外は大雨で、仕事も忙しく、家の中で朝から晩までPC画面しか見ていない、これで本当に生きていると言えるのか、そんな一日(8/29)。風呂に入って夜十時、何か人間らしいことがしたいと家の中を見回すが、本を読むエネルギーはない。
さて、どうしよう。そんな時に思いついたのが「書き出しカルタ」である。好きな書き出しを五十音集めてカルタにしてみるのだ。いきなり全音はハードルが高いので、1列につき1つ、好きな書き出しを並べてみた。
以下に列記する。①家にある②すべて違う作家の作品、という条件を課した。条件①のせいで海外文学メインに椎名誠が混ざる妙なラインナップになったが、我ながら良い選書だ。どれもとても面白い本である。
「い」
「こ」
「し」
「つ」
「な」
「ひ」
「め」
「よ」
「ろ」
「わ」
良い本は書き出しも良い、としみじみ思う。さりげなさの中に、作家が心を砕いた様子が感じ取れる文章が好きだ。「この本とこの本はどっちも『あ』で始まるんだなあ」という落胆(?)もあり、少しは人間的なことをした気になれた。
どの国のどんな本でもフラットに扱えるのがカルタのいいところだ。文学的価値もジャンルも関係なく、好きな本の好きな文章がただ横一線になる。いつか、読んだ本だけで「書き出しカルタ」を完成させてみたいものである。
(おわり)
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