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「ごめん」には「ごめん」と返そう『不機嫌な妻 無関心な夫』【無料公開#14】

シリーズ累計35万部突破の『察しない男 説明しない女』や10万部突破の『話し方で損する人 得する人』など、コミュニケーション本のヒットを生み出してきた五百田達成さんの最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』を11月20日に発売することとなりました。その最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』の一部を無料公開します。

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「ごめん」
「私もごめん」

「ごめんね」
「俺も悪かった」

「ごめん」と言われたら「ごめん」と返す。相手はがんばって謝罪の言葉を絞り出したのだから、自分もがんばる。
これが夫婦ゲンカの理想の終わり方です。ところが、これが案外難かしい。

「ごめん」
「……いいよ」

「ごめん」
「うん、わかったからもういい」

などと答えてしまいがち。これだと結局、「勝ち負け」がついてしまい、「ごめん」と言ったほうには、釈然としない気持ちが残ります。
会社の上司でも、懐の深い上司は、部下から「ミスをしてすみません」などと言われたとき、「いや、俺の指示の仕方も悪かった」と謝ります。「いえ、そんな」と言いつつ部下はホッとでき、円満に事が終了します。

そもそも夫婦ゲンカで、どちらかが100%悪いというケースは稀でしょう。自分にもどこかに必ず非はあるはず。
その非は相手の非に比べたら小さいかもしれません。それでも、自分の小さな非を認めて、非の部分については謝る。それが結局、解決への近道です。

「何がごめんなのか言ってみて」はナシ

「ごめん」
「何が『ごめん』なのか言ってみてよ」

これはよくないパターンです。
相手の「ごめん」をまったく受け入れていない。「ごめん」を跳ね返しているようなもの。解決の方向に向かわないどころか、ますます混迷していくでしょう。「適当に謝ってるな〜」と感じたとしても、まずは「謝った」ということを認めてあげたいものです。
いっぽう、謝る側でよくないのがこれです。

「誤解を招くような言い方をしていたとしたら、ごめん」
「そういうふうに聞こえたなら、ごめん」

「ごめん」と言いつつも、まったく謝罪になっていない。
言外に「そういう受け取り方をするあなたが悪い」「誤解をするあなたがいけない」と言っているのと同じ。近年政治家が口にするもの言いですね。
国民を馬鹿にしている政治家のような物言いを、大切なパートナーに向かってやっていないか、いま一度セルフチェックしたいものです。

POINT 夫婦ゲンカは勝ち負けにこだわらない



著者紹介

五百田達成 (いおた・たつなり)

作家・心理カウンセラー。 米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。 「スッキリ!!」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。 著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ70万部を超えている。

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