いざはじめての名建築【池袋・自由学園明日館】
今週もこんにちは。暖かい日も増えてきましたね〜
本日は番外篇です。建築好きの友人に誘われて、池袋まで行ってきました。前から見てみたかった建築があるというのです。「名建築を見に行く」という発想自体が新鮮でしたが、「名建築」ってわりと一般的な言葉なんですね。とても楽しかったので、今日はその話を。
その名も自由学園明日館。1921年に建設された女子校自由学園の校舎で、設計者は僕でも名前くらいは知っている、近代建築の巨匠アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト。現在は重要文化財に指定されています。
なぜそんな有名な建築家が日本の女子校を? と疑問が浮かびますが、元々依頼した建築家が師匠のライトを推薦してくれたそうです。でも、ライトは途中で日本を離れたので建物の完成は見ていないんだとか。
▼▼正面からみるとこんな感じ(この記事もいいです)▼▼
ライトは高さを抑えた建物が水平に広がる「草原様式(プレーリースタイル)」というスタイルで知られています。池袋のど真ん中にある明日館も屋根が低く、まるで翼を広げているよう。高層ビルの群れの中で、ゆったりとした時間が流れているようです。
一歩足を踏み入れると、幾何学模様に彩られたしずかな空間が広がります。例えばこの大教室。子供の時にこんな環境で授業を受けてみたかったな〜。
母屋の廊下は奥がきれいに見渡せます。
下の写真を見ると、建物の内外に段差がないことが分かります。建物を大地と一体化させるのがライトの狙いだったそうですが、湿気の多い日本では、低く埋め込まれたためにかえって床板が腐りやすくなってしまったんだとか。
こちらはホール。生徒たちは当時ここで昼食を食べていたそうです。当時から使われていたという椅子もかわいい。
扉のちょっとしたあしらいにもキュンときます。
池袋は1945年の東京大空襲で甚大な被害を受けましたが、この明日館は奇跡的に被害を免れたとのこと。校舎として役目を果たしたのは1921-1934年までのほんの十数年でしたが、建物自体は現在でも結婚式場などに使われています。
(講演会の会場やロケ地、時には「ビールと暖炉を楽しむ夜」というイベントも開催されているようです。行ってみたい・・・)
知らなかったのですが、貴重な建物や施設を使いながら保存していくことを建築分野では動態保存と呼ぶそうです。建築は基本的に使われるためのものですが、ひとに使われるとすり減ってしまう。逆に、保存だけしていたら、本来の風味が失われていく建築もきっとあるんだと思います。「どう使うか/使わないか」という問いはおそらく「建築とは何か」につながっていく。それを考えるのも楽しい、と思った一日でした。
おまけ
帰り道、目白を歩いてたらめっちゃ薄いマンションを見つけました🏢
(おわり)
▼▼前回の記事▼▼
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