見出し画像

【「はじめに」公開】リュージ(中竹 竜二)著 『仕事や人生の迷子になりがちな あなたに贈る 自分を育てる方法』

モヤモヤしたときこそ、本当の自分になるための"大人の成長期"
本書では、著者がこれまでのリーダー育成やチーム強化の経験から培った「自分を育てる力」を養うためのアプローチを、できるだけシンプルに伝えるためにまとめたもの。
このnoteでは、書籍の冒頭「はじめに」を公開します!


はじめに

迷いながらも歩き続ける旅に出よう

 こんにちは。
 数ある本の中から、この本を手に取ってくださって、ありがとうございます。

 僕はラクダのリュージ。
 普段は、企業の中でリーダーが育つための環境づくりや、リーダーとして成長したい個人の支援をしています。この仕事を始めてもう20年という月日が経ちました。
 僕の経歴について、ここで長々と話すつもりはありません。気になる方は「中竹竜二」で検索してみてください。本当は人間の姿をしていますが、この本の中ではラクダになろうと決めました。

 なぜラクダかというと、まず僕の顔がラクダに似ているから(これはちょっと自信があります)。
 そして、この本を読んでくれるあなたに対しての関わり方として、ラクダのイメージがぴったりだったからです。

 僕は、地図もない砂漠の中で、道なき道を歩くあなたのお供として、隣で歩きたい。
 喉が渇いたら、泉が湧くオアシスまで案内します。
 歩き疲れたら、僕の背中に乗っても大丈夫です。

 きっと、この本を手に取ったあなたは今、こんな状況の中にいるのではないかと僕は想像しています。

○仕事を始めてある程度の年数が経って業務に慣れ、そこそこに成果も出しているし、信頼できる友だちもいるが、なぜか自信がない。

○チームをまとめる役割を少しずつ任せられるようになった。「管理職になってね」と上司からも言われる。でも、人の上に立つのが不安。

○会社の業績が不安定。自分の将来も約束されていないのだと最近強く感じている。どこでも通用する力を磨きたいけれど、何から始めていいかわからない。

○「あなたの強みは何ですか?」と聞かれても、うまく答えられない。

○会社から期待されている役割が曖昧で、ロールモデルと呼べる人も近くに見当たらない。何を目指して自分のキャリアを考えていったらいいのか迷っている。

 思い当たることが一つか二つ、あったのではないでしょうか?

 繰り返しになりますが、僕がこの本を書きたいと思った理由はただ一つ。

 迷えるあなたの道先案内人になりたい、と思ったからです。

 さまざまな組織で働く人たちに実際に接する中で、確信したことがあります。
 誰もが、自分の力を信じたいと思っている、そして、よりよい未来を願っているのだと。
「自分の可能性を広げ、もっと会社や世の中に役立って喜ばれる存在でありたい」
 
これは、どんな人の心の奥にもある願いではないかと僕は思います。

 けれど、そのためのきっかけや方法がなかなか見つからなくて迷っている人は、とても多い。
 見つからないのは、あなたの能力不足や怠慢のせいではありません。
 社会が急速に変化し、働き方の常識も、個人と会社との関係性も大きな転換期を迎えているから迷うのです。

「一つの会社にずっと勤める」が前提だった終身雇用もほぼ崩壊し、副業を解禁する流れも加速。「会社はいつまであなたを守れるかわかりませんよ。一生食いっぱぐれないように、あなた自身が努力してください」と急に風向きが変わってきました。
 今の世の中の風景を見渡せば見渡すほど、「答え」がわからなくなって、不安になるのは当然です。

 けれど、立ち止まっているわけにはいきませんよね。
 すでに始まった変化の流れを止めることはできない。だから、僕たちも始めないといけないのです。新しい生き方を。

 僕は希望も感じています。
 ようやく個人が本当の意味で幸せな人生を手に入れやすい世の中へと近づいてきたのではないかという希望です。

 この本で皆さんに伝えたい「セルフリード」とは、自分で自分を育てる力のこと。

 風が吹く日も、太陽が照りつける日も、道筋を見失わないように、自分を育てる力。

 どんな変化が訪れようと、自分自身を育てることができ、自分のペースで走ったり歩いたり、ときには自らの意志で立ち止まることもできる。
 正解なき変化の時代には、自分の弱さを認め、周囲に支えられながら、柔軟でしなやかな生き方をする人が笑顔になって満たされていくのだろうと、僕は希望を持っています。
 世の中全体が慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、それぞれの「個」がより輝く時代になるともいえます。

