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一息で泳ぎ切るオッサンたちの絆

深夜カレー屋のオッサンは店のカウンターで一人残ったカレーを片付けながらため息をついていたが最近客足が落ちていることに悩んでおり彼のSNSアカウントには多くのフォロワーがいるもののほとんどが存在するだけで反応しない人々であり実際には店に来ない彼らはただ数字を増やすだけの存在でカレー屋のオッサンにとっては無意味な存在だったため彼は心の中で何とかこの状況を打破しなければならないと強く思っていた。

ある夕方泥棒のオッサンが店に現れたのだが彼は近所で評判の悪い男で生活に困窮していたためカレー屋のオッサンのSNSをフォローしているものの一度もコメントをしたことがなく「ちょっと金がなくて」と言い訳しながらカレーを食い逃げしようとしたがカレー屋のオッサンは彼の行動を見て昔の友人の姿を思い出し胸が痛んだ。

その場に居合わせた警察官のオッサンは泥棒のオッサンを見つけて「何をやっているんだ」と声を上げ彼を取り押さえようとしたが泥棒のオッサンは「俺はただ腹が減っているだけなんだ」と叫びカレー屋のオッサンに助けを求めカレー屋のオッサンは「彼はただ食べ物が欲しいだけなんだからそんなに厳しくする必要はないだろう」と警察官のオッサンに言い返したが警察官のオッサンは「それでも法律は法律だ」と譲らなかったため三人の間に激しい言い争いが始まった。

その後近くの公園では草刈りのオッサンが周囲の様子を見ながら作業をしていると犬の散歩をしているオッサンが通りかかりいつものように愛犬を連れて散歩していたが草刈りのオッサンはその犬が自分の刈った草に興味を示しているのを見て思わず「その犬に草を食べさせるなよ」と声をかけると犬の散歩のオッサンは「お前の草じゃないだろ」と反論し二人の間に小さな火花が散った。

この小さな言い争いは周囲にいた他のオッサンたちの目を引きヤクザのオッサンやバイク乗りのオッサンさらには警察官のオッサンも集まってきて何が起こっているのかを見守ることになったが草刈りのオッサンは「俺はただ犬が草を食べるのを心配しているだけだ」と言い訳し犬の散歩のオッサンは「そんなこと気にするな犬は草を食べるのが好きなんだ」と反論したため周囲の雰囲気はますます険悪になっていった。

さらにその場にいたバイク乗りのオッサンが「お前らそんなことでいちいちイライラしてんじゃねえよ」と口を挟むと犬の散歩のオッサンは「お前こそ何様だ」と反論しバイク乗りのオッサンも「俺はただ無駄な争いをやめろと言ってるだけだ」と声を荒げると草刈りのオッサンが「お前ら何をケンカしているんだ」「こんなことで時間を無駄にするな」と叫ぶが周囲のオッサンたちもそれぞれの意見を言い始めて火種が次々と飛び火するかのように言い争いがエスカレートしていった。

その時カレー屋のオッサンが「お前たち何をしているんだ」「こんな無意味なことで争っている暇があったら助け合うことを考えろ」「泥棒のオッサンのことを忘れたのか」と指摘したがオッサンたちの不満は収まらず言い争いは続いていたのだがいつも家で休んでいるオッサンが近所の騒がしい声に気づき何が起こっているのか気になって外に出てくると彼の知っているオッサンたちが集まっているのを見て思わず「何をやっているんだ俺が休んでいるときに!」と声をかけた。
この言葉にというかいつも家で休んでいるオッサンが外に出てきたことに全オッサンが衝撃を受け彼らは一瞬言い争いをやめて家で休んでいるオッサンの言葉に耳を傾けた。

「そうだ俺たちが助け合わなきゃならないんだ」「こんなことで争っている場合じゃない」と家で休んでいるオッサンが言うと草刈りのオッサンも「俺たちが助け合うことでもっと良い未来を築けるはずだ」と続け全員がその言葉に賛同し皆互いに支え合うことを誓った後全員でアプリを開き反応しないフォロワーを一斉にブロックすることに決め「もう無意味な存在に振り回されることはない」「俺たちが助け合って前に進もう」と決意を新たにしたことでオッサンたちは新たな絆を築き過去の傷を癒しながら共に未来を切り拓いていくことを決めたのだった。

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