熱中商 vs 熱海商
熱中商業高校 vs 熱海商業高校
こんにちは、皆さん。今日は第106回全国高等学校野球選手権大会、熱中商業高校と熱海商業高校の試合をお届けします。炎天下の甲子園球場からお伝えします。
熱中商業高校
所在地: 静岡県熱海市
創立: 1950年
野球部モットー: 「熱く、中途半端なし」
特徴: 地元の熱い声援を受け、粘り強い守備と機動力野球が持ち味。
熱海商業高校
所在地: 静岡県熱海市
創立: 1948年
野球部モットー: 「海のように広い心で」
特徴: 温泉地の恵まれた環境で鍛えられた体力と、しぶとい粘り強さが魅力。
両校の選手たちがグラウンドに整列しました。まずは熱中商業高校の校歌が球場に響き渡ります。
一、熱中症こそ 我が誇り
倒れて学ぶ 若人よ
脱水症状 胸に刻みて
保健室へと はいずり寄れ
続いて、熱海商業高校の校歌が歌われます。
一、湯気モクモクと 夢も沸く
商いの湯に 浸かる我等
熱海の名に恥じぬ ふやけた指で
未来を掻き混ぜる 熱海温泉商業
両校の校歌が終わると、選手たちの目には決意の光が宿ります。アルプススタンドでは、両校の応援団とチアリーダーが熱い声援の準備を整えています。
両チームの選手紹介が行われます。
熱中商業高校のスタメン:
中堅手 日射病 翔太
遊撃手 熱射病 健介
三塁手 脱水症 雄大
一塁手 塩分不足 拓也
左翼手 汗だく 真司
二塁手 めまい 康平
右翼手 頭痛 竜也
捕手 嘔吐 誠
投手 意識朦朧 大輔
熱海商業高校のスタメン:
二塁手 露天風呂 隆太
中堅手 サウナ 裕介
遊撃手 打たせ湯 直人
一塁手 岩盤浴 慎吾
左翼手 泥パック 健太
三塁手 温泉卵 洋平
右翼手 湯もみ 和也
捕手 源泉かけ流し 勇太
投手 アカスリ 修平
いよいよ試合開始のサイレンが鳴り響きます。
1回表、熱中商の攻撃から試合開始です。1番日射病が鋭い左前打で出塁。続く2番熱射病の送りバントで1死二塁と好スタート。しかし、熱海商のエースアカスリが踏ん張り、3番脱水症、4番塩分不足を連続三振に抑え無失点で切り抜けました。
1回裏、熱海商の攻撃。熱中商の先発・意識朦朧が制球に苦しみ、四球で2人の走者を出すも、ここは要所を締め、無失点で乗り切ります。
2回から5回まで、両エースの投げ合いが続きます。3回表、熱中商は1死から汗だくがヒットで出塁すると、めまいが絶妙の送りバントを決めて1死二塁のチャンスを作りますが、得点には至りません。
4回裏には熱海商が1死一塁から温泉卵の送りバントで二塁に走者を進めますが、これも得点にはつながりませんでした。
両校の応援団も声を枯らして声援を送ります。
6回表、ついに均衡が破れます。熱中商の4番・塩分不足が左中間を破る2点タイムリー二塁打を放ち、先制に成功します。アルプススタンドの熱中商側が大きく盛り上がります。
しかし7回裏、熱海商も黙っていません。1死から2番サウナがヒットで出塁すると、3番打たせ湯が送りバントで1死二塁。そして4番・岩盤浴が右中間を破る2点タイムリーヒットで同点に追いつきます。熱海商のチアリーダーたちが華麗な演技を披露し、スタンドを沸かせます。
8回は両チーム無得点。9回表、熱中商が1死一、三塁のチャンスを作ります。ここで6番・めまいがスクイズを決め、勝ち越しに成功。
9回裏、熱中商は守護神・中村を投入。熱海商の猛攻をしのぎ、3-2で熱中商が勝利を収めました。
試合終了を告げるサイレンが鳴り響く中、熱中商の選手たちがマウンドに駆け寄り、歓喜の輪を作ります。一方、熱海商の選手たちは悔し涙を流しながらも、最後まで諦めずに戦った仲間たちと肩を抱き合います。
勝利を収めた熱中商業高校の選手たちは、喜びに満ちた表情で校歌を歌い上げます。
二、商いの熱中症 真理を求め
日々に脱水 積む我等よ
熱中の名に恥じぬ 汗だくの心で
世界に倒れゆけ 熱中商業
校歌が終わると、選手たちは甲子園の土を踏みしめ、この勝利の喜びを噛みしめるのでした。
一方、敗れた熱海商の選手たちは、ベンチに戻ると、静かに甲子園の土を踏みしめます。主将の露天風呂が小さなバッグを取り出し、ゆっくりとしゃがみ込みます。彼は震える手で一握りの砂をすくい上げ、大切そうにバッグに入れます。
続いて、他の選手たちも順番に砂を手に取ります。4番の岩盤浴は、砂を掌に乗せたまましばらく見つめ、目に涙を浮かべながらバッグに入れました。
最後に、監督が選手たちの前に立ち、「この砂と共に、今日の悔しさも持ち帰ろう。そして来年、必ずこの場所に戻ってくるんだ」と声をかけます。選手たちは固く頷き、決意を新たにします。
チアリーダーたちも涙ぐみながら、最後まで戦い抜いた選手たちを温かく迎えます。砂の入ったバッグを大切そうに抱える選手たち、応援団、チアリーダーたちは、それぞれの思いを胸に秘めながら、甲子園の舞台を後にしていきました。
夕暮れ時の甲子園球場。熱戦を終えた両校の姿が、夏の終わりを告げるかのように、ゆっくりと遠ざかっていきました。
―
その夜、選手たちが持ち帰った砂袋を開けると、中から監督の顔が浮かび上がった。その顔は、選手たちの人生のあらゆる場面にイチイチ指示を出し始めた。些細なことから重要なことまで、際限なく指示し続け、選手たちはこの永久に続く人生指導から逃れられなくなった。
―熱中症には気をつけて!―
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