 さて、このセルフリードの養い方についてですが、残念ながら学校や会社では教えてくれません。当たり前ですが、会社の最終的な目標は組織としての繁栄・存続であって、個人一人ひとりの目標すべてに寄り添うことは不可能だからです。
 先輩や上司も、その方法を知らないでしょう。
 セルフリードの力を身につけずとも、なんとかなる時代を生きてきたからです。いや、むしろ、「自分で自分を導くなんて、考えてもらっては困る」という真逆の価値観に従ってきたのが、昭和・平成を駆け抜けた世代だと言ってもいいかもしれません。
 しかし、その先輩たちもまた、「このままでいいのだろうか」と不安に駆られています。

 では、どうしたら……?

 心配しないでください。
 僕が、あなたのセルフリードを助けます。
 この本は、僕がこれまでのリーダー育成やチーム強化の経験から培った「自分を育てる力」を養うためのアプローチを、できるだけシンプルに伝えるためにまとめたものです。

意識的に身につけたい力は3つ。

自分を知る力(自己認識)
自分を導く力(主体性)
自分を支える力(自己承認)

 このそれぞれについて、一つひとつお話ししていきます。
 お話をしながら、僕はあなたにたくさんの問いかけをしていきます。「良質な問いこそ、人を導く」というのが僕の信条です。
 すぐに答えられなくても構いません。ゆっくり進んでいくので、焦らずについてきてください。

 さあ、出発しましょう。
 一緒に自分を育てる旅が始まります。

目次

第1章 「ありのままの自分」で生きよう
01 「がんばっているけど自信がない」あなたにこそ実践してほしい
02 自分を知る力 自分を導く力 自分を支える力
03 本当にやりたいことをやらないなんて、もったいない!
04 あなたを導くリーダーはあなたしかいない
05 他人と比べない〝自分スタイル〞をつくることができる
06 正解はない。人生と同じです

第2章 セルフリード・レッスン1 「自分を知る力」を育てよう
07 自分の「好き」を知る
08 自分の「弱み」を知る
09 上手にフィードバックを受ける
10 「自分がどうみられているか」は、相手によって違う

第3章 セルフリード・レッスン2 「自分を導く力」を育てよう
11 「未来の自分」をイメージする
12 自分に期待することはなんだろう? と考える
13 成功した未来を仮定する「フューチャーインタビュー」
14 1 日に何度でも再出発できる
15 時には、流されることも大切
16 明るい未来が描けない。それでもいい
17 タイムワープしてみよう

第4章 セルフリードレッスン3 「自分を支える力」を育てよう
18 自分で自分を受け入れて、認めてあげよう
19 今日の自分に「おはよう! 」と小さな宣言を
20 ちょっとした行動や成果をふりかえってみる
21 自分で自分にマルをつける
22 いつだって「成長過程」。3ヶ月前の自分と比べてみよう

第5章 セルフリードの土台となる 「学び続ける力」を育てよう
23 自分軸と他人軸を行き来して成長する
24 学びを捨てる「アンラーン」

第6章「べき」からあなたを解き放つ セルフリードのセンスを磨く8つのヒント
25 「石の上にも3 年」の呪縛にサヨナラしよう
26 夢を持たずに働く「万華鏡型キャリア」のすすめ
27 「下積み期間」が持つ本当の意味
28 「目標を決められない」と焦るときに持ちたい3つの視点
29 フラット化する組織での「出世コース」とは?
30 「心地よい」は、転機のサイン
31 「やるからには成功する」必要はない
32 自分への期待は捨てたほうがいい

著者について

中竹竜二(なかたけ りゅうじ)
株式会社チームボックス 代表取締役
1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所勤務後、2006年に早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。
2010年、日本ラグビーフットボール協会 において初めてとなる「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチも兼務。2019〜21年は理事を務めた。
2014年には、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックスを設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、一般社団法人スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。
ほかに、日本車いすラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』( CCCメディアハウス)、新著『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』(ダイヤモンド社)など多数。

ぼくは普段から意志が弱くて楽な方へ流されがちなのですが、『自分を育てる方法』に書いてある内容はどれも取り組みやすいので、ラクダのリュージさんと一緒に少しずつセルフリードができるようになれたらいいなと思います。
(営業部・T)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?