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元書店員が語る本気でおすすめしたい本

はじめまして。
今年の4月からディスカヴァーにお世話になっている鈴木です。
「元書店員が本気でおすすめしたい」という大変ハードルの高いタイトルで幕が上がりました。

以前、書店で働いていたということは事実ですが、職業を聞かれて「書店員」と名乗ることはどうしてもできませんでした・・・。

僕は百発百中でその人の人生を変えるような奇跡の一冊を紹介できるわけでもなく、たくさんの本を読むわけでもない平凡な人間です。
ただ。本がとても好きです。

先日、「いい本とは何か?」という問いを投げかけられたことがあります。
すごく悩みました。その方はたくさんのことを語ってくれましたが、正直に言うとその冒頭の問い以降は頭に入っていませんでした。(ごめんなさい)

この世にある本はほとんど「いい本」だと思うのです。
読んだあとに考え方が変わった本はもちろん。何年も持ち歩いてズタボロになっている本も、つまらなすぎて初めてゴミ箱にぶん投げたあの本も。
それはすべていい本だと思っています。
その本を読まなければその感想や行動は生まれなかったのだから。

そんな僕がディスカヴァーに入社して最初に出合った本は「ものの見方が変わる座右の寓話」という本でした。以前から知ってはいましたが、社内の綺麗に整えられた本棚から、この一冊だけが少し飛び出ていました。
「そうか今読むべきはこの本なんだな」と不意に感じ、手に取りました。

ものの見方が変わる座右の寓話

寓話と聞くと「北風と太陽」などが浮かびますが、ページをめくると「寓話ってこんなにあるんかい!自分知らないこと多すぎるな!」という謎の絶望感が襲って来ました。
(もちろんここに収録されているのは氷山の一角に過ぎませんが)

昔読み聞かせしてもらった寓話には人生の教訓が秘められていると僕たちは知っていますが、自分の考えがハッキリと形を持ち始め、人生の美しさや理不尽さを経験した今読むとまた違った感じ方があるのではないでしょうか。

「めんどくさい」を楽しむ

本書に収録されている「二人の商人」という寓話の解説の中で、宮崎駿監督の「めんどくさい」との付き合い方が登場します。

「めんどくさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ」「大事なものは、たいていめんどくさい」「めんどくさくないとこで生きてると、めんどくさいのはうらやましいなと思うんです」。めんどくさいの連発である。

(74ページ)

以前、上司から「すぐに答えを求めようとするな!」という言葉をもらい、一瞬目の前が真っ暗になったことがありました。指一本で検索をかけ、答えにたどり付くことができるようになったことで、何も考えずにすぐに検索窓に駆け込む僕が出来上がっていました。

面倒くさがらずにまずは考える。それが上手くいかなくてもその過程は絶対に無駄なものではありません。それが現在の限界であるということを受け入れるべきなんです。そして検索窓に打ち込むことでは絶対に生まれなかったその時間を僕たちは全力で楽しむべきなんだ!と今では声を大にして言いたいです。

どんな本にも心に残る言葉が必ず一つは存在すると常々思っています。そんな言葉たちに出合う機会が本書はとても多い様に感じました。
(長年読み継がれている物語が集結しているのでそれはそうだと思いますが・・・。)

寝る前に1~2ページにまとめられた寓話を1話だけ読んで、本を閉じてみてください。そしてどう思ったかをできるだけ言語化してみてから再度ページをめくり、解説を読む。

著者の解説と自分の意見が違っても気にしなくても大丈夫!本を読んでどう思うかは個人の自由!

意見が違った場合は、2つの感想が得られた!とむしろ得した気持ちになりましょう。この読書をしてから眠ることで、文字通り新しい自分が目覚めることになるでしょう。

面倒くさがらずに長い文章を読んで下さり、ありがとうございます。この文章に割いた時間が皆さんにとって良いものになれば幸いです。

今回ご紹介した書籍はこちら

あのロングセラーが待望の携書化!
古今東西語り継がれてきた迷ったときのヒントが見つかる。
イソップ物語から中国古典まで仕事に人生に効く""深イイ話""77

目次

第1章 視点と視野と視座
第2章 幅広い認識としなやかな思考
第3章 思慮深さと正しい判断
第4章 聡明さと創造的な仕事
第5章 強い組織の精神
第6章 働く姿勢と働く意味
第7章 正義の心と共同体
第8章 科学技術と社会の関わり
第9章 人生の道理と「有り難う」
第10章 欲望との付き合い方
第11章 学びの心得と学ぶ理由
第12章 挑戦と持続可能性
第13章 自分の物語の描き方
第14章 生と死のつながり
第15章 どんなときでも「ものは考えよう」

新刊予約受付中!

古今東西語り継がれてきた、迷ったときのヒントが見つかる。
イソップ物語から中国古典まで、人生のライフステージごとの悩みに効く‶深イイ話”77

著者について

戸田智弘(とだ・ともひろ)
1960年愛知県生まれ。
北海道大学工学部、法政大学社会学部卒業。
著書に『働く理由』『続・働く理由』『学び続ける理由』(以上、ディスカヴァー)、『海外リタイア生活術』(平凡社新書)、『元気なNPOの育て方』(NHK生活人新書)、『就活の手帳』(あさ出版)、『「自分を変える」読書』(三笠書房)など。

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