてる方は、はやめにプラン立てするのがおすすめですよ。

画像5

【家事シェアとモヨウ替えで、いい関係をつくろう】

今回は、夫婦のコミュニケーションについて伺いましたが、もっと具体的な「家事シェア」の方法や、快適な家をつくる「モヨウ替え術」については、三木さんの著書『家事でモメない部屋づくり』にて紹介しています。

家族一人ひとりが安心してすごせる居場所にするための考え方が盛りだくさん。ただいま楽天ブックスでご購入された方には、限定特典として【特別セミナー動画】もご視聴いただけます!

この機会に、ぜひお手にとっていただけると嬉しいです。

画像5

https://books.rakuten.co.jp/event/book/store/d21/

https://books.rakuten.co.jp/event/book/store/d21/

「身の回りから、心の中までスッキリする 暮らしが彩るブックフェア」にもラインナップされています。ぜひ、部屋も心もスッキリさせて2021年を迎えましょう!


著者紹介

三木智有(みき・ともあり)

NPO法人tadaima!代表・家事シェア研究家
「10年後、20年後も"ただいま! "と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、NPO法人tadaima!を起業。家事シェアを広めるための講演を年間80本以上、元インテリアコーディネーターの経験を活かした、子育て家庭のモヨウ替えを年間100件以上行う。日本唯一の家事シェア研究家として、2016年内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員に選任。パパが家事育児を楽しむための方法などを各種メディアにて発信中。 note: note.com/tomoari_miki
Twitter:@tadaima_Tomo

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